国際宇宙ステーション(ISS)に約5カ月間滞在し、今年1月に帰還した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士 油井亀美也さん(54)が22日、JAXAの宇宙飛行士養成施設がある地元のつくば市役所を訪れ、五十嵐立青市長を表敬訪問した。今回の油井さんの宇宙滞在は2015年以来、約10年ぶり2回目で、滞在日数は合計300日を超えた。「つくば市民の応援が大きな励みになった」と語った。
今回の任務では、約5.9トンの物資を輸送する能力を持つJAXAが開発した新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」初号機を、ロボットアームを使ってつかむ操作に成功した。「国際的な協力と地上の支えのおかげで、すべてのミッションが大成功だった」と振り返り、作業については、「宇宙ステーションが秒速8キロで飛行する中で、静止しているように感じた。技術の高さを実感した」と語った。

また、JAXAが開発した実験棟「きぼう」では、将来の宇宙開発に向けた重要な成果として、将来の有人宇宙探査を見据えた新型二酸化炭素除去装置の技術実証を実施した。「宇宙飛行士が生活するために必要なもの。基礎技術を宇宙で実証できたことで、日本の技術力を示すことができた」と振り返った。
約166日間滞在した国際宇宙ステーションでの生活については、「10年経っても体が覚えていて適応は早かった」とし、「宇宙ステーションの環境が以前よりもすごく良くなっていた。日本食の数も増え、美味しいものが増えていた。インターネットの速度も速くなっていて家族と話をするのも比較的簡単に、しかも顔を見ながら話ができるようになっていた。非常に快適だった。一生住んでもいいかなって思うくらい」と話した。特に地上から届いた新鮮な野菜や果物のおいしさが印象に残ったと言い、「野菜やフルーツが苦手だったが、こんなにおいしいものを半世紀以上食べていなかったのかなと少し反省をした」と笑顔を見せた。

宇宙から見た地球については、火山活動や前回よりも大型化しているように感じた台風など自然現象が印象的だったとし、各地の夜間の明るさの違いから、国や地域による社会課題を実感したと言い、「新たな学びとなった」と語った。
つくば市については、「カメラの望遠レンズ越しに見ることができた。宇宙からも整然とした街並みがよく分かった」と話し、市内に設置された市による応援横断幕についても、「JAXAの職員から写真が送られ見ることができた。市民の応援が大きな励みになったし、普段から応援してくれる人たちを思い浮かべながら任務にあたった」と感謝を述べた。

宇宙飛行士育成に力を入れたい
今後については「再び月や火星を目指すには年齢的に難しい」としながら、「これまでの経験を生かし、後進の宇宙飛行士たちが胸を張って、立派に月や火星で任務を果たせるよう、育成に力を入れたい」と語った。
五十嵐市長は「極限環境の中でも宇宙の魅力や可能性を楽しく伝える姿に感銘を受けた。宇宙の街として、これからも宇宙飛行士を全力で応援していく街でありたい」と話した。
油井さんは1970年生まれ、長野県出身。92年に防衛大学校を卒業後、航空自衛隊に入隊し、小美玉市の百里基地に4年間、配属された。その後、自衛隊出身者初の宇宙飛行士として2009年にJAXA宇宙飛行士候補に選抜された。(柴田大輔)






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