【伊達康】霞ケ浦は昨秋県準優勝で関東大会1勝、今春は県準決勝で常総学院に敗れ第3シードとなった。12日に行われる2回戦から、奇しくも場所はJ:COMスタジアム土浦でライバル常総学院の試合終了後に鬼怒商と玉造工の勝者と初戦を迎える。
霞ケ浦の屋台骨を支えるのは、1年春からスタメン出場を果たしチームを牽引し続けるセカンドの小儀純也(3年)とキャッチャーの鈴木和樹(3年)だ。
小儀はセカンドの名手として県トップの実力を持つ。ゴロへの入り方が秀逸で型にはまらない独特の捕球ポイントを持っている。大学生レベルの守備は必見だ。さらに打っては身長170㎝に満たない小柄ながらミート力が抜群で高打率をマークしている。特筆すべきは試合中盤に発揮する勝負強さだ。秋の準決勝・日立一戦では0対1でリードされた6回裏・二死一塁から同点に追いつくタイムリーツーベースを、春の水城戦では1対1で迎えた5回裏・二死二、三塁から、勝ち越し2点タイムリースリーベースを放つなど、もつれる場面で頼りになる活躍を見せている。
鈴木和樹は下級生ながら根本薫(オリックス)や遠藤敦志(広島)などプロ入りを果たした先輩投手の女房役を務め実戦経験が豊富。卓越したキャッチングとインサイドワークに優れた好捕手だ。巧みなワンバウンド処理でフォークやチェンジアップなどの縦系変化球を決め球とする霞ケ浦投手陣の力を存分に引き出し、主将としてもチームを牽引する。
また、横田祥平(3年)を打撃陣のキーマンとして挙げたい。昨秋は背番号2桁で下位打線を打っていたが要所で見事な活躍を見せ、今春は背番号5を獲得して打線の中軸を担うようになった。春の準々決勝・土浦日大戦では6回に貴重な勝ち越しタイムリーを放ち勝利に貢献した。
投手陣は右腕の福浦太陽(2年)と春季大会以降に怪我から復帰した鈴木寛人(2年)、さらに海野京士郎(3年)など、いずれも右腕で最速140㎞を超える力のある投手がそろう。
福浦は春季大会で背番号1を付けて4強入りの原動力となった。最速139㎞のストレートとフォークで打者を手玉に取る。
昨秋の関東大会で鮮烈な公式戦デビュー登板を果たした鈴木寛人は長身で手足が長く高卒即プロ向きの潜在能力の高い好投手だ。怪我の影響で春は登板を回避したが、6月17日に行われた明豊(大分)との強化試合では先発を任され最速141㎞を記録。まだスタミナ面で不安を残すもののエース級投手の復活は夏に向けて弾みとなる。来年のドラフト候補としても注目の逸材だ。
反対に海野はずんぐりな筋肉質の体型だ。投手陣の中で唯一の3年生として捕手の鈴木和樹との相性もよく器用にストライクを出し入れできる。最速142㎞の剛球投手でありながら打撃力も高いので、打力を生かした野手起用もある。
そのほかに技巧派左腕の中田勇輝(2年)も控えている。