筑波学院大学(つくば市吾妻)は、学生が地域に出て社会貢献活動に取り組む「オフ・キャンパス・プログラム(OCP)」活動を行っている。同大学2年の志賀旭さんは11月9日、10日の2日間、かすみがうら市の指定文化財一斉公開で、一般向けに現地公開した文化財を案内するガイドのボランティア活動を行った。志賀さんに話を聞いた。
筑波学院大学
経営情報学部ビジネスデザイン学科2年
志賀旭さん
―OCP活動でかすみがうら市歴史博物館を選んだ理由は?
歴史に興味があり、大学では一般教養として世界遺産や世界史、日本史の授業を選択して勉強しています。小学生のころから自転車に乗るのが好きで、大学生になってからはクロスバイクを買ってりんりんロードを走っているのですが、様々な史跡があって見て回るのがおもしろく、地域の歴史にも興味がわきました。それで文化財のガイドをしてみたいと考え志望しました。
―11月の指定文化財一斉公開ではどのようなガイドをしたのですか。
長福寺(かすみがうら市下軽部)にある出島のシイの木のガイドをしました。この木は樹齢が760年くらいと推定されていて、県の天然記念物です。シイの木は行けば誰でも見られるものなので、他の特別公開の文化財よりも価値が低いように思われがちですが、自分は一目見てその大きさと迫力に心を奪われ、ぜひこの木のガイドやりたいと思いました。幹は7メートル、高さは15メートルあり、周りには弘法大師の像が建てられています。
―ガイドをやってみてどうでしたか。
小学生から70代の方までたくさんの方が来てくれ、楽しく充実した経験でした。最初は緊張して早口になってしまい上手くできませんでしたが、シイの木の樹木医さんが「相手の話を聞くのもガイドの仕事の秘訣(ひけつ)」と教えてくり、見学に来た方の話にも耳を傾けるようにしました。出島のシイは文献資料が少なく、事前に勉強をする際に困ったのですが、自分よりも知識の深い方からいろいろな話が聞け、大変勉強になりました。ですが、まだまだ分からないことも多い。初日に、こちらが余裕を持ってガイドしないと見に来た人も不安になるということに気が付いたので、2日目からは落ち着いてガイドするようにしました。優しい年配の方が多く「ガイドが上手いね」とほめてくださることもあり、うれしく感じました。
―将来の夢は?
自転車が好きなので何か自転車に関わる仕事ができればと思っていますが、未定です。世界遺産に興味があるので、海外に行って実際に史跡を見てみたいという夢もあります。母がタイ人で仏教徒なのですが、今回、真言宗の長福寺でガイドをさせていただいたことで、お寺や仏教への理解がさらに深まりました。勉強を通して母に歩み寄りたいという気持ちもあります。
(聞き手・田中めぐみ)