木曜日, 4月 24, 2025
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宇宙ビジネス参入促進を つくばで8月に第2回サミット

【山崎実】将来の成長分野と期待されている宇宙ビジネスの創出、支援強化に取り組んでいる茨城県は、8月につくば市で、宇宙飛行士の若田光一さんを招き、昨年に続き2回目の「宇宙ビジネスサミット」を開催する。宇宙ビジネスをリードする企業、研究者、投資家、学生などが集うイベントとなり、振興施策のテンポアップを図る。

昨年8月、県が立ち上げた宇宙ビジネス創造拠点プロジェクトが国の推進自治体の選定を受けたことで、県は12月につくば市で初の「宇宙ビジネスサミット」を開催した。ワンストップ相談窓口を設置したほか、県独自の補助制度を創設し財政支援を行うなど、積極的なビジネス創出に向けた体制の強化を行っている。今年4月には、県内企業やJAXA(宇宙航空研究開発機構)、関係研究機関など43団体で構成する「いばらき宇宙ビジネス創出コンソーシアム」を設立した。

今年度は8社12事業に補助支援

特に、補助支援事業は、研究機関などの試験設備の利用料補助(県外施設も対象)、衛星データを活用したソフトウェア開発費補助など、事業化、製品化に向けた本県独自の施策として事業者から好評だ。

この補助制度で、昨年は5社が選定されビジネスに弾みをつけたが、今年度はさらに8社(12事業)が支援補助事業に決定した。うち、つくば市のOUTSENSE(アウトセンス)とSAgri(サグリ)、牛久市の日豊の3社は、県内に新たな拠点を設置した。行方市のサンテクノは宇宙ビジネスに新規参入した。

各社の事業内容も個性的だ。OUTSENSEは折り紙を応用した技術で宇宙に家を建てることを目指す。SAgriは衛星データを用いたスマート農業支援ソリューションの開発に向け、土壌分析試験に取り組む。日豊は、地殻変動に対応した四次元高精度位置情報解析ソフトを開発する。医療機器を製造するサンテクノは、金属加工技術を活かして衛星部品分野に参入した。県はこれらの研究成果を、事業化に向け支援していく。

また、県内の中小企業が宇宙ビジネスに参入するよう働き掛けを行う一方、8月のサミットに続き、今秋には都内で、企業、研究機関、投資家などとのマッチング会を計画する。

今後の取り組みについて県科学技術振興課は「宇宙関連企業の誘致については、個別に企業訪問を行い、全国トップクラスの企業誘致施策や、本県における科学技術の集積の優位性などを積極的にアピールしていきたい」と意気込んでいる。

◆いばらき宇宙ビジネスサミット2019
8月5日午前10時から、つくば市吾妻のオークラフロンティアホテルつくばで開催。シンポジウム、セミナーのほかマッチングなどが実施される。問い合わせは県科学技術振興課(電話029-301-2515)、または日本宇宙フォーラム内いばらき宇宙ビジネスサミット2019事務局(電話03-6206-4902)。

 

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漢方薬品メーカー、ツムラ(本社 東京都港区 加藤照和社長)が、阿見町吉原にある同社茨城工場内の医療関係者向け見学施設「ツムラ漢方記念館」を17年ぶりにリニューアルし、22日メディア向けに初公開した。刻んだ生薬を使って模擬調剤を実習できる模擬調剤コーナー「TSUMURA KANPO LABO(ツムラ漢方ラボ)」などが新設され、実務実習にあたる薬学部の学生らが調剤を体験することができる。 医療学ぶ学生3000人が来訪 同記念館は、ツムラ創業100周年記念事業の一環として1992年に作られた施設。2008年に全面リニューアルした際には、漢方・生薬に特化した世界で唯一の記念館として日本デザイン振興会が主催するグッドデザイン賞の公共空間・土木・景観を受賞している。 延べ床面積1611メートル、2階建ての施設内には、漢方の原料となる生薬や、江戸時代に国内で刊行された中国の古典医学書「傷寒論」「金匱要略」などの歴史的書物、同社で製造する漢方製剤の製造工程や品質管理に関する資料が展示されている。医療を学ぶ学生をはじめ、医療従事者らが関東を中心に毎年3000人ほど訪れているという。 入り口を入ると大きく吹き抜けになった広い空間に、ガラスの筒や小瓶に入った100種以上の生薬が展示されている。風邪に効くとされる葛根(かっこん)湯に使われる「葛根」や、東南アジア原産で独特の清涼感ある香りが特徴の「薄荷(はっか)」、日本特産の多年草でセロリに似た香りを持つ「当帰(とうき)」など植物由来のものから、動物由来の、セミの抜け殻である「蝉退(せんたい)」やカキの殻の「牡蛎(ぼれい)」、鉱物の「石こう」など多岐にわたる生薬を間近に見ることがでる。小瓶に入る生薬はふたを開けて実際に匂いをかぐことができる。 その他、2階にある大型モニターを使った映像やイラスト、写真を通じて同社の歴史や取り組みを知ることができる。記念館の裏側にある「薬草見本園」では栽培される約300種類の薬用植物を間近に見ることができる。 記念館館長の吉田勝明さんは「今回のリニューアルでは漢方薬やツムラの取り組みを、よりわかりやすく楽しみながら伝えることを目的に、体験コーナーなどを用意した。夏休みには、昨年に続いて今年も、小中学生を対象としたイベントを、ウェブ配信と現地見学の両方で行う予定。現地見学では実際に漢方薬や生薬に触れて、においを嗅ぐなど薬草見本園での植物観察を交えた楽しめる体験を企画する。様々な体験を通じて五感で楽しめる施設にしていければ」と話した。 ツムラは1893年創業で、奈良県出身の津村重舎が、東京・日本橋に津村順天堂を開業し、婦人薬である生薬製剤「中将湯」を販売したのが始まり。中将湯は現在も同社で販売されている。医療用漢方製剤における同社の国内シェアは2023年度末時点で84.2%。厚生労働省が認可している医療用漢方製剤148処方のうち、129処方を製造・販売している。従業員数は約4000人で、茨城工場には、研究施設と工場施設を合わせて約1100人が従事している。(柴田大輔) ◆ツムラ漢方記念館は医療関係者向けの施設で、阿見町吉原3586の茨城工場内にある。一般向けにはバーチャル漢方記念館が公開されているほか、夏休みに小中学生向けの見学イベントが開かれる。 ➡ツムラ漢方記念館の過去記事はこちら