木曜日, 7月 30, 2026
ホーム土浦【直売所めぐり】1 地産野菜で夏バテ知らず JA土浦さんふれ土浦店

【直売所めぐり】1 地産野菜で夏バテ知らず JA土浦さんふれ土浦店

【田中めぐみ】地元の直売所巡りが好きだ。記者は四国の出身で、子どもの頃、右も左も青々とした田んぼの道を行くと、野菜の無人販売所をあちらこちらに見つけることができた。何でもあるスーパーとは違い、せっかく買いに行ったのに棚には何一つ置いていない時もある。日ごとに微妙に変わる品揃えにも興味津々だった。大人になっても直売所に行くとなぜかあの頃のわくわくした気持ちがよみがえる。土浦、つくばの直売所をめぐり、茨城の地産野菜の魅力をお勧めの食べ方などを交えて紹介する。

つくばセンターから車で土浦学園線を東に進み10分弱。JA土浦農産物直売所サンフレッシュ土浦(土浦市粕毛)の朝の店内にはみずみずしい夏野菜が色とりどりに並ぶ。計6店舗あるJA土浦の直売所第1号店。アットホームな雰囲気で、ベテラン店員に食べ方を聞きながら買い物できるのも魅力だ。

この時期、近隣の生産者およそ20人が丹精込めて栽培し、収穫したばかりの夏野菜約15種類のほか、JA女性部のメンバー約15人が手作りしたみそなどの加工品が並んでいる。特におすすめの夏野菜がカボチャ、枝豆、トマト、トウモロコシなどだという。

記者が作ったかぼちゃの煮物

女性客に人気なのが「ほっこりえびすかぼちゃ」だ。ビタミン、ミネラルが豊富で、ほっこりとして風味豊かな甘さがある。店員の酒井洋子さんのお勧めはかぼちゃの本来の味を楽しめる煮物。一口大に切ったあと砂糖をまぶし、すこし置くとかぼちゃの水分が出てくる。それに顆粒だしをパラパラ、酒ひと回し、みりんひと回し、塩をお好みで入れ、蓋をしてとろ火で煮る。記者も作ってみたところ、まったく水を入れなくてもかぼちゃ自体の水分で煮上がり、出来上がりはホックホク。もちろん、しっとりがお好みの場合は水を加えて煮てもよい。できあがった煮物を冷蔵庫で冷やしていただくのも美味だ。同店では4分の1カットも売っているので少しだけ食べたい時にも買いやすい。

枝豆も今が旬だ。特に「おつな姫」は香りのよい品種で8月半ばくらいまで出回るという。枝豆はタンパク質や鉄分が豊富なので、疲労回復にも最適だ。さやの両端をハサミでカットし、塩でもみ4~5分ゆでて、ざるにあける。ゆでたての枝豆の芳醇な香りと甘み、塩気に手が止まらない。もう2袋は買っておくべきだったと後悔した。ビールのお供にはもちろん、子どものおやつにもいい。

同店のトマトは太陽の光をたっぷり浴びて育った露地栽培だ。熟してからもぎ取るので、収穫後に追熟した普通のトマトよりも栄養分が豊富なのが特徴だ。記者のお勧めは、カットしたトマトにモッツァレラチーズを添え、オリーブオイルをかけて食べるカプレーゼ。甘み、旨味が強いトマトなので、シンプルな味付けで食べるのがいい。同じ品種でも生産者によって味が違うそうだ。ラベルに表示されている名前を見て食べ比べ、お気に入りの生産者さんを見つけて「生産者買い」できるのも直売所ならではの醍醐味だ。

トウモロコシも今が旬。この日はクリスピーホワイトとゴールドラッシュが陳列されていた。午後に行くと品切れになることもあるという。旬のトウモロコシには缶詰や冷凍のコーンにはないフレッシュなおいしさがある。弾けるみずみずしさと風味の良い甘さが特徴。皮付きのままラップし、レンジで1~2分チンするだけですぐに食べられる。人目を気にせず、家で豪快にかぶりつきたい。

お盆に帰省する際の手土産を聞くと、「れんこん黒糖バウムクーヘン」と店長の菊田豊さん。土浦の特産品であるれんこんのパウダーを使っていて珍しい。れんこんもバウムクーヘンも縁起が良く、贈り物に最適だ。カットされた個包装のものも売っているので、自宅用のちょっとしたおやつにもいい。

サンフレッシュ土浦店
住所▽土浦市粕毛705-2
電話▽029-821-4826
駐車台数▽15台(予備駐車場有)
営業時間▽午前9時30~午後6時(4~9月)、午前9時30分~午後5時30分(10~3月)
定休日▽無休(ただしお盆・年末年始は休み)

かぼちゃ(左上)トマト(左下)枝豆(右上)とうもろこし(右下)

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日本のど真ん中、標準時子午線が走る淡路島の課題《令和樂学ラボ》42

【コラム・川上美智子】両親の実家があった淡路島は、筆者が3歳近くまで過ごした故郷でもあり、今もほぼ年1回は墓参りに訪れている。神戸から明石海峡大橋を渡って間もなくの神戸淡路鳴門自動車道沿い(淡路市東浦町)に、東経135度の日本標準時子午線を示す搭が建っている。淡路島は経度(東西)、緯度(南北)から見て日本列島のほぼ中央に位置していて、温暖な気候に恵まれて古代より住みやすい地であった。 古事記にはイザナギ、イザナミ2柱の神による日本列島の国生み伝説が残されており、淡路島南端の海に浮かぶ沼島がその淤能碁呂島(おのごろじま)とされ、天の御柱(あめのみはしら)と言われる宮殿の一つが30メートルの高さの巨岩、上立神岩(かみたてがみいわ)とされている。 また、対岸にそびえる淡路島最高峰の諭鶴羽(ゆづるは)山頂に2神が鶴の羽に乗って舞い降り、第9代開化天皇の代には諭鶴羽神社が作られたとされる。私は、そこから海岸沿いに数キロ離れた家で沼島を眺めながら育った。その後の20年は父の勤務先が銀座であったので東京で暮らしたが、故郷の淡路島への思いは強い。 淡路島は神戸から近いので関西の観光地として発展を続けているものの、高齢化が進み、人口減少は深刻である。特に年少人口(0~14歳)の減少は顕著である。淡路島には北から淡路市、洲本市、南あわじ市の3市があるが、故郷の南あわじ市は本土から離れていることもあり人口減が心配である。 2026年の日本全体の年少人口比率は11.44%であるが、南あわじ市は10.14%で、2026年3月現在では4342人しかいない。つくば市の3万9400人や、水戸市の3万1828人と比較すると、いかに少ないかが分かる。0歳児は167人で、出生数は年々急減している。働く世代の20歳代が200人台にへこみ、70歳代が800人前後と突出しているのも特徴であり、高齢社会の縮図を見るようである。 子育て環境の向上と教育の充実 そのような南あわじ市であるが、「子育て環境の向上と教育の充実」が市政の根幹に関わる施策であるとして、新たなプロジェクトを始めようとしている。廃校を活用した子どもの屋内遊び場施設への改修である。2012年まではこの地域の夏季猛暑日は0日であったが、気候変動に伴い近年は20~30日に激増したそうである。屋内型の子どもの遊び場は、茨城でも人気が高く、利用者が多い。過疎化で放置建物や廃墟を目にすることが多くなっているが、その利活用である。 場所は、廃校になって4年ほど経つ1991年建築の小学校で、1万7000平米の敷地に校舎、体育館、プールなどが残されている。これらを活用し、フットサルコート、アスレチック、バスケットコートなどの屋内運動場、プレイルーム、図書館、工作DIY、音楽・ダンス室、レストラン、カフェに、プールはビオトープ、釣り堀に、運動場はバーベキュースペース、農園、駐車場などにする案が描かれている。 プロポーザル方式で計画設計事業者を決定するようである。夢のある話であるが、子どもたちの魅力的な遊び場となり、子育て世代の転入に結びつく施設になるか、過疎地のモデル事業として見守って行きたい。(茨城キリスト教大学名誉教授、関彰商事アドバイザー)

世界のジンをつなぐ 大滝航さん 土浦発、オンライン書店を運営

作家の孤独に向き合う 土浦を拠点に、ニューヨークや香港、韓国など国内外のアートブックフェアを巡り、世界中の作家と直接やり取りを重ねる土浦市在住の大滝航さん(42)。個人や小規模の団体が少部数で制作する作品集や同人誌などの小冊子、ジン(ZINE)の出版・販売を手掛け、主にアート系の作品を販売するオンラインショップ「クレバス(crevasse)」を一人で運営する。扱うのは、世界各地で孤独に向き合い、生み出された作品だ。 深い氷の裂け目を意味する「クレバス」という名前には、作品作りに打ち込む作家の孤独を重ねている。誰かに頼まれたわけでもなく、自宅で一人、作品を作り続ける。そんな姿を大滝さんには「谷に落ちている」ようだという。「この話、すぐ伝わる人と、全然伝わらない人がいる。でも、一瞬で分かってくれる人もいる。そういう人とは波長が合うんですよ」と大滝さんは笑う。 「間違っていない」と伝えたい 「写真を見て良いと思ったら『この本を買いたい』とメッセージを送る。返事があれば見積もりを出してもらって『ペイパル(オンライン決済サービス)で払うね』ってインスタのメッセージでやりとりする。その人がどこの国に住んでいても変わらない」と大滝さんが話す。作品集などの写真は、オンライン上で見たり、イベントなどで実際に見て判断している。 クレバスの販売サイトを開くと目に入るのは、国内外の作家が手がける、大きさや形も様々な写真集だ。今を生きる若者たちのリアルな日常を映し出すものや、写真や本のあり方を根本から問い直すものなど、多様な世界に触れることができる。 「作品は、そこに行き着くストーリーがあって、嘘がないものがいい」と話す大滝さん。写真家の林朋奈さんによる「母子手帳」は、直径8センチほどの、円形の写真集だ。単語帳のように金属リングでとじられたページには、幼い子どもを抱きながら、もう一つの手に持つスマートフォンで、街中にある鏡に映る林さん自身の写真がある。対になるのは、おもちゃやベビー服など、子どもが使う日用品。それぞれが、明るい原色の背景とともに映し出されている。 「子育てが始まりカメラを持ち歩けない中で、アイフォンで撮ったのがこの写真。大きさ、丸い形、ポップな色使い、どれも写真のテーマとマッチしてる。表現するのに不必要なものがない。美しさを感じる」と大滝さんが解説する。 「合理性を無視して作るのがジン。自分の表現のために、一人、黙々と。その過程で孤独を感じる人に、『俺はいいと思った』と伝えたい。『この作品はいい。間違ってない』って」 ジンとの出合い 現在はオンラインショップを軸に、国内イベントに毎月出展するほか、年に数回、海外でのブックフェアに出展する。作家のジンを制作したり、買い付けたジンを国内外の書店に卸したり、作家とのイベント企画も手掛ける。「出版業でもデザイナーでもなかった僕が、出会いをきっかけに必要なことを少しずつやってきた」と話す。 ジンの魅力を「文化的背景を取り込みながら、それぞれの国や地域で生まれる異なる人のあり方を見ることができる、民主的に、自然発生的に生まれてくる本。手に取った人が、自分でもこんなものを作りたいとその気をさせてくれる」と語る。 福島県出身の大滝さんは大学進学を機に茨城県に移ってきた。高校で絵を学び、大学でも美術を専攻した。学外で個展を開催し、友人の展示を企画するなど活動を広げてきた。卒業後は一般企業に就職し、一時活動から距離を置くこともあったが、2016年にクレバスを立ち上げた。現在、専業で活動する。 初めてジンと出合ったのはクレバスを始めた前年のことだ。古書店で何気なく手にしたのが、コラージュ作品が掲載された20ページほどの手製の本だった。調べると、スイス・チューリッヒに拠点を置く独立系出版社ニーブスが作ったジンだった。 「200部、150部しか作っていない。僕自身が創作活動をしてきて、例えば自宅で作った200部ほどの二つ折りの本が地球の裏側に届くなんて想像もできなかった。自分もやりたいと思ったのが、活動のきっかけ」だと振り返る。 オンライン書店からスタートした。活動の中で出会った作家たちが作る本を販売したかった。さらに、ニーブスのように地球の裏側へも届けたいと思い、書店にも売り込んだ。でも返ってきたのは「アート系って売れないんだよね」という冷たい反応ばかり。「いいと思ってるのは自分だけなのか…」と、気持ちは落ち込んだ。 転機は2018年、初めて出展した海外のブックフェア。場所はドイツのベルリンだった。「僕が好きな日本の作家の作品を持って行った。日本では冷たい反応ばかりだったけど、ドイツのお客さんは『こんなのあるんだ!』って喜んでくれた。いいと思っていたのは僕だけじゃない。世界のどこかに同じ思いを持つ人がいる」。その経験は、大滝さんの考え方を変えた。「理解されない人を説得するより、価値観を共有できる人と出会えばいい。それならできると思った」 うれしいのは「本が売れたとき」 大滝さんが扱う作品は、すでに広く活躍している作家もいれば、無名の作り手の作品もある。「僕が光を当てたいなんて、相手が有名な方だったらおこがましい話。ただ、作った本を誰も見てくれない作家がいて、でも僕がいいと思ったら伝えたい。この作品がいいんだよって言うだけ。お前は間違ってない、って伝えたい」 大滝さんにとって一番うれしいのは「本が売れたとき」だ。「自分と同じように『いい』と思ってくれる人がいるなんて、ぜいたくすぎる喜びでしょ。ノリが合う人と、作品を通じて少しずつ、つながっていく。こんな喜びはない」 8月、土浦で巡回展 8月1日と2日、土浦市で開かれる「土浦キララまつり2026」に合わせて、同市中央のイベントスペース「がばんクリエイティブルーム」で、ジンの巡回展「フロットサム ジンズ ツアー(flotsam ZINES tour 2026)」を開く。東京・杉並区の写真集専門書店「フロットサム ブックス(flotsam books)」が企画し、2022年から続くこの巡回展は今回で4回目。青森から福岡まで、5カ月かけて全国18カ所を巡る大規模なツアーだ。大滝さんは、このうち茨城会場の運営を担う。過去2回、水戸で開催してきた。 近年「ジンが流行っている」とメディアで取り上げられることはあっても、大滝さんの実感としては、あくまで「クラスに1人、2人」にすぎない。「好きな人はいるけど、バラバラにいる。だから、イベントがあれば、1日や2日、無理してでも来てくれる。初対面でもウェルカムです。変に敷居を感じないで、興味があったら来てほしい」。大滝さんは「世界各地で孤独に生まれた作品と、その作品を待っている誰かが出会う場所をつくりたい」という。(柴田大輔) ◆ジンの巡回展「フロットサム ジンズ ツアー(flotsam ZINES tour)2026」の茨城巡回展は8月1日(土)、2日(日)、土浦市中央1-13-52のがばんクリエイティブルーム1階で、1日が午後1時~6時、2日が午前10時~午後6時まで。入場無料。詳細はクレバスの公式サイトへ。

涼しさを演出するタペストリー つくば駅前の商業施設に展示

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