【コラム・片岡英明】桜の花のもとで入学式を迎えた小中学生のために、今年の県立中学・高校の入試問題分析で学びを応援したい。
県立中の入試問題
中学入試は、まず正確で早い計算力や文章の読解力を見ると言われているが、今年の問題では小学生の知識を持っていても取り組めない問題があることに気づいた。その典型が試験中に訂正があった適性検査Ⅰの算数2の問題である。これは6年生までの小学生の知識に加えて、与えられた条件を順序よく考え、それを重ね合わせる思考力をみている。
この思考力は、〇☓や読んですぐ正解を見つける学習では身につかない。あせらず、じっくり時間をかけて、試行錯誤を繰り返しながら思考を重ねる必要がある。つまり、練習はゆっくり、試験では素早くの構えが必要である。この種の問題で、逆に練習時に素早さを求めると消化不良を起こし、学習嫌いが発生する。
理科にも特徴がある。実験の結果を予想し対話するスタイルは、板倉聖宣氏が提唱した仮説実験授業を想起させる。また、国語と社会は読解というより、資料の「情報読み」中心である。国語で最も大事な主人公の心情を読み取り自分を耕す—そんな文学の授業は想定していないのか。
最大の特徴は問題文が対話調である点で、そのため、問題文から答えを導く論理を引き出しにくいものになっている。重ねる思考力を求めているのだから、大学受験参考書の「実況中継」シリーズでは論理力が身につかないという指摘を思い出してほしい。
以上をヒントに、小学生には、焦らずじっくり考える学習スタイルを期待したい。
高校の入試問題
最近の高校入試の特徴は国語と英語の問題文が長いことだ。国語の問題は2段組みで15ページ。英語もリスニング3ページ、筆記が7ページと、たっぷりある。短時間で、この長い問題文にどう取り組むかが高校受験の肝である。
試験問題を解くとは、問題文を読解して、問題作成者の意図を読み取り、自分の回答を採点者に分かりやすく書くという行為である。長い文を正確に早く読むには、まず英文や国語の段落や接続詞や強調構文に注目し、著者の主張を捉え、文章の型を押さえ、展開を予想することだ。
この文章の型について、渡邉雅子氏が「論理的思考とは何か」(岩波新書、2024年)で、日本、アメリカ、フランス、イランの4カ国の文章の型を分析した。この本は作文指導の参考になると、現在好評を博している。これが今年の国語の問題三で出題された。良問とは設問を読みながら知の世界が広がるもので、これは解く価値のある問題である。
英語の問題4の長文は茨城の伝統的な問題で、毎年ある体験をした主人公の変化を述べる典型的な感想文型である。英語の読解にも、渡邉氏の日本独特の感想文型の説明が参考になる。一読をお勧めしたい。
中学生には、今回の分析を参考に英語・国語の読解力をつけ、学校での学習を通して自分が豊かになる大河の学びを体験してほしい。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会代表)






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