「香害などから健康守る助けに」 有機化合物の基礎を解説 土浦の被害者ら冊子発行

冊子「絵でとく初めて知る環境の化合物ー命のめばえ、メタンからポリマーまで」

津谷裕子さん

【鈴木宏子】洗濯用の柔軟剤や香りなどが原因で体調が悪くなる人がいる中、身の回りにある有機化合物の基礎知識を知って自ら健康を守る助けにしてもらいたいと、化学物質過敏症の患者や被害者らでつくるNPO「化学物質による大気汚染から健康を守る会」(茨城事務所・土浦市)がこのほど、冊子「絵でとく初めて知る環境の化合物ー命のめばえ、メタンからポリマーまで」(A5版、42㌻)を発刊した。

地球上で有機化合物が誕生した始まりから、化合物の分子構造、結び付く相手を変えて環境の中でどう変化していくか、分子の組み合わせによって性質がどう変わるか、健康によい有機化合物と悪い有機化合物はどこがどのように違うのかなどを、絵や図表を使って分かりやすく筋道を立てて解説している。

その上で、香り製品や化粧品のほか、繊維製品、建築材料などにも毒性がある有機化合物が混ぜられているケースがあるとして「具合が悪くなったら原因を取り除き、体調を取り戻そう」「製品の有害性を伝えて、空気汚染が増えないようにしよう」などと呼び掛けている。

「原因分からず具合悪い人が増えている」

執筆したのは同NPO事務局長で、土浦市に住む元産業技術総合研究所研究者の津谷裕子さん(88)。1996年、東京・杉並に建設された不燃ごみの圧縮・詰め替え施設で健康被害を受けた。被害を乗り越えて2010年にNPOを立ち上げ、化学物質過敏症の原因とされる住宅建材や道路舗装などの空気汚染の調査をしてきた。

ここ数年は米国製の測定器を輸入し、体調不良を引き起こす柔軟剤や芳香剤など身の回りの日用品による空気汚染の実態なども調査している。揮発性有機化合物の一種、イソシアネートという原因物質を突き止め、データを集めて国や自治体に対策を働き掛けたり、市民に呼び掛けるなどの活動に取り組んでいる。

津谷さんは「最近、何が原因か分からないけど具合が悪い人が増えている。一人ひとりが自分の体を守るために基礎知識が必要だが、化学物質は名前を聞いてもよく分からないので、つまずいてしまう人が多い」と話し「自分が杉並のごみ圧縮施設で被害を受けた後、高校の化学の教科書を買って読み直し、有機化合物が分かるようになったように、自分で調べられるようになるための基礎知識を易しく書いた」と話している。

◆冊子は地球環境基金の助成を受けて1000部作成し、希望者に無料で配布している。先着順。問い合わせはメールvoc@kxe.biglobe.ne.jp(同NPO)。