つくば市消防本部は3日、消防指令センターが119番通報を受けた際、通信指令員が救急要請場所を誤認し、救急隊及び消防隊の到着が10分遅延してしまったと発表した。傷病者らは商業施設の従業員用駐車場で到着を待っていたが、通信指令員が詳しい場所の確認を適切に行わず、お客様用駐車場の方だと思い込み、救急車と消防車をお客様用駐車場に向かわせてしまったという。
市消防本部消防指令課によると、2日午前9時18分ごろ、同市下平塚から、商業施設付近で高齢の女性が倒れていると119番通報があった。中央消防署から救急車1台と消防車1台が駆け付け、10分後の9時28分、商業施設のお客様用駐車場に到着したが、傷病者を確認できなかった。
隊員から連絡を受けた通信指令員は、通報者に電話を架けるなどしたが、つながらない状態だった。現場に到着した隊員らが、車を降りて周囲を探すなどしたところ、商業施設にいた別の人から、近くに倒れている人がいることを聞き、さらに10分後の9時38分、現場に到着し、女性を救急車で病院に搬送した。
通信指令員は本来、気が動転している通報者と冷静にやりとりし、適切な情報を聞き出し、消防隊や救急隊に出動指令などを出すのが仕事。市消防本部は、通報を受けた通信指令員が、商業施設の駐車場をお客様用の駐車場だと思い込み、通報者に詳しく状況を聞かなかったのが原因だとしている。
青木孝徳消防長は「このたびは本人並びにご家族に多大なるご迷惑をお掛けし心からお詫びします。市民の生命、財産を守る立場である消防本部として、今後同様の事案が発生しないよう、指令員への再教育を徹底し、体制の強化を図ってまいります」などとするコメントを発表した。