【高校野球茨城’19】筑波、待望の1勝ならず

4回表、ヒットを放つ吉田

【池田充雄】第101回全国高校野球選手権茨城大会4日目の9日、ひたちなか市民球場の第1試合で筑波が東海と対戦し、7対8で敗れた。終盤で4点のリードをひっくり返され、目前に迫っていた単独チームでの待望の1勝が、手の中からこぼれ落ちた。

筑波は初回表、先頭の田中康太主将が内野安打で出塁すると、2番・森田雄登の送りバントで相手が処理を誤った隙に、一気にホームを狙い1点を先制。3回にも満塁押し出しで1点を追加。その裏に相手のランニングホームランなどで3点を失うが、4回に4点を挙げて再び試合の主導権を握った。

4回の攻撃の白眉は、2死満塁の場面で走者一掃となった、3番・市川龍之介の中越えスリーベース。「少しでも先輩を返したいと思って打席に入った。外の低いストレートで好きなコースだった」と振り返る。

投打でチームの中心となった田中

3年の田中と吉田拓海、そして2年の市川は、昨年の秋冬は3人だけで練習に励んできた。昨夏は連合チームで記念すべき1勝を飾ったが、それでも単独チームへの思いは強かった。

春になって人数が増え、チームらしくなったときの様子を吉田は「他を気にせずできるところまで練習し、だめなところはだめと言えるようになった」とうれしそうに語る。「連合チームでは選手にとまどいもあった。単独なら負けても自分たちの経験として積み重ねになる」と田嶋一彦監督。6月からは助っ人選手も加わって練習を積み、試合ができるまでになった。

しかし鍛えきれない部分も残った。実戦経験だ。練習試合でもコールド負けがほとんどで、9回まで競り合うのは今回が初めて。「自分の力を出せていると実感でき、楽しかった」と田中は言うが、疲れは確実にのしかかっていた。

相手に大きな当たりが出るようになり、8回を終えた時点で7-7の同点。9回にはストライクが入らず満塁とされ、ついにサヨナラのヒットを許す。「打球がショートの頭上を越え、涙が出た。だが後悔は全くない。いままでの中でいちばんいい試合だった。仲間一人一人が試合の中で成長できた」と田中は試合後、落ち着いた表情で語っていた。

試合後、ベンチ前で相手校の校歌を聞く