【池田充雄】男子プロバスケットボールB2リーグの茨城ロボッツは10、11日、水戸市緑町のアダストリアみとアリーナで、2020-21シーズンのホーム開幕節、アースフレンズ東京Zとの2連戦に臨んだ。10日は78-67、11日は89-79で2連勝を挙げ、通算成績を2勝2敗のイーブンに戻すとともに、ホームでの連勝を17に伸ばした。
●2020-21 B2リーグ第4戦(11日、アダストリアみとアリーナ)
茨城 81-79 東京Z
茨 城 |23|13|17|28|=81
東京Z|15|27|27|10|=79
最大19点差をひっくり返す
茨城は今季、リチャード・グレスマン新ヘッドコーチ(HC)を迎え、人もボールも動くアップテンポなバスケを構築中。対する東京Zは昨季B2中地区最下位に沈んだが、今季は元日本代表のビッグシューターの岡田優介(土浦日大高出身、元つくばロボッツ)を獲得し、ベテランと若手の融合を目指している。

11日の試合、茨城は第1クォーターから好調な立ち上がりを見せた。パスがテンポよく動き、外からと中からの攻撃のバランスも良好。東京Zはスロースタート気味でシュート精度も低く、茨城が大きくリードする。
東京Zは第2クォーター、栗原翼、坂井レオら途中投入の若手選手がアグレッシブなプレーで茨城の守備をかき乱し、引き付けて逆サイドからの3点シュートや、ゴール下に入り込んでのシュートで急激に点差を縮め始める。逆に茨城はパスは回るものの相手を崩しきれず、外からの単発の攻撃でボールを失う場面が増えてくる。残り2分38秒で逆転を許すと、第3クォーターも流れを変えられず、第4クオーター開始直後には19点差をつけられてしまう。
しかし茨城はここからの立て直しが見事だった。しっかりとした守備からアグレッシブに攻めていこうとコート上の5人が意思統一。相手に自由に攻撃をさせず、足を止めることに成功。そこに平尾充庸や中村功平の3点シュートが次々と決まり、厳しい追い上げを見せる。残り3分9秒で平尾のレイアップが決まり試合をひっくり返すと、残り時間も81-79で勝ちきった。

「19点差のときのタイムアウトでは、チームにポジティブなメッセージを送った。まだ新しいシステムに慣れていない部分があり、落ち着かせたい部分もあった。チームは戦う姿勢だけでなく、しっかりと立ち直る力を見せてくれた」とグレスマンHCは試合を振り返った。
平尾は「去年までは劣勢になるとボールが回らず、個人で戦ってしまっていたが、今日は最後までボールを回しきれた。悪い時間帯もあきらめず全員で戦い、逆転できたことは自信になる」とコメント。今季から主将を務め、最後の追い上げにも中心選手としての自信と責任感がうかがえた。
逆転のもう一人の立役者となった中村は「第4クォーターは頭から出させてもらった。自分は3点シュートが得意なので、流れを変えてこいというメッセージだと感じた。リバウンドも自信があり、思い切ってくらいついていった」と話した。

次節、茨城は17、18日、日立市池の川さくらアリーナで青森ワッツと対戦する。