【震災8年】3 商売再開した福島避難者を紹介 筑波大生ら取材

小冊子「いってみっか」を紹介する筑波大学の上原あやかさん

【鈴木宏子】原発事故により福島県から茨城県内に避難し、つくばや土浦市などで商売や事業を再開した避難者13組を紹介した小冊子「いってみっか―いばらきで歩みはじめた私たちの想い 3.11から」(B5判、31ページ)がこのほど発行された。筑波大学学生による復興支援団体「Tsukuba for(ツクバ・フォー)3.11」のメンバーが制作に加わった。

福島県からの避難者を支援している市民団体「ふうあいねっと」(原口弥生代表、事務局・茨城大学内)による。長く付き合った馴染み客や取引先を失い、新しい土地でマイナスから再スタートした避難者を応援したいと制作した。

つくば市二の宮で日本料理店を再開したいわき市出身の安藤公一さん、同市松代に整体院を開いた浪江町出身の石川美穂子さん、土浦市中高津で塗装工事会社を再開した双葉町出身の新川正文さんなど、つくば、土浦、水戸、日立市などで事業を再開した避難者の、原発事故後の避難体験や事業再開までの道のり、仕事への思いなどがつづられている。

「いってみっか」で紹介されているつくば市内の日本料理店

「Tsukuba for 3.11」のメンバーで、筑波大人文文化学群1年の上原あやかさん(19)はこのうち3人を取材した。

「何かを始めるのに年齢は関係ない。何歳になってもできる」という言葉が特に印象に残ったという。「避難し、出身地を離れて事業を再開したチャレンジ精神がすごい。仕事に強い対する思いを感じた」と振り返る。

上原さんは沖縄県出身。8年前の東日本大震災時は小学5年生だった。震災の被災当事者からじっくり話を聞いたのは今回が初めてだったという。

「驚きの連続だった。言葉の重みが違っていて、直接聞くことで情景が目に浮かんだ」と話す。再開してもお客さんがなかなか来てくれないなど厳しい状況を抱えている避難者もあったが「仕事が好きだから頑張れる」とか「お客さんの笑顔にやりがいを感じる」という言葉に強さを感じたという。

紹介されているつくば、土浦市内の事業所は以下の通り。

つくば市
▽障害者就労支援施設「遊愛コーポレーション 就労継続支援A型事業所アリス」(島名榎内3621-2、電話029-896-3833)=皆川勝さん(南相馬市出身)
▽日本料理店「お料理 わ可ば」(二の宮3-2-11、電話029-896-8155)=安藤公一さん(いわき市出身)
▽眼鏡店「GRAN GLASSES(グラングラス)」(学園の森3-10-2、電話029-828-5539)=原田功二さん(浪江町出身)
▽すし店「二代目 寿し松」(研究学園4-2-14)=松本清治さん(浪江町出身)
▽整体院「つくば松代むつう整体院」(松代1-16-31、電話029-852-7567)=石川美穂子さん(浪江町出身)
▽美肌エステサロン「メナードフェイシャルサロンつくば高崎店」(高崎郷中塚41-1)=木幡サチ子さん(浪江町出身)

土浦市
▽書道塾「おおつ野書道教室」(おおつ野8-16-15、電話029-846-2101)=椀台俊夫さん(浪江町出身)
▽塗装工事会社「建装メンテナンス」(中高津2-4-3、電話029-879-5611)=新川正文さん(双葉町出身)

同誌は2500部作成。無料。問い合わせは電話029-233-1370(ふうあいねっと)、メールfuai.sta@gmail.com