【谷島英里子】ひな祭りの3日、土浦市大和町の市民ギャラリーで、平安貴族の装束が再現された。女性の十二単(ひとえ)、男性の束帯(そくたい)が披露され、訪れた市民約50人がみやびの美しさに魅了されていた。
着装では、着付けの高い技術をもつ衣紋者が2人がかりで、和装の下着の一つ、襦袢(じゅばん)から着物を重ねていく技術を実演した。解説をした東京大学大学院非常勤講師の杉山恵美さんは「十二単は16キロある。衣を1枚着るごとに、前に留めたひもを抜くので、ひも1本で着せている」「束帯の男性が手に持つ笏(しゃく)は備忘録用のメモ書きとして使われた」などと説明した。着付けは約30分ほどで完了し、市民らは華麗な姿に何度もシャッターを切っていた。
この企画は同市桜町、美容室「すがた」会長の木村恵子さん(74)が和の伝統文化を継承したいという思いから「土浦の雛まつり」の協賛企画として毎年開催している。
モデルを務めたいずれも大学生の栗木みどりさん(21)は「想像以上に重かったが、ひな祭り当日に女性の憧れである十二単が着られてとてもうれしかった」。光本泰知さんは(22)は「近くでみると衣の模様がきれいで驚いた。束帯に触れて歴史を感じました」と話していた。
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