【鈴木宏子】西武筑波店とイオンつくば駅前店が撤退後、入居店がなく閉鎖されているつくば駅前の商業施設クレオ(筑波都市整備所有)の再生について、五十嵐立青つくば市長は12日、5、6階に図書館など公共施設を入居させることを検討していることを明らかにした。入居費用は約22億1400万円になるという。
図書館のほか、窓口センター、市民活動総合センター、子育て支援施設を5、6階に入居させることを検討している。図書館は、つくば文化会館アルス(同市吾妻)にある中央図書館を移転させることになるという。アルスの跡地活用は改めて検討する。
市によると今年1~3月、5、6階に市公共施設を入居させることを想定し、クレオの建物や設備の老朽化の状況などを約760万円掛け調査した。建物に問題はないが、老朽化が進んでいる設備が一部にあり、全棟を大規模改修する場合は約51億6200万円の費用がかかると試算した。さらに図書館を入居させる場合、クレオは商業施設として設計されており積載荷重が重くなるため、床などの構造補強を行うことが必要になる。5、6階2フロアの設計・整備費用は約22億1400万円になるという。
市は今後さらに、所有者からクレオ5、6階を賃貸する場合と購入する場合のそれぞれのケースについて、費用や運営方法などを調査するという。五十嵐市長は12日、同調査費用として約760万円を6月議会に提案した。結果は12月ごろまでにまとめるという。
クレオは地上7階・地下1階建て。延床面積は約5万6000㎡。5階と6階の面積はそれぞれ約5500㎡。アルスにある現在の中央図書館の面積は約2400㎡で、クレオに移転する場合、約1.8倍の4360㎡にすることを想定しているという。
クレオは筑波都市整備(同市竹園)が土地と建物を所有し、現在、売却も含め、新たな活用方法を検討している。つくば市の検討内容に対し同社は「つくば市の内容がよく分かってないのでコメントできません」としている。