【コラム・川上美智子】昨年1年間は、仕事の傍らアート活動に追いかけられる日々を送った。陶芸が楽しい趣味の段階から、厳しい作家活動へ転換して行く年でもあった。
県展で会友賞を受賞
昨年2月に初めて全国区の美術会派「新槐樹社」が主催する第69回公募展に応募したところ、国立新美術館に展示され、新人賞と会友推挙をいただいた。新槐樹社は日展から分かれた会派の一つである。9月には銀座洋協ホールの新槐樹社秋季展、11月には東海ステーションの新槐樹社茨城支部展への出展が続き忙しくなった。
また、11月~12月には、国立新美術館で開催された「空間芸術TORAMがおくる現代アートのワンダーランド-第16回躍動する現代作家展-」にチャレンジし、入選出品した。
2008年より、茨城美術展覧会(県展)と水戸市芸術祭美術展覧会(水戸市展)に毎年作品を出展し、水戸美術家連盟会員、茨城県展会友として活動することに、これまでは満足してきた。11月~12月開催の60周年記念茨城美術展覧会では念願の会友賞をいただくことができ、この2つの美術展は今後も大事にしていきたいと思っている。
ところが、一歩外に出てみたら広いアートの世界があることに気付かされた。固定観念から解き放された何でもありの作風、素材、表現に触れる機会となり、作品づくりの自由と可能性について視野を広げることができた。
歴史的には陶の原点は土器づくり、鉢、壺(つぼ)、花瓶、食器などの生活で使える器を作るから出発してきたことから、ろくろで美しく成型しなければならないという不自由さがあった。しかし、オブジェの世界は無限であり、制約をもたない。しかも、陶土はどんな形にもなるという特性をもつのがよい。
壺、鉢、器の作品作りに一区切りつけて、これからは自由なオブジェで自然や社会を表現し、作陶を進めて行きたいと思っている。
個人作品集 花美術館legacy
また、中央に出品したことで、数々の出版社や展覧会主催者から誘いの声がかかってきた。精選していくつかの本に作品を掲載したので紹介する。
▽花美術館Vol.90「今日の陶工芸と和文化の粋」
▽花美術館Vol.91「終戦80年 現代芸術-時代と未来を映す息吹-」
▽美術の杜Vol.69「芸術の星 認定作家特集」
▽芸術界2026(日本芸術年鑑)
▽芸術書籍「Japan Art Selection-飛翔-」(日芸合同会社)
▽個人作品集 花美術館legacy-手捻(ひね)りによる現代風侘(わ)び-川上美智子
年齢的に終活の時期を迎え、これまでの作品を1冊の本にまとめることができたことはよかった。さらに9月には、「土が奏でる世界へ・二人展」をひたちなかのギャラリーサザで開催し、多くの皆様に見ていただいた。作家にはまだまだほど遠いが、ご指導いただいた荒田耕治先生に感謝しつつ、陶芸の世界を大事にしていきたいと思う。(茨城キリスト教大学名誉教授、関彰商事株式会社アドバイザー)






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