【池田充雄】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」の特別競技、高等学校野球(軟式)競技会が29日から土浦市のJ:COMスタジアム土浦で開幕。2日目の30日は、第2試合に本県代表の茗渓学園が登場し、兵庫代表の神戸村野工と対戦するも1-2で敗れた。スクイズで2点を先行され、9回表の好機にタイムリーで1点を返すが、あと1本が出なかった。

今大会の出場校は10校。8月の全国選手権ベスト8が中心だ。茗渓の対戦相手の神戸村野工もその一つ。「相手は全国で勝ち進んだチーム、自分たちは挑戦者。緊張したが格上の相手にしっかり腕を振ることを意識した」とエースの井隼張斗(2年)。試合は両投手の投げ合いとなったが、村野工は初回裏、ワンヒットで1死三塁からスクイズを決めて1点を先制。5回裏にも同様の状況からまたもスクイズで追加点。井隼は「狙ったプレーをしっかりと決めてくるあたり、さすがに強いチームだと感じた」と印象を受けた。
茗渓が好機を作ったのは9回表。先頭の稲田遥人(1年)が死球で出塁すると、太田尚吾(1年)の左前打で無死一、二塁。これに続いたのが5番の槌本憲祐(2年)。2ストライクから真ん中やや高めの直球をレフト前へ運んだ。「甘い球を2球見逃していたが、三振を恐れずストレートを狙って振っていった。詰まったかと思ったが打球のコースが良く、三遊間を抜けてくれた」という1打で1点を返し、チームは息を吹き返す。
次打者の井隼にはバントのサイン。だが2球続けてファールで追い込まれ、内角球を見逃して三振。「前がつないでくれてベンチも声が出ていた。しっかりバントを決めようと思ったが決められず、いい場面で流れを切ってしまった」と悔やむ。後続2人も倒れてゲームセット。
重光智章監督は「最後に追い付くチャンスだったが点を取りきれなかった。投手は一生懸命投げていたが、エラーや拙攻で好機をつぶしてしまった」と敗因を語る。それでも1・2年中心の若いチームが、全国レベルの強さを肌で感じる貴重な機会になった。井隼は「自分たちがミスしたところを相手は確実に決め、それが勝敗に直結した」と、槌本は「強豪を相手にいい試合ができた。この経験を次に生かしたい」と、それぞれ課題と気概を語った。

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