【鈴木宏子】大相撲初場所で3連敗した牛久市出身の横綱稀勢の里が16日、引退を表明した。同じ田子ノ浦部屋の弟弟子、大関高安の地元土浦市からも引退をねぎらう声や惜しむ声が聞かれた。
土浦市役所では高安を応援しようと、初日の13日から千秋楽の27日午後5時から6時まで、1階市民ラウンジで大画面によるパブリックビューイングが開かれている。毎日観戦し高安を応援しているという市内の男性(57)は稀勢の里について「勝てなかったので、だめだった」と話した。私立高校1年の男子生徒(16)は「稀勢の里は地元出身で有名なので、引退を聞いて驚いている」と述べた。
「これからは横綱を育てて」
市内の相撲クラブで子どもたちを指導しているという公務員30代男性は「(連敗した)この3日間、見ていられなかったので引退を聞いてほっとした。これからは親方として横綱を育ててほしい」とねぎらった。
土浦市を訪れた帰りに観戦した稲敷市の無職男性(67)は「稀勢の里が幕下のころから大関のころまで後援会に入って応援していた。連敗していたので、とうとうこの日が来たかと感じ。これからゆっくり休んでほしい」と語った。
引退のニュースを聞き、土浦市で開かれているバブリックビューイングに参加したという龍ケ崎市の無職鹿志村昌子さん(60)は「寂しい。もうちょっと頑張ってほしかった。お母さんはがっかりしてると思う」と話した。
後援会95人が応援ツアー
牛久市に事務局がある稀勢の里郷土後援会は16日、もともと予定されていた応援ツアーに95人が大型バスで出掛けた。主役不在の中、国技館では弟弟子の高安などを応援したという。
稀勢の里の引退を受け同後援会では同日、今後は継続会員も新規会員も入会受け付けを実施しないことを決めた。2月18日には牛久駅前のエスカード牛久で稀勢の里激励会が予定されているが、予定通り実施するかどうかは、田子ノ浦部屋が落ち着いたら改めて確認するという。
稀勢の里は龍ケ崎市立長山中学校を卒業後、鳴戸部屋に入門。11年に大関に昇進し、17年に日本出身力士として19年ぶりに横綱になった。