【コラム・浦本弘海】生活にちょっと役立つ(かもしれない)法律マメ知識の提供を目指す本コラムも第2回。本年もよろしくお願い申し上げます!

さて、前回はハガキによる架空請求詐欺の実例を紹介しました。架空請求詐欺は電話のケースもあります。しかも、実在の弁護士を騙(かた)る事案まで発生しています。そこで今回は、弁護士を名乗る人物が本物なのか、弁護士の真贋(しんがん)判定法を紹介いたします。

「縁もゆかりもない(本物の)弁護士から電話がかかってくることなんてあるの?」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。このご時勢ですから、疑ってかかるのはアリです。しかし、残念ながら、ある日突然(本物の)弁護士から電話がかかってくることもあります。

たとえば逮捕・勾留という身柄拘束をされると、自分で電話をかけることができません。同居の親族には警察から逮捕の一報が入る場合もありますが、別居の場合などでは連絡がないこともあります。警察から連絡がない場合、ご家族に最初の連絡をするのが弁護士ということは珍しくありません。ある日、突然(本物の)弁護士から電話がかかってくること(しかもうれしくない内容の)は実際にあるのです。

真贋判定は簡単 弁護士会HPで

そこで、弁護士の真贋判定法です。まず、相手の名前と法律事務所名を確認します。次に、「すぐかけ直します」などと言って一旦(いったん)、電話を置き、日本弁護士連合会の「弁護士情報提供サービス ひまわりサーチ」にアクセスします(「弁護士 ひまわり」で検索すれば見つかります)。

このサイトは日本弁護士連合会のサイトで、信用性はピカイチです(サイト更新のタイミングで、情報がやや古い場合もあります…)。このサイトで「弁護士検索へ」を選び、先ほどの弁護士名を入れます(ひらがなでも検索できます)。ヒットしなければ、実在の弁護士ではないと考えられます。

ヒットした名前で確認すれば、事務所の電話番号などの詳細がわかります。これらは日本弁護士連合会に登録されている情報ですので、本物の弁護士に繋がります。この番号に電話をかけ、「さきほど電話を頂いた〇〇ですが、△△弁護士をお願いします」と言えば繋いでくれます。さて、△△弁護士(本物)は電話の人物と同じでしたか? この方法は架空請求だけでなく、弁護士を名乗る人物が本当に弁護士かを確認する手段としても有効です。

ところで、浦本弘海(うらもと・ひろみ)で検索してもヒットしません。これは実は偽弁護士だから…ではなく、ペンネームだからです。「検索しても出てこないぞ! 弁護士を騙る偽者だ!」という苦情はご勘弁を。(弁護士)