土曜日, 5月 30, 2026
ホームつくば防災ヘリ 7月から医師乗せ補完運航 つくば・土浦の3病院がチーム組織

防災ヘリ 7月から医師乗せ補完運航 つくば・土浦の3病院がチーム組織

【山崎実】県は今夏の7月から、ドクターヘリの補完的運航として、医師及び看護師(医療チーム)を乗せた防災ヘリの運航を開始する。

既に昨年10月からドクターヘリの搭乗訓練(OJT)、防災ヘリ搭乗訓練等を実施している。重複要請等でドクターヘリが出勤できない場合、防災ヘリが医療チームを乗せて救急現場に向かい、速やかに治療を行い、救命率向上を図るのが狙い。

補完運航に先立ち、県は2月、この運航に協力して医療チームを組織、提供する土浦協同病院(土浦市、酒井義法病院長)、筑波大附属病院(つくば市、原晃病院長)、筑波メディカルセンター病院(同、軸屋智昭病院長)の3病院と「防災ヘリによる補完的運航に関する協定」を締結した。

「防災ヘリによる補完的運航に関する協定」締結式の様子(同)

これにより、防災ヘリに出勤要請があれば、防災航空隊基地(つくば市上境)から医療チーム提供3病院のいずれかの病院ヘリポートに立ち寄り、チームを乗せ現場に急行する。

2010年7月、水戸済生会総合病院(水戸市)と、水戸医療センター(茨城町)の2病院を拠点として運航を開始した現行のドクターヘリは、出動要請が年々増加し、重複要請から対応できないケースが目立っている。

県医療政策課のドクターヘリ運航実績によると、2010年度から17年度までの総出動件数は7079件、年度別では10年度の362件から17年度には1147件と3倍以上に急増。さらに重複要請も20件から8倍弱の156件に増え、全体では588件に上る。

防災ヘリをドクターヘリの補完として運航させることについて大井川和彦知事は、第1回定例県議会で県議の質問に「重複要請で(ドクターヘリが)出動できない場合や、多数の傷病者が出た際などに、防災ヘリが協力病院から医師と看護師を搭乗させ、救急現場に向かう体制が確立する。1人でも多くの県民の命を救うため、運航体制の充実、医療提供体制の強化に全力で取り組みたい」と、その意義を強調した。

ドクターヘリは、県境を超え、栃木、福島両県と相互に要請・利用できる体制を構築しているほか、千葉県のドクターヘリとも共同利用している。防災ヘリの補完的運航が、ドクターヘリの重複要請の負担軽減につながることは間違いなく、自治体関係者などからも「医療過疎地域にとっては心強い朗報」と、早期運航に期待している。

茨城県ドクターヘリ運航実績
年度 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
総要請件数 362 724 1090 956 986 884 930 1147 7079
出動件数 289 581 852 703 672 628 678 728 5131
未出動件数のうち重複要請 20 37 76 53 94 57 95 156 588

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

つくば市にも動物愛護協議会を設立《晴狗雨dog》10

【コラム・鶴田真子美】4月1日、つくば市にも、ようやく動物愛護協議会が産声を上げました。昨年夏、つくば市民ネットの小森谷市議、川村市議同席のもと、ペット防災や避難所運営について市の危機管理課と面談したのを機に、つくばにも動物愛護協議会が必要と痛感しました。両市議の尽力を得て、市内の動物保護団体や愛護推進員とミーティングを重ね、協議会の規約やあり方を審議してきました。 茨城県も「すべての市町村で協議会設置を目指す」と推進計画で明記しています。現在、県、水戸市、牛久市、阿見町、守谷市、取手市、常総市、神栖市、つくばみらい市、石岡市、小美玉市には動物愛護推進協議会が設置され、メンバーの方々が各地域の多様な課題に取り組んでいます。 つくば市動物愛護協議会の初イベントは、4月26日開催された「ピンクリボンフェスティバル2026」の里親会でした。私が代表を務める「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク(CAPIN)」からも、犬たちが参加。みな、県動物指導センターから引き出した保護犬たちです。啓発パネルがつくば駅広場に並びました。6月4日を皮切りに、市役所で保護猫里親会も予定されています。 動物たちのSOSに奔走 協議会が発足してすぐ、市内で放浪していたシニア犬を市役所から預かり、シェルターに保護し、見つかった飼い主さんにお届けしたこともありました。市内で乳飲み子猫のSOSがあり、協議会のメンバーにレスキューに向かっていただきました。団体の垣根を超えて助けられました。愛護協議会ができてから早速、私たちは動物たちのSOSに奔走しています。 連携をとって意見交換し、現場で汗を流しながら協議会がスタートしました。人と動物の共生をめざし、地域住民を巻き込みながら活動してまいります。犬猫の預かりボランティアさん、里親希望者さん、イベント参加者さんを大募集しています。よちよち歩きの協議会ですので、みんなで育てていきましょう。(犬猫保護活動家)

TX乗車人員4.7%増の42万人に 過去最高を更新

つくばエクスプレス(TX)を運行する首都圏新都市鉄道(東京都千代田区、渡辺良社長)は28日、2025年度(25年4月-26年3月)決算概要を発表した。1日平均乗車人員は前年度比4.7%増の42万3000人、年間乗車人員は1億5291万人となり過去最高を更新した。営業利益、経常利益、当期純利益いずれも過去最高益となった。 TXの乗車人員は2005年の開業以来、毎年増加を続け、19年度は1日平均39万5000人を超えた。一方、コロナ禍で20年度は大きく落ち込み、その後徐々に回復を続け、24年度は過去最高の40万3000人と、コロナ禍前の水準に戻った(25年6月2日付)。25年度は前年をさらに上回った。 乗車人員の内訳は、62%を占める定期が4.5%増、定期外も5.2%増加した。増加の理由について同社は、リモートワークなど働き方や生活スタイルの変化が定着した一方で、沿線の人口増加が緩やかに継続していることなどから輸送需要が増えたと分析している。 単体の決算概要は、運賃収入など本業で稼いだ営業収益は前年度比5.0%増の503億7600万円、一方、販売費及び一般管理費などの営業費は、開業から20年が経過し経年劣化した鉄道設備の保守管理や予防保全の修繕費の増加などにより同比3.7%増の396億7900万円になった、 この結果、本業で稼いだ営業利益は同比10.2%増の106億9700 万円、通常業務で得た経常利益は同比16.1%増の83億5800 万円になった。さらに今後の業績見通しを踏まえ繰延税金資産を積み増しし法人税調整額を10億4000万円計上した結果、当期純利益は同比36.5%増の81億8200万円になり、開業以来の過去最高益になったとしている。 26年度は、新造車両TX-4000系の導入に向けた検討に着手するほか、混雑緩和の対応として8両編成化に向け八潮駅と流山セントラルパーク駅でホーム延伸工事に着手する。ホーム延伸は25年度までに秋葉原駅から六町駅まで7駅で完了、柏たなか駅では工事に着手している。ほかに8両編成化などに伴って総合基地(つくばみらい市)の留置線拡張工事に着手などする。駅構内事業ではつくば駅の売店「TXアベニュー」の外装工事を実施し6月1日、リフレッシュオープンする。 各20駅の2025年度と24年度の1日平均乗車人数は以下の通り(人)。  駅名       25年度 24年度つ  く  ば    18,825  17,980研 究 学 園      8,076  7,877万博記念公園       3,780  3,575み ど り の      5,887  5,537み ら い 平      6,218  5,944守     谷    25,290  24,331柏 た な か      8,720  ...

つくば市の人口、水戸市を抜いて県内一に 25年国勢調査速報

総務省統計局が29日発表した2025年国勢調査人口速報集計結果によると、つくば市の昨年10月1日時点の人口は26万8991人となり、水戸市の26万5773人を3218人上回って、県内一になった。 つくば市の人口は前回調査した2020年と比べ5年間で11.31%(2万7335人)増えた。15年から20年の5年間が6.47%増だったのと比べ、増加率が1.7倍になった。 一方、水戸市の人口は5年前より1.8%(4912人)減少した。茨城県全体の人口は5年間で2.6%減り279万1207人となった。 五十嵐立青つくば市長はSNSで「一人ひとりの選択と営みが積み重なってこの数字がある。人口増加の背景には、つくばエクスプレス沿線地域の住環境の良さに加え、子育て環境づくり、教育改革、スーパーシティの取り組みを評価して移住してきたという声を伺う。これらは市民や議会の皆さんと一緒に積み上げてきた」などとするコメントを発信した。

千波湖畔に「みと好文テラス」がオープン《令和樂学ラボ》41

【コラム・川上美智子】4月23日、水戸市の千波湖畔に「みと好文テラス」がオープンした。千波湖は水戸市民にとって、憩いの場としてシンボリックな役割を果たしてきた。遠方から客が来れば、まずは千波湖に案内し、偕楽園まで散策して、世界第2位の都市公園面積を誇る水戸の豊かな自然を実感してもらう。 早朝や夕方には、ランニングする老若男女の、土日には子連れで遊ぶ家族のにぎわいの場である。梅の季節、桜の季節には、湖の周囲を車で走るだけでも豊かな気持ちになり、この町の魅力を味わうことができる。 東京の孫たちが小さかったころは、水戸に来れば家から1~2キロの桜川緑地や千波湖、少年の森に歩いて行き、毎日、虫探しを楽しんでいた。孫が小学生のときには、「すごい。ここはまだ広い空き地がたくさんあるんだ」と驚いたりするのを聞いて、体験や学びの場になることをうれしく思っていた。千波湖にはお茶屋さんと好文カフェがあり、そこでソフトクリームを食べるのが孫たちの楽しみの一つだった。 その千波湖に、新たな魅力となるショップやレストラン、イベントやアクティビティのスペースが誕生した。既に土日はにぎわいの場所となっていて、順番待ちもあるようなので平日がお勧めである。偕楽園や道路からの展望を邪魔しないよう、自然になじむ水戸黒の屋根、黄茶色の壁に統一された平屋の建物が数棟建てられている。 芝生の広場を囲んでアクティビティのための多目的コート、カヤックやボートの貸し出し、着物レンタル、サウナ・バーベキュー・カフェなどが並ぶ。食事関係では、農産物直売所、だんご屋、さつまいも専門店、ベーカリー、コーヒー店、ビール醸造レストランなど、茨城らしい個性ある店が勢ぞろいしている。 イバラキ四季彩レストラン アオヤマ 筆者が20年来協力してきた水戸市赤塚のレストランAOYAMAも、IBARAKI四季彩RESTRANT AOYAMAとして今回こちらに移転した。 シェフは海外の大使館・領事館(スイス、カナダ、台湾)で腕を振るってきた料理人である。食物と健康の関係に関心が強く、体によい料理を提供したいと素材にもこだわっていて、海外に勤務されているときから当方の食品学研究室に連絡をくださっていた。以来、赤塚のパスタ祭り、笠間の陶炎祭、ロボッツ選手の補食弁当、日本高血圧学会の減塩食づくりなどで協力関係を築いてきた。 私は常々、食物は健康の視点にプラスして、何よりもおいしいこと、満足感を与えることが大切だとアドバイスしている。千波湖には、県外からのお客様も多数来られることから、茨城でおいしい食事ができたと喜んでいただけるレストランを目指して頑張ってほしいと願っている。また、お店の器などにも茨城ならではのこだわりをと、笠間の柳橋修二先生を紹介してディナー料理用の器を準備いただいた。 「製作に半年もかかって大変だったよ」との先生のお言葉通り、体にやさしい西洋料理にマッチした力作を楽しむことができる。また、お店の入り口と奥の個室には、筆者の作品も飾らせていただき、茨城ならではの演出をしている。水戸に行く機会があったら、ぜひ、足を運んでいただきたい。(茨城キリスト教大学名誉教授、関彰商事アドバイザー)