栃木に敗れる
プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの茨城アストロプラネッツは1日、土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦で栃木ゴールデンブレーブスと戦い、1-7で敗れた。茨城の通算成績は20勝19敗1分で東地区3位。2位栃木との勝差は2.5に広がった。土浦で今季最後の試合だった。
【ルートインBCリーグ2025公式戦】8月1日、J:COMスタジアム土浦
栃木 020000221 7
茨城 000000010 1

茨城は7月23日の群馬戦から28日の神奈川戦まで4連勝と波に乗っていたが、その勢いをつなげることができなかった。かつて日本ハムや巨人などで活躍した栃木の先発投手・吉川光夫に、7回まで散発3安打に抑えられた。
「吉川は球速は130~135キロ程度だが、甘く入るストレートがない。それが全て。コースぎりぎりの厳しいストレートを打たされ、甘い変化球を打てなかった」と茨城の巽真吾監督。「コントロールがいいだけでなく、打席ごとに配球も変えてくる。打ちづらい投手だった」と4番の原海聖。

例えば原の第1打席、過去の対決から変化球で入ると読んで打席に入ったが、この日は外角低めの厳しいコースへのストレートで攻め込んできた。それでもカウント3-2まで粘ったが、最後はチェンジアップを呼び込みすぎて遊ゴロに倒れた。4回の第2打席ではスライダーから入り、2球目を芯でとらえたもののサード正面のゴロとなった。
「甘いまっすぐは来ないので、カウントを取りに来る変化球をしっかりとらえないと。打席ごとに考え方や狙い球など、アプローチを変え、同じようにやられない工夫が必要だった」と原の振り返り。

茨城の先発投手は金韓根。初回は三者凡退に抑えたが、2回に2安打と四球で2死満塁とされ、左翼線への適時打で2点を先制された。「初球でストライクが取れず、厳しいところへ投げなくてはという気持ちになっていた。走者が溜まっていたので外野フライでも1点入ってしまう状況だった」と金。

その後は6回まで互いに無得点。次の得点がどちらに入るかで流れが大きく変わる状況で迎えた7回表、茨城の投手は5人目の佐藤友紀。2四死球から1死二・三塁のピンチを招くと、三ゴロから一塁への送球がそれ、一気に走者2人の生還を許した。8回表の投手は6人目の長尾光。内野安打と暴投、野選で無死一・三塁とされ、二ゴロはバックホームがそれて1失点、さらに内野ゴロでもう1点を失った。
8回裏、栃木の投手は2人目の嶋田航。ここで茨城打線が目を覚ました。先頭の1番・山本仁が内野安打、2番・高田龍が右前打で無死一・三塁。3番・新太郎の内野ゴロで1点を返し、4番・原の右前打で1死二・三塁。5番・北原翔が三振に倒れたところで、代打・杉木優斗が送られた。ここで栃木も3人目の堀越歩夢がマウンドに向かう。「相手はBCリーグでも一番の速球投手。それを初球の入りで捉えるイメージだったが、タイミングが合わず空振った。代打の1打席で結果を出すのは難しいが、割り切れて強いスイングをできたことは良かった」と杉木の振り返り。

「厳しい場面で投手が四球などでリズムを崩し、野手もエラーなどで投手を支えきれなかった。苦しいときも持てるパフォーマンスを出しきることが課題」と巽監督。「明日も栃木との連戦になる。反省はするが引きずらず、いいゲームをするため集中したい」と気持ちを切り替えた。(池田充雄)
