【斎藤茂】美術団体「東光会」会員で参与の本堂清さん(87)=土浦市藤沢=の絵描き60余年回顧展が7日から、土浦市大和町アルカス1階の土浦市民ギャラリーで始まった。これまでの画業の足取りをたどる油絵百余点と水墨画約30点を展示、チャリティー向けに販売する。
本堂さんは土浦市で、福祉や社会教育、広報部門などに携わってきた元行政マン。この間、広報紙の挿絵を描いたり、土浦・石岡地方社会教育センターや亀城プラザの所長として絵画を通じた社会教育活動を行い、退職後も日展会友となるなど第一線で活躍した。
重厚な筆遣いの風景画をはじめとする油彩画を手掛け、文人画風の水墨画なども多数生み出してきた。『土浦町内ものがたり』や『河童物語』など絵入りの著作もあり、絵画教室などで指導した生徒は1000人を超すという。
その画業が60年に及び、88歳の米寿を迎えることから集大成の個展を開くことにしたもので、同回顧展応援会(大槻利夫代表)がサポートする。「多作と思ったことはないが、描くのが好きなんでしょうねえ。自宅には数百点を抱え込んでいた。いい機会だから納得のいく作品を選んで回顧展を開き、区切りをつけることにした」という。
6日には日展出品の100号の大作「獅子舞」や「鷹匠Mさん」などが会場に搬入された。「今回はチャリティーという趣旨なので、頒価にも配慮をしている。大作でもお求めやすい値段だと思う」。益金は市社会福祉協議会を通じ、福祉に役立てられるという。
◆入場無料。14日まで。問い合わせは本堂さん(電話029-862-2707)