都心に集中する訪日外国人旅行客(インバウンド)を茨城・千葉エリアの観光地に誘致するための商談会「第6回JATAインバウンド商談会」(日本旅行業協会=JATA=主催)がこのほど、つくば市竹園のつくば国際会議場で開かれた。ホテルやレジャー施設など茨城・千葉地域の観光産業関係者ら153人が参加し、大手旅行会社に向けて、茨城・千葉地域の観光資源を売り込んだ。
茨城県国際観光課の大賀庸年係長は、訪日外国人旅行客を呼び込む県の施策として、PRと情報発信、旅行商品づくり、受け入れ態勢の整備の3つの柱を掲げ、「都心に集中している外国人をいかに茨城に来てもらうか、単純に泊まるだけでなく、観光資源があることをPRしたい」などと語った。
ホテルオークラフロンティアつくば(つくば市)の大内裕・宿泊セールス課予約担当課長は「茨城は観光資源のPRはまだまだ。紅葉シーズンの筑波山も日本の人にもインバウンドにもまだまだPRが出来ていない」と課題を挙げ「もっと茨城をPRするお手伝いができれば」と話した。
テーマパーク「こもれび森のイバライド」(稲敷市)の運営会社ファームの担当者は、同園での乗馬体験を例に「欧米の人は日本らしい『和』の雰囲気を求めているが、アジアの人には乗馬は喜ばれるのではないか」と、どの国の旅行客をターゲットにするかで売り込む商品が違ってくると話し「今回商談会に参加したのを参考に、ゼロベースからインバウンド対策や集客について考えていきたい」と述べた。
質高いプロフェッショナルな商品を
外国人旅行客の茨城への誘致について観光学が専門の大島愼子・筑波学院大学学長は「茨城県は豊かな自然と文化と食があり、更なる訪日外国人の誘致が期待できる。東京と関西に偏りがちな訪日外国人を誘致するためには、まず地域が自分たちの文化資産を知り、情報発信することが必要。観光客は新しい魅力を常に探している。観光業界は、外国人の個人旅行者に質の高いプロフェッショナルな商品を提供していただけたら」とコメントした。(崎山勝功)