日曜日, 1月 11, 2026
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記者が体験 ヨガでストレス軽減を実感 筑波大

【田中めぐみ】筑波大学(つくば市天王台)は、人間の身体活動能力を最大化するための次世代健康スポーツ科学を推進している。その効果的な方策の一つとして、2015年から同大学院の共通科目にヨガコースが開講した。院生たちは自分の研究テーマに向かい合い、さまざまなプレッシャーと戦っているが、生活にヨガを取り入れることでストレスが軽減しているという。6月3日と11日に同大武道館で開かれた社会人向けヨガ講座を記者が体験した。この講座は、同大のスポーツ・オリンピック学専門プログラム「つくば国際スポーツアカデミー(TIAS)」が社会貢献事業の一環として開催している。

ヨガはストレスやプレッシャーを切り抜け、平常心を取り戻すための心身技法だ。担当教員の一人である農学博士ランディープ・ラクワール教授によると、毎年ヨガコースの受講希望者は定員を超えキャンセル待ちの状態。教室は学生でいっぱいになり、ニーズの高さを感じているという。

研究成果を地域に還元

同大では、研究で得られた成果を広く社会に還元することを目指している。ランディープ教授は学生たちのヨガへの関心の高さを知り、16年から一般の参加者も受講できる「みんなのヨーガ」クラスを開講した。講師は長年ヨガや呼吸法指導、ヨガの科学的研究に携わってきた高橋玄朴講師。講座は深遠なヨガの思想について解説する講義とヨガの実技合わせて各回3時間ほどで、今年度は7月15日まで開講している。

講義のテーマは毎回異なっている。3日の講義は「東洋心身思想の特徴とその広がり」。高橋講師によると、座禅や気功、武道とヨガには共通する特徴があり、それは姿勢を整える(調身)、呼吸を整える(調息)、心を整える(調心)ということだ。日本の「道」(蹴鞠、能・狂言、武道、茶道など)にも共通する心身技法があるという。

ラクワール教授は「大学発の講座である以上、アカデミックな内容であることを重視している」と言う。専門的で難解な部分もあるが、講義後には高橋講師やラクワール教授に自由に質問することもできる。

寝不足でこわばり 脱力体操でほぐれる

講義は1時間ほどで終わり、短い休憩の後いよいよ実技だ。高橋講師の指示に従いながら、まずは体をほぐす脱力体操から始める。前の週に忙しかったこともあり、1週間まとまった運動をしていない。前夜は寝不足気味で少しだるさがあった。しかし、力を入れては抜くという運動をじっくり繰り返しているうちに首のこわばりや肩の緊張が取れてきた感じがする。

外は緑いっぱいで気持ちの良い快晴。静かな中、武道場で試合する人たちの掛け声や鳥の声、葉擦れの音が遠く聞こえる。ゆったり流れる時間が心地よい。時間をかけて体を伸ばし呼吸を続けるうちに、浅かった呼吸がだんだん深くなり、たくさん息を吸い込めるようになってきた。その分吐く息も長くなる。もともと体が硬く、先生のようにはできないポーズも多いが、気にせずに体が心地よく伸びるのを味わう。

雑念ばかり 10まで数えられない!

実技前の講義で、仏教の行のやり方である「数息観(すうそくかん)」について習った。1から10まで数を数えながら呼吸をし、最後までいったらまた1に戻る、間違えたらまた1から数え直すというものだ。高橋講師の指示で始めるが、これがなかなかうまくいかない。数を数えていても仕事の事ばかり頭に浮かんでは消え、何度やっても10まで数えられない。「あっ、また雑念だ」と思ってやり直すのだが、無心になることがこれほど難しいとは。日ごろどれだけ雑念ばかりで生活しているのかを思い知った。

その後指示で、自分にだけ聞こえるように「んー」と言いながら瞑想をする。「無字観(むじかん)」という技法だ。すると、自分の声の響きに集中するせいだろうか。雑念が減った。不思議な感覚だ。しばらく「んー」と言い続けることだけに集中し、その後先生の指示で止めると、なんとも言いようのない穏やかな静寂が広がる。明鏡止水の心境。とても気持ちの良い感覚だ。

不安消え目の前シンプルに

初心者にも取り組みやすく手順を踏んだ瞑想のやり方は、高橋講師が大学院の学生のために考案したものだという。静かな心の状態をゆっくりと味わった後、仰向けのポーズになってゆったり呼吸し、伸びをして起き上がる。

ヨガをやる前に感じていた「あれもこれもやらなくては」という焦燥感や漠然とした不安感が消え、目の前の仕事がシンプルに映り、やるべきことの優先順位が明確になった感じがする。本来各々が持っている力を最大限発揮できるようにするというヨガの効果を記者も実感することができた。

筑波大学体育系教授ランディープ・ラクワール農学博士㊧とゲストティーチャーの高橋玄朴講師

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産後ケア利用の男児が一時意識不明に つくば市 重大事故検証委設置へ

つくば市から委託を受けて、出産後の母子のケアなどを実施している「産後ケア施設」で昨年11月、施設を利用していた生後4カ月の男児が一時意識不明となり、救急車で病院に運ばれていたことが分かった。男児は現在、退院しているが、左手足にまひが残り、今後継続的に通院やリハビリが必要な状態という。 市は重大事故として、第三者による検証委員会を設置する方針を決め、7日開かれた市議会全員協議会に説明した。同市は2018年度から産後ケア事業を実施しているが、意識不明など重大事故が発生したのは初めて。 同市こども未来センターによると、男児は市内に住む。当時、母親と2人で施設を利用中、容体が急変し意識不明になった。施設が119番通報し、救急車で病院に運ばれ入院した。施設からは翌日、市に連絡があり、市は同日、県などに報告した。 男児が意識不明になった原因については不明という。当時、男児がどのような健康状態だったかや、意識不明になった経緯、施設で何をしていたかなど当時の状況について市は、公表できないとしている。 検証委の設置は、意識不明になった原因が不明であることから、昨年3月にこども家庭庁などから出された通知に基づいて設置する。検証委では、関係者へのヒヤリング、現地調査などを実施して事実関係を明らかにした上で、発生原因を分析し、必要な再発防止策を検討する。さらに事故発生の背景、対応方法、問題点、改善策などについて提言をまとめる。 市によると、検証委の委員として医師、弁護士、学識経験者、産後ケア事業者など5人以内を検討している。16日に開く市議会本会議で検証委の設置が可決されれば、すみやかに委員を選定し、年度内に第1回会合を開催したい意向だ。提言報告書をまとめるまでには1年ほどかかる見通しだという。 産後ケア事業は、出産後、育児に強い不安があったり、周囲に手伝ってくれる人がいないなど育児の支援が必要な、ゼロ歳児の母親などを対象に、相談に乗ったり、母子の健康状態をチェックしたり、食事や宿泊などを提供する事業。つくば市は現在、市内外の医療機関や助産院など19施設に委託して実施し、2024年度は261人の母親が子供と一緒に利用した。昨年11月に意識不明事故があったのは19施設のうちの一つという。(鈴木宏子)