【相澤冬樹】火をかき分け炎熱の道を素足で通り抜ける「火渉(ひわたり)祭」が22日、桜川市真壁町長岡の加波山神社本宮(宮本昌明宮司)で行われた。修験(しゅげん)の山、加波山伝来の神事で、応永年間(1394-1428年)に復興したと言われ、今では冬至の恒例行事となっている。
境内には大量の薪(まき)が積み上げられ、社殿で祈とうの神事が始まった正午過ぎには参拝者らが二重三重に人垣をつくった。薪は加波山から切り出したマツ材で、白装束の修験者らが祭文を唱えながら火をたくと、威勢よく燃えあがった。
火焔(かいん)という炎で、火勢が弱まりが熾火(おきび)となると、修験者らが薪をかき分け幅50㌢、長さ5㍍ほどの道をつくる。先達の先導で、厄払い無病息災を祈り素足で通り抜けるのが火渉。信徒はじめ一般の参加者らはこわごわと足を踏み入れ、手を合わせながら小走りで次々に渡っていった。
つくば市からの参加した女性は「急ぎ足でお祈りする余裕もなかった。足裏の熱さを感じなかったが、全身の火照りがすごかった。来年はいい年にしたい」と感想を語っていた。
