木曜日, 5月 13, 2021
ホーム つくば 推薦入試にビブリオバトル 筑波大 知識情報・図書館学類

推薦入試にビブリオバトル 筑波大 知識情報・図書館学類

【田中めぐみ】筑波大学(つくば市天王台)情報学群知識情報・図書館学類は今年11月の推薦入試から、ビブリオバトル方式の面接を導入する。大学入試にビブリオバトルを導入するのは全国でも初の試みだ。

ビブリオバトルは、参加者が読んで面白いと思った本を順番に紹介し合い、最後に一番読みたくなった1冊(チャンプ本)を決めるコミュニケーションゲーム。近年では小学校から大学院まで、コミュニケーション能力を向上させる方法の一つとして授業などで導入されている。

同学類の募集定員は100人で、そのうち推薦入試は40人。ビブリオバトルの面接試験は1グループ4~6人の受験生で入室し、公式ルールにのっとって本のプレゼンテーションと質疑応答を行う。どのようなジャンルの本を選んで紹介するかは受験生に任されており、漫画や時刻表などを選んでもよいという。チャンプ本はグループの受験生の投票によって決められるが、チャンプ本になるかどうかは評価にはかかわらない。

同学類は昨年までの推薦入試で個別面接を実施してきた。しかし受験生は面接に向けて入念な準備をしてくるため、評価で差がつきにくい状況となっていたという。ビブリオバトルは、5分間の本の紹介を事前に準備できるが、質疑応答では臨機応変な対応力が必要となる。本の紹介からは表現力や論理性などによる説得力、質疑応答からは判断力や質問力、他者とのコミュニケーション力など、受験生を多角的な視点で評価することが可能だという。通常のグループディスカッションでは、発言権が得られなければアピールすることもできないが、ビブリオバトルでは各々5分の紹介時間が与えられるため、試験の公平性も高くなるという。

同学類は、インターネットや図書館など知識共有の仕組みの企画・運営やそれを支える情報システムについて学び、知識や情報の蓄積・流通の成り立ちやシステムのあり方を探求する。膨大な情報があふれる昨今、それらの情報をどのように収集、保存し有効活用するのか、包括的に学び、研究していくことが使命という。研究分野は政策、法律から情報システムまで多岐にわたり、幅広い視点を持って専門外の分野についても主体的に学んでいく姿勢を求めている。

歳森敦学類長は「文系、理系の枠に縛られず勉強してほしい。文系だから、理系だからと自分の能力を限定してしまうのではなく、教科を横断した視点を持ってほしい」と受験生にエールを送る。

同学類は一般入試や推薦入試の他、AC入試(自己推薦に基づく選抜)、国際バカロレア(大学入学資格が与えられる海外の教育プログラム)特別入試など様々な受験方式を設けることで、多様な能力、資質を持つ学生を幅広く受け入れる。

*ビブリオバトル公式ルール

1.発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。
2.順番に一人5分間で本を紹介する。
3.それぞれの発表の後に参加者全員で発表に関するディスカッションを2~3分行う。
4.全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員一票で行い、最多票を集めたものを「チャンプ本」とする。
(知的書評合戦ビブリオバトル公式ウェブサイト http://www.bibliobattle.jp/ より引用)

会員募集中

NEWSつくばでは、私たちの理念に賛同し、一緒に活動していただける正会員、活動会員、ボランティア会員、および資金面で活動を支援していただける賛助会員(クレジットカード払い可)を募集しています。私たちと一緒に新しいメディアをつくりませんか。

スポンサー

注目の記事

「大規模事業評価行わないのは違法」 18人が住民監査請求 つくばセンタービル改修で

つくば市が取り組んでいる総事業費約10億3800万円のつくばセンタービルリニューアル事業について、10億円以上の事業は大規模事業評価を行うと市の要綱で定められているにも関わらず、事業評価の手続きが踏まれていないのは違法だなどとして、元大学教授の酒井泉さん(72)ら市民18人が12日、市監査委員(高橋博之代表監査委員)に対し、すでに支出された約7000万円の返還請求と未支出額の支出差し止めを求めて住民監査請求をした。 同要綱は、住民投票で白紙撤回となった市総合運動公園事業を教訓に、五十嵐立青市長が2018年9月に定めた。10億円以上の大規模事業と市長が必要と認める事業を実施する際には、評価会議を設置し、事業の必要性や妥当性などの評価を行うことなどが定められている。

最新記事

街の記憶 東京・つくば 《遊民通信》16

【コラム・田口哲郎】 前略 「木綿のハンカチーフ」などで知られる作詞家、松本隆さんは2012年に東京から神戸に移住したそうです。当時雑誌記事で読んで、衝撃を受けました。松本さんは生粋の東京人です。生まれ育ちは港区青山、慶應義塾に通い…と、シティ・ボーイの体現者です。のちの渋谷系につながる、いわゆるニューエイジの山手文化を生み出し、けん引してきたことはご存知の通りです。 都心文化を屈託なく表現できる人は、上京者の街でもある東京にはそれほど多くいません。その松本さんが東京を離れたことは、一個人が地方に引っ越したという事実以上の何かがあるに違いないと思わせられました。東京がかつての東京では無くなったという旨の発言をされていました。 コロナ前の東京は色々限界だったのかもしれません。諸々(もろもろ)が集中・蓄積しキャパシティ・オーバーとなり、はち切れる寸前でした。そんな東京をコロナ禍が襲いました。東京は破裂せず、しぼみ始めました。今後も東京は東京として続くでしょう。でも、かつての東京はもう戻ってこないでしょう。 恐らく、かつての東京、例えば第2次大戦前の東京は戦後の東京とは全く違う東京でした。戦前の東京を戦後に語ったところで、それはノスタルジーに過ぎないわけですが、街の記憶は人をなんとも言えない感覚に誘います。沈みゆく東京は、これから無数の記憶の華に飾られるでしょう。

「大規模事業評価行わないのは違法」 18人が住民監査請求 つくばセンタービル改修で

つくば市が取り組んでいる総事業費約10億3800万円のつくばセンタービルリニューアル事業について、10億円以上の事業は大規模事業評価を行うと市の要綱で定められているにも関わらず、事業評価の手続きが踏まれていないのは違法だなどとして、元大学教授の酒井泉さん(72)ら市民18人が12日、市監査委員(高橋博之代表監査委員)に対し、すでに支出された約7000万円の返還請求と未支出額の支出差し止めを求めて住民監査請求をした。 同要綱は、住民投票で白紙撤回となった市総合運動公園事業を教訓に、五十嵐立青市長が2018年9月に定めた。10億円以上の大規模事業と市長が必要と認める事業を実施する際には、評価会議を設置し、事業の必要性や妥当性などの評価を行うことなどが定められている。 監査請求によると、同リニューアル事業は10億円を超えるのだから「同要綱の対象であることは明らかであるが、市はこの要綱に従った評価を全く行っていない」としている。 一方、大規模事業評価をめぐっては、今年3月議会で、飯岡宏之氏(自民党政清クラブ)と山中真弓氏(共産)が一般質問し、それぞれ大規模事業評価を実施するようただしたが、市は、約10億3800万円のうち、まちづくり会社「つくばまちなかデザイン」への市の出資金6000万円はリニューアル事業の事業費ではないなどとし、10億円を超えないのだから大規模事業評価を実施しないとした。 監査請求した酒井さんは「議会で質問した議員がいたが、数の力で無視された。議会が道理を通すことができなくても、市民は道理を通すということをはっきりさせたい」と話した。 監査請求ではほかに、まちづくり会社は市が出資する第3セクターであるにもかかわらず、総務省が2014年に出した「第3セクターの経営健全化指針」に基づく検討を行っておらず、市の出資金6000万円の支出は公金支出のための必要な手続きを欠いており違法だと指摘している。

ほうきの力で「魔女のフェスタ」 29日 旧筑波小に集結

つくば市国松の旧筑波小学校を会場に、29日開催する「魔女のフェスタ」の準備作業が佳境を迎えている。2018年以来3年間、人の手が入らずにいた校舎を利活用する廃校リノベーション企画。フェスタ実行委員会(いしざき緑子代表)は校長室や各教室の大掃除から始め、ほうきの力で学校ばかりか地域社会にも魔法をかけた。 29日は校庭に飲食店のキッチンカーやテントが並び、3階建ての校舎全体に占いや癒し療法、手づくり品、子供向け工作教室のワークショップなどが展開する。10日現在、その数は95店になった。10代から80代の「魔女」が集結する。 いしざきさんは昨年、学校近くの国松地区の古民家に移住して、アロマテラピーの教室「魔女の学校」を開設(2月17日付)。誕生日が4月30日で、ドイツの魔女祭り、ヴァルプルギスの夜にちなむ「世界魔女デー」であることから、自身「魔女」と称して活動を行ってきた。2019年4月には石岡市内で「魔女のフェスタ」を催したことがあり、旧筑波小でも開催を計画した。 「地区に子供たちがいないわけではないのに、放課後や休日に声がしない。校庭に集まって遊ぶ様子がない」のを残念に思ったためだ。 音楽教室のいしざきさん=旧筑波小

対象拡大も利用は1件 つくば市障害者向け発電機購入補助、道半ば

人工呼吸器を使用している障害者を対象に、つくば市が2019年4月から開始した停電時のための家庭用発電機購入補助制度について、昨年4月に利用条件が緩和されたにもかかわらず、実際の利用はいまだに1件にとどまっていることが分かった。 市の購入補助制度は当初、人工呼吸器を常時使用する障害者を対象に、停電時も医療的ケアができるよう、家庭用発電機の購入を最大10万円補助するものだった。しかし対象者は人工呼吸器を24時間、常時使っている人に限られた。夜間のみ使用する場合など「医療機器の電源確保が必要なのに、発電機の購入補助を利用できない」という声が多く寄せられた。そのため、20年4月に市は、補助の対象を1日1回以上人使用する者に広げた。 補助制度のもとになったのは、医療的ケア児の親の会「かけはしねっと」(根本希美子代表)が2018年に市議会に提出した請願だ。同会は当初から、できるだけ幅広い人が補助の対象になることを望んでいた。実際に補助制度が始まってからも、対象を広げるように市に働き掛けた。「補助の対象が広がったのは一歩前進だが、人工呼吸器に限らず痰(たん)吸引機など電源が必要な医療機器を使用している人なら対象になるように、もう少し対象を広げてもらえるとさらに良い」と、同会代表の根本さん(43)は話す。 制度の周知も課題 市障害福祉課によれば、新しく補助の対象が拡大してから補助制度の利用相談が複数あり、支給に向けて準備を進めているケースもあるという。しかし5月6日時点で実際に支給が決定されたのは、対象拡大前の1件のみ。補助の対象を拡大したことについて、市ホームページに掲載されている制度要綱を更新したり、障害者手帳取得時に窓口で説明しているが、幅広い周知が課題だ。 「昨年から市ホームページも新型コロナに関する情報があふれていて、4月に補助の対象が拡大されたことの周知が十分ではなかったと感じる。必要な家庭に情報が届いていないかもしれない」と根本さんは心配する。