JA水郷つくば梨選果場(千代田地区、かすみがうら市中佐谷)で、ナシ「幸水」の出荷が最盛期を迎えている。同JA管内の千代田、出島(かすみがうら市)、新治(土浦市)地区は県内有数のナシの産地。管内に三つの選果場があったが老朽化していたことから1カ所に統合した。統合した千代田地区の選果場は今年から最新の設備にリニューアルし、大規模化と効率化を図った。今年の年間出荷量は約1000トンに達する見込み。
選果機一式を入れ替え

リニューアルの目玉は選果機一式の入れ替え。光センサーの導入により糖度計測と内部品質(熟度や変質の有無)の評価が可能になり、外部センサーでは階級(果実の大きさ)や形の良さを角度を変えながらカメラで判定する。昨年までは選果員が人の目で見分けていたが、機械化により処理速度が約1.5倍に向上、高品質で食味の良いナシを市場に提供できるようになった。等級は秀、優、無印の3段階に加え、糖度12度以上などの要件を満たしたものは特秀として出荷、生産者の収入増にもつながっている。
ナシの出荷は盛夏の時季と重なるため、施設内の高温化も問題となっていた。そこで鋼板による屋根の二重化に加え、ダクトで冷気を供給するスポットクーラーも導入。選果員の熱中症リスクを下げるとともに、ナシの鮮度維持にも役立っている。

ナシを詰めた箱を閉じる作業も自動化された。1箱1箱に貼られるシールには出荷時間やQRコードが打刻され、商品が生産者の手から消費者の手に渡るまでをたどれるトレーサビリティー(追跡可能性)システムを実現している。
「今年は肥大良好で甘い」
リニューアル後の操業開始は今年7月23日。現在は幸水を10キロ箱で1日に約1500~2000ケース出荷しており、この状況が8月20日ごろまで続く。入れ替わるように8月18日からは豊水の出荷が始まり、こちらは9月中旬まで。この2つが全体の6~7割を占める主力品種だ。その後はあきづき、恵水、新高、にっこりと続く。

恵水は県が開発した新品種。大玉で食べ応えがあり、酸味が少なく奥深い甘みがある。2013年に栽培開始され、同選果場がある千代田地区ではここ10年ほどで取扱量を伸ばしてきた。今年は統合の効果もあり約1500ケースが見込まれているが、まだまだ稀少な品種だという。
同選果場の出荷先は北海道から静岡までの東日本一円。関西方面からも要望はあるが関東市場の需要に応えるため断っている。地元では、JA水郷つくばの各直売所で販売している。

JA水郷つくば梨選果場担当の茅場直之さんは「今年はカメムシなどの被害もほとんどなく、おいしいナシが育った。天候は晴れを基調に雨も適度にあったため、肥大良好で甘みも乗っている。今が旬のナシをぜひお楽しみください」と話している。(池田充雄)






最近のコメント