土曜日, 10月 17, 2026
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「水エンジン」量産へ 東大発 宇宙ベンチャーがつくばに生産拠点

小型人工衛星向けの推進機(エンジン)を開発する東京大学発の宇宙ベンチャー、ペールブルー(Pale Blue 本社・千葉県柏市、浅川純社長)がつくば市内に建設していた「つくば生産技術開発拠点」の開所式が8日、大井川和彦知事、五十嵐立青つくば市長ら関係者30人余りが参加して催された。同施設では、同社が開発した「水」を推進剤とする独自のイオンエンジンの量産に向け、技術開発から製造、検査、出荷までを1カ所で完結させる。

拠点は、つくばエクスプレス(TX)万博記念公園駅周辺の工業地域に立地する。鉄骨造3階建て、敷地面積は約1900平方メートル。当初は25年8月の操業開始を予定していたが、実際の稼働は今年2月となった。

式典でテープカットをする五十嵐つくば市長(左から2人目)、浅川社長(中央)、大井川知事(右から2人目)

用地は県が土地区画整理事業を実施したTX沿線の上河原崎・中西地区内で、県有地をペールブルーが約9800万円で落札し、取得した。土地取得費を含む総事業費は約16億円。成長産業の本社や研究所などの誘致を目的とした県の企業立地促進補助金に、2023年12月に採択された。補助見込額は約1億5000万円。主に人材の雇用に対する奨励金として活用される。

施設内には、真空状態となった内部で機器の試験を行う真空チャンバー、振動試験機、クリーンルームなどの主要な設備があり、推進機の生産技術開発から最終検査・出荷までを自社で完結できる「一気通貫」の体制を構築した。

拠点は今年2月に稼働を開始し、現在は約15人が勤務する。生産拡大に合わせて段階的に人員を増やし、将来的には最大60人体制を目指す。生産技術や品質管理、調達などものづくり関連の人材を中心に採用を強化している。

新施設の外観

県プロジェクトの目玉企業

ペールブルーは2020年、東大大学院で航空宇宙工学を専攻した浅川さんら研究者4人が創業した。従来の推進剤には毒性の高いヒドラジンや、希少で高額なキセノンが使われ、取り扱いに制約があった。これに対し同社は、安全で調達が容易な水に着目し、水蒸気やプラズマを噴射して推進力を得る独自の推進機「水イオンエンジン」を開発した。エンジンの重量は、水を含めて約1.5キロ、大きさは約10センチ四方と、従来型では難しかった小型化を実現。浅川さんは水の利点として「安全性、入手性、コスト」の3点だと説明する。2025年9月には宇宙空間で水イオンエンジンを稼働させることに、世界で初めて成功した。

同社が開発する推進機は、ロケットで打ち上げられた人工衛星が宇宙空間で切り離された後に初めて役割を発揮する装置で、推進剤となる水を宇宙空間に噴射し、その反動で衛星を動かす仕組みだ。機能は大きく四つある。衛星を目的の軌道に送り届ける「軌道投入」、空気抵抗や重力の影響で生じる軌道のずれを定期的に修正する「軌道維持」、運用を終えた衛星を大気圏に落下させる「軌道離脱」、増加が問題となっている宇宙ごみ(スペースデブリ)との「衝突回避」だ。

近年は多数の小型衛星を連携させて運用する「衛星コンステレーション」が急速に広がり、年間数千機規模の打ち上げが続く。衛星の数だけ推進機が必要となるため、需要は世界的に増加している一方で、供給が追いついていないと浅川さんは言う。

県は2018年、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と連携し宇宙ビジネスに取り組むベンチャー企業などを支援する「いばらき宇宙ビジネス創造拠点プロジェクト」を立ち上げた。大井川知事は開所式で「宇宙開発は新たな段階に入りつつある。つくばを中心に宇宙ビジネスに貢献できる企業を集積したい。ペールブルーはプロジェクトの中でも目玉の企業であり、県としてしっかりと支援していく」と述べた。

五十嵐市長は「世界から注目されるペールブルーの新拠点がつくば市にオープンしたことを光栄に思う」と歓迎し、約4年前から欧州の宇宙産業をリードするルクセンブルクの機関と連携協定を結び、市内のスタートアップを現地に派遣するプログラムを実施しており、ペールブルーの海外展開についても支援する意向を示した。(柴田大輔)

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給食のご飯の量半分に つくば市の小学校2校1268人分

つくば市は15日、同市桜学校給食センターで調理し14日に提供した栗ご飯のコメの計量誤りにより、市内の小学校2校の39クラスに提供した計1268人分の児童らの栗ご飯の量が半分になってしまったと発表した。半分しか提供できなかったクラスには、栗ご飯半量のほか、給食センターが備蓄していた非常用カレーライスを提供したという。 市教育局健康教育課によると、給食センターが、栗ご飯に使用するコメの分量を計量する際、炊きあがったご飯の量から栗の量を差し引いた分量のコメを計算して炊くべきところ、誤って、炊く前のコメの量から栗の量を差し引いた分量のコメを炊いたことから、本来炊くべきはずのコメが約110キロ不足してしまったという。 桜学校給食センターでは14日、栗ご飯の献立を、幼稚園2園、小学校4校、中学校1校に計3442人分提供した。 炊きあがった栗ご飯は配送する順に、各学校ごとにクラス別の大型の保管容器に入れる。午前11時ごろ、調理員が、炊きあがった栗ご飯を大型の容器に移し替える作業中、配送の順番が遅い小学校2校の栗ご飯が足りないことに気付き、調理の分量を間違えたことが分かった。 小学校2校のうち1校は、1~4年生全員と5年生の半数に栗ご飯を半量しか提供できなかった。もう1校は2~4年生全員と5~6年生の多くに栗ご飯を半量しか提供できなかった。市は14日、半量しか提供できなかった児童の保護者に、お詫びの通知文を送付したとしている。 同課によると、これまで桜学校給食センターで混ぜご飯を調理する際は、コメを炊き上げてから具材を混ぜていたが、具材と一緒に炊き込んだのは今回の献立が初めてだったという。 再発防止策として同課は、計量の手順などの業務マニュアルを改めて見直すと共に、給食センターの調理委託業者と市の双方による確認体制を強化し、再発防止の徹底に努めるとしている。

國井美香さん主演 26日 つくばでオペラコンサート

オペラ「Concert for peace(平和へのコンサート)」が26日夜、つくばカピオホール(つくば市竹園1丁目)で開かれる。高萩市出身のアルト歌手、國井美香さんが主演し、「セルビアの理髪師」「ホフマン物語」「ドン・ジョバンニ」など、オペラの名曲を上演する。 主催は国井美香・県南コンサート実行委員会(委員長・友末忠徳 茨城県イタリア・エミリアロマーニャ州交流協会会長、元茨城新聞社長)。同じ演者によるオペラ・音楽祭は、21日に高萩市、23日に水戸市でも開かれ、県北、県央、県南での連続公演になる。 國井さんはイタリア在住。武蔵野音楽大学卒業後、二期会オペラスタジオ研究生、文化庁国内研修生として研さんを積んだ。二期会オペラ「カルメン」でデビューし、国際ロータリー財団研修生としてローマに留学。「フランチェスコ・パオロ・ネーリア国際音声コンクール」で優勝した。その後、多数の歌劇場などで幅広く活動している。 コンサートの音楽監督はアントニオ・モッチャさん。ピアノ奏者のほか、ソプラノ、メゾソプラノ、バリトンなどの若手・ベテラン歌手も出演する。 ローマ教皇の前で歌を披露 今回の音楽ツアーを企画した友末さんは「昨年は高萩と水戸で開催したが、今年はつくば市も加え、県内縦断ツアーになる。國井さんは、ローマ教皇の前でも何度か歌を披露しており、イタリアではとても有名な方。音楽監督のモッチャさんはご主人でもある。楽曲の合間には、私がお二人にイタリアの政治事情などを質問することも考えている。つくば公演はオペラだけでない、とても面白い音楽祭になると思う」と語っている。(坂本栄) ◆オペラコンサートは10月26日(月)午後5時30分開場、6時開演、8時終演。入場料は3000円(全席自由)、チケット申し込みはつくば市商工会(電話029-851-2886)へ。