風と筒の傾きが複合原因 昨年の土浦花火大会事故

昨年、事故が起こった花火。左の写真の白い点が不発となった4号玉。右は学園大橋近くの地上付近で爆発する花火の様子(土浦市提供)

【鈴木宏子】昨年10月に開催された土浦全国花火競技大会で、けが人が出て大会が途中で中止になった問題で、土浦市は15日、事故原因について、強い風や風向きのほか、打ち上げ筒が傾いていたことが複合的に作用したと推定されるとする事故調査報告書を発表した。

今後の安全対策については、打ち上げ場所で毎秒10メートルを超えるやや強い風が10分間平均で吹くときは大会を中断し、さらに中断が30分間以上続いたときや、救急搬送されるけが人が出るなど重大な事故が発生したときは大会を中止するなどの新たな基準を設けた。

事故原因の一つとされる打ち上げ筒の傾きについては、大会当日の打ち上げ前に、市職員などが検査した際は筒の傾きは確認されず、事故後も確認されなかったという。一方、事故当時、花火は半径110メートルの保安区域を超えて観覧者がいる200メートル先に落下した。弾道を計算したところ、当日推測される最大風速の毎秒17メートルの風が吹いたとしても、筒が11度以上傾いていなければ200メートル先に飛ばなかったとした。打ち上げた業者に賠償などは請求しないという。

今後の安全対策として、新たに現場に風速計を設置する。これまでは約1キロ離れた市消防本部の風速計を基に判断していた。

さらに30分間以上中断が続いた場合、大会を中止する根拠について市は、遠方から来る人が多く、打ち上げ時間が交通規制の時間帯を超えると会場周辺が混乱してしまう恐れがあるためとしている。

事故調査は、昨年の事故直後から今年4月上旬まで、気象や弾道計算の専門家、花火師などに意見を求めながら実施した。

今年は10月26日開催

今年の大会開催日は10月26日になる。例年開催している10月の第1土曜日が、いきいき茨城ゆめ国体の開催日程と重なることから、今年は第3土曜日とする。昨年、大会が途中で中止となったのを受けて、桟敷席を昨年購入した人は、今年は優先的に購入できるようにするという。

事故は昨年10月6日午後6時21分ごろ発生した。19番目の高木煙火(岐阜県大垣市)が打ち上げたスターマインの4号玉1発が上空約200メートルで開かず、立ち入りが制限されている保安区域の外に飛び、打ち上げ場所から約200メートル離れた土浦市佐野子の学園大橋北西側で爆発した。花火を見ていた11人がやけどなどのけがを負った。事故後、中川清市長は昨年、安全対策を見直す方針を示していた。

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