国は全面的に争う姿勢 鬼怒川水害国賠訴訟 裁判始まる

第1回口頭弁論終了後の住民側報告集会で意見交換する住民と弁護士ら=下妻市内

【鈴木宏子】常総市に甚大な被害をもたらした2015年9月の鬼怒川氾濫で、水害が発生したのは国交省の河川管理に瑕疵(かし)があったためだとして、住民32人と企業1社が国を相手取って総額約3億4400万円の損害賠償を求めた国家賠償訴訟=8月7日付け=で、第1回口頭弁論が28日、水戸地裁下妻支部(伊藤一夫裁判長)で開かれた。国側は訴えの棄却を求め、全面的に争う姿勢を見せた。ただしどのような主張を展開して争うかについては、次回以降の準備書面で明らかにするとした。

この日の裁判は傍聴者の抽選が行われ、法廷は住民や支援者らで満席となった。法廷では住民側弁護団がプロジェクターを使い、法廷に設置されたスクリーンに、水害が発生した原因や国の河川管理の問題点などを大写しにして、国の責任を改めて追及した。

続いて原告住民2人が意見陳述をした。常総市の赤羽武義さん(78)は水害の翌年2月、妻を災害関連死で亡くした経緯を話し、時折言葉を詰まらせながら「水害が無かったならば私の妻は死ななくてすんだ。水害は防ぐことができた」と話した。

花き園芸会社を経営する同市の高橋敏明さん(64)は、水害で花や観葉植物など10万株を失ったと話し「国は責任から逃げている」などと訴えた。

訴状によると鬼怒川水害の原因は、国が若宮戸地区の無堤防状態を放置し河川区域に指定しなかったことから規制が及ばず、ソーラーパネル事業者によって自然堤防の砂丘林が削られたこと、堤防が決壊した上三坂地区は、地盤沈下が進み堤防の高さが年々低くなっていたが国は改修を後回しにしたこと、市中心部の水海道地区は、排水河川である八間堀川の排水機場の運転再開が操作規則に違反して遅れたことなど国の管理に瑕疵があったためだなどと主張している。

次回第2回口頭弁論は2019年3月20日午後3時から行われる。