【コラム・沼田誠】9月14日の水戸市議会本会議で、高橋靖水戸市長が来春の市長選不出馬を表明した。その直前の週末、私は水戸のイベント「水戸バー・バル・バール」に実行委員としての参加していたのだが、不出馬に関する事前報道が出たことで、「次は誰が水戸市長になりそうなの?」と、多くの知り合いから聞かれた。
かつて私が水戸市職員だったとき、高橋氏から「(沼田は)手綱の切れた馬」と言われるほど距離が近かったこともあり、皆さんは「(沼田は)何かを知っているかも」と思ったのだろう。でも私は今つくば市民。苦笑するしかない。
9月13日には、沖縄県知事選が投開票され、古謝玄太氏が初当選した。ジャーナリスト常井健一氏の分析(note、9月19日付)によれば、古謝氏を押し上げたのは、青年会議所や商工会議所青年部といったタテ社会の出身者たちではなく、既存政党や現職政治家から距離を置いた、30〜40代の若手経営者たちの水平的なネットワークとのこと。
ネットのLINEでつながり、経営や子育てを語り合う人たちであり、「地域の顔役」とは別の集まりということだ。
候補者の足場はどこにあるのか?
水戸にも、同世代の経済人による団体はいくつか存在する。彼らは青年会議所などの卒業生を中心に組織され、さまざまな政治家との関係も築いてきた。高橋氏はそれらの世代とは異なるが、総会などに出席し、行政とも連携したまちづくりを呼び掛けている。その関係の近さは、沖縄で古い政治の象徴として退けられた構造と重なるようにも見える。
その構造への逆風が強まる前に、高橋氏は絶妙なタイミングで身を引いたようにも見える。高橋氏は後継者を指名しないと言う。
だがそれは、この構造そのものを手放すとの宣言ではない。次の市長になる人物が、同じネットワークの延長線上に立つのか、それとも既存の枠組みから距離を置いた新しいつながりから出てくるのか? それこそが、来春の市長選挙の本当の焦点ではないか。
高橋氏は水戸市長を4期16年務めた。市議会や記者会見では「もともと3期12年で終わりにしようと思っていた」「5期20年となると多選、長期政権、マンネリ化などのネガティブな言葉が生まれる期数になる」「4期やってできないものは、5期、6期やろうができない」などと発言していた。
こういった高橋氏の弁を聞きながら、同じ問いはつくば市にも及ぶのではないかとも感じている。2年先の次のつくば市長選が、誰によって争われるにせよ、その候補者の足場がどこにあるのか、私たちはよく見ておいたほうがよい。(元水戸市みとの魅力発信課長)





