プロ野球ドラフト会議が26日、東京都内で開かれ、5巡目で広島東洋カープが霞ケ浦高校の遠藤淳志投手(18)=土浦市出身=の交渉権を獲得した。26日夜の記者会見に応じた遠藤投手は「とりあえずホッとしている。2年後、3年後、自分がチームの一角として投げれるよう身体を作って頑張りたい」と抱負を述べた。
遠藤選手は「グローブの刺しゅうにも『夢実現』と入れていた。夢がかなってよかった。小学校に入学して野球を始めてから、ずっと(プロ野球選手になりたいと)思っていた」と述べ、プロ選手を目指す小学生たちに向けて「努力していけば夢はかなうことを小学生たちに伝えたい」と語った。
会見に同席した同校野球部の高橋祐二監督は「『早い指名はありえない』と思っていたが5位指名はビックリした。広島は12球団の中で一番練習するチーム。これから身体を作って、150㌔、155㌔を投げるピッチャーになると思う」と、今後への期待を寄せた。
元高校球児で父親の隆さん(64)は「小学6年のときから『プロ野球選手になりたい』と言っていた。その夢がかなった。これからは活躍してナンボ」と喜んだ。母親の遠藤美江さん(53)は「5巡目になっていきなりだったので、最初はびっくりした。感動で足が震えた。けがの無いように息の長い選手になってほしい」と語った。
遠藤投手は、身長184㎝、体重75㎏、右投げ右打ち。184㎝の身長から投げ下ろす角度のあるストレートと、縦に割れるカーブを投げ分けるのが武器。ストレートは最速142㎞を投げる。ほかにスライダー、フォークの球種がある。
市立斗利出小、新治中出身。少年野球チームの斗利出ベアーズ(当時)で小学1年から野球を始め、4年から投手として活躍。新治中軟式野球部を経て、霞ケ浦高校硬式野球部に入部。1年の夏には甲子園出場を果たしたものの、ベンチ入りできず、1年秋から念願のベンチ入りを果たした。
2年の夏の県大会4回戦では先発出場し完封する成績を挙げた。2年の秋からエースとして活躍が期待されたが、夏休み中に右手の甲を縫うけがを負ったため調整が遅れて登板できなかった。
悔しさをバネに、オフシーズンに練習を重ね、3年の春の関東大会ではベスト8進出の原動力となった。夏の県大会は2年ぶりに決勝戦進出を果たした。決勝戦では先発投手として200球を超える力投を見せ、延長15回の末、土浦日大に敗れ、惜しくも準優勝の成績を収めた。
会見後、同校野球部員たちに胴上げされ祝福された。県内では遠藤投手を含め4人の高校球児がプロ野球志望届を出したが、ドラフト会議でプロ野球球団に指名された県内の高校球児は遠藤投手のみだった。(崎山勝功)