【コラム・玉置晋】無事に放送大学大学院修士全科生を修了しました。3月23日、東京・渋谷のNHKホールで放送大学の卒業式がありました。放送大学の卒業式は初めてで、充実した社会人学生の研究生活を振り返り、感慨ひとしおでした。
僕、今、変なこと言いましたね。「放送大学の卒業式は初めて…」と。「何回目の御卒業ですか?」という放送大卒業生のあいさつが飛び交うこの異様さ。生涯教育、恐るべし。
放送大学の学部には6つのコースがあります。彼らは1つのコースを卒業しても、それで満足することはありません。6つのコースを制覇することは「グランドスラム(放送大学名誉学生)」と呼ばれています。卒業式ではグランドスラム達成の方の表彰がありましたが、1人や2人ではありません。数十人規模。
皆さん、実に学問をエンジョイしている。101歳で卒業された方もいらっしゃる。僕はまだまだ青いっす。学長先生のお話の中で、恐ろしいことを知りました。医学分野の話ですが、1950年代の時点では、医学知識が倍になるには50年かかっていたそうです。80年にはこれが7年になり、2010年には3.5年になったそうです。そして20年には73日になるそうです。
1950年代なら、1回学校を出れば、50年間は学んだ知識は担保されていましたが、今やその担保が2ヵ月で吹き飛ぶということです。学び続けなければ、すぐに知識が陳腐化することを示します。放送大の学生が、何度も卒業する姿は珍しいことではなく、「学び続けること」が必須の時代に突入したのでしょうね。
茨城大大学院とのダブルスクール
次年度、僕は茨城大学大学院に進学しますが、放送大学の学部生としても再入学しました。ダブルスクールとなります。きっと、僕も生涯をかけてグランドスラムを目指していくのでしょう。もう、抜け出すことはできません。
卒業式が終わり、大型バスを何台も連ねて、祝賀会会場に向かいます。それこそ、北海道から沖縄まで学習センターがあり、それらの卒業生が集まります。ここでは実に多くの出会いがありました。同窓会にも入れていただき、出会った方々との今後の関わりが楽しみですね。
全国の地酒も集まっていました。僕は飲めないので、その恩恵にはあずかれませんが、皆さん、飲み比べを楽しんでおられました。お酒が好きな方は、これを目指して入学されるのもアリかも?
少しの間、宇宙のお仕事から離れていましたが、4月から復帰することになりました。また、「食う寝る宇宙」の日々となります。(宇宙天気防災研究者)
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