【池田充雄】第101回全国高校野球選手権大会は2日目の7日、第1試合で本県代表の霞ケ浦高校が登場。大阪府代表の履正社高校と対戦し6対11で敗れた。待望の甲子園1勝はまたもお預けとなった。阿見町青宿の同校では生徒、保護者、職員ら200人以上が応援観戦に詰めかけ、勝利を信じ、スクリーンに向かって最後まで声援を送り続けた。
この試合、履正社は1試合5ホームランの大会タイ記録を含む17安打の猛攻。霞ケ浦は中盤に打線がつながり追い上げを見せたが、序盤の大量失点が最後まで響いた。
霞ケ浦の先発・鈴木寛人は1回表、履正社の先頭と4番にそれぞれソロホームランを打たれ、ペースを乱された。低めを突こうとしたスライダーやチェンジアップが決まらず、高めに浮いたストレートを狙われた。2、3回にも2ランを含む計5安打を浴び、0-7と引き離されたところで降板。3回1死からマウンドを継いだ山本雄大は変化球を巧みに使い、テンポの良い投球で相手の打ち気をそらすが、わずかに甘く入った球を捉えられ、5・6・8・9回に1点ずつを許す。
霞ケ浦の反撃は3回裏、天野海斗のソロホームランから。6回には先頭の黒田悠真が四球を選び、小田倉啓介の中前打で一、二塁とすると、吉本光甫の右翼への二塁打と、天野の左中間三塁打で計3点を加え、履正社のエース清水をマウンドから引きずり下ろす。2番手の岩崎からも飯塚恒介の二ゴロで1点を奪い、この回で5-9と4点差まで迫る。
8回には山本の遊ゴロで1点を加えたが、反撃もここまで。9回はダブルプレーであえなく試合終了。3回の2死満塁や、5回の無死一、三塁といった好機を生かせていれば、また別の展開もあったかもしれない。
「来年も頑張ってほしい」
「2回戦はみんなで甲子園で応援するつもりだった。行けなくなって残念だけど、ここまで一緒に頑張ってこれて野球部には感謝している」と試合終了時、目頭を押さえながら話したのは、2年生の岩瀬桃奈さん。山本投手や瀬川悠人捕手ら同級生の活躍に「来年もすごく応援したい気持ち。頑張ってほしい」とエールを送る。
「天野くんが打ってくれてチームに流れが来て、すごくよかった」と話すのはクラスメートの瑞穂花鈴さん(3年)。日ごろの天野選手は明るく元気で、いつもふざけている感じなので、試合中の真剣な表情に感動したそうだ。

同高附属中学の硬式野球部員、約30人も試合を見守った。「両チームとも一つひとつのプレーのレベルが高くてすごかった」と比氣叶夢さん(中3)、「一緒に練習した人が甲子園に出ていて感動した」と根本優真さん(同)。先日、ボーイズリーグの全国大会であるリポビタンカップの中学生の部に出場し、1回戦突破を果たしてきたばかり。兄弟チームそろっての1勝はならなかったが、次は自分たちが先輩の夢を引き継ぐ番だ。「来年は自分たちが1年からベンチ入りして、甲子園で活躍したい」と山田大河くん(同)は意気込んだ。
