【コラム・浅井和幸】ある男性から相談がありました。それは下記のようなものでした。
ご無沙汰しております。覚えていますか? 以前、そちらの相談室でお世話になったAです。今は、就労支援事業所でお世話になっており、毎日通っていて、それなりに給料もいただいています。
順調にいっているとも感じていて、以前より、楽しいと感じる時間も増えてきました。ですが、その事業所の人間関係や将来のこと、病状のことでネガティブになり、苦しいことも出てきました。
その事業所にカウンセラーがいるのですが、どのように相談してよいか分かりません。忙しそうにしていて、私の些細(ささい)な悩みで時間をとってしまうのが申し訳ないと感じてしまうこともあります。
それでも苦しくて、その事業所に通い続けられなくなってしまう怖さもあります。どのようにすればよいか分からなくて、さらに苦しくなっています。
遠慮せずに相談することが大切
物事に対して、Aさんはネガティブに考えを巡らせてしまう癖があります。考えすぎると、相手の考えを推測しているのか、相手が本当にそう考えているのかも区別がつかなくなり、前に進めなくなるタイプです。私は、下記のように回答しました。このようなことは、多くの方が抱えている悩みだと思いますので、参考になれば幸いです。
ご無沙汰しています。今、就労支援の事業所に通われていること、一時期の辛くて動けなかった時に比べて、楽しい時間を多く感じられるようになっているのですね。たくさん努力をされたのだと思います。本当によかったと思います。
そうは言っても、相手に気を使いすぎて、自分の辛さの相談が後回しになってしまうのですね。Aさんは、取り繕(つくろ)うのが上手くて、周りから見ると「あまり辛そうに見えない」と感じさせてしまうことが多いのだと思います。笑顔も出て、元気そうにみられがちなのでしょう。
福祉事業所のカウンセラーは、相談を受けるためにいるのですから、遠慮せずに相談することが大切です。些細なことで相談しすぎかなと感じるときは、そのこともカウンセラーと話をするとよいです。声をかけ辛いということであれば、定期的に相談できるように計画に組み込んでもらうのもよいでしょう。
もちろん、カウンセラーでなくとも、管理者でもサービス管理責任者でも指導員でも、相性の合う人に相談できるとよいですね。事業所によって対応は違うでしょうから、対応してもらえるかどうかも相談してみてください。
そして、今いる事業所だけでなく、相談支援事業所の相談支援専門員や、役所の障害福祉課、保健所や精神保健福祉センターなどに相談することも考えられます。
浅井心理相談室や、かすみがうら市とつくば市で毎月行っている、なんでもかんでも相談も、気軽にご利用ください。(精神保健福祉士)
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