【橋立多美】科学を体感できる、つくばエキスポセンター(つくば市吾妻)の科学出前教室が同市天久保の筑波大学附属病院エントランスホールで6日行われ、同病院に入院している9人の子どもたちが星空体験と科学工作を楽しんだ。
同センターのプラネタリウムドームの大きさは直径25.6㍍あるが、その5分の1にあたる5㍍のドームスクリーンが設営され、秋の星座が映し出された。ドームは遮光性フィルムを用いたもので、職員らが手作りで完成させた。またペットボトルの中の魚が浮いたり沈んだりする不思議な浮沈子(ふちんし)の工作が行われ、科学の面白さに触れた。
保護者や看護師に付き添われ、点滴を受けながら参加した子どももいたが、解説付きで約20分、秋の星空を鑑賞した。かすみがうら市の5歳の男児は「きらきら光って面白かった」と、付き添った父親を見上げて顔を紅潮させた。筑西市の小3年男児の父親(40)は「プラネタリウムを見せたことはなかったし、入院生活に楽しさを届けてくれて有り難い」と笑顔だった。
同センターは、青少年への科学技術の普及啓発のための科学出前教室(アウトリーチ活動)を続けており、昨年度は128団体に出向いている。広報担当の小堀安奈さんは「これまでは幼稚園や小中学校への出前が主流を占め、病院での教室は今回が初めて。保護者や医療者の皆さんにも喜んでいただけた。つくば市吾妻のセンターから日帰りで往復できるエリアなら出前します」と話す。
