第107回全国高校野球選手権茨城大会は17日、4球場で3回戦8試合が行われた。J:COMスタジアム土浦の第2試合は、常総学院が鹿島に11-0で5回コールド勝ちを収めた。
13日 2回戦 第2試合 J:COMスタジアム土浦
常総学院 04412 11
鹿 島 00000 0
常総学院は13安打11得点と効率の良い攻撃。8盗塁を決め、犠打・犠飛は計6本。セーフティバントやセーフティスクイズも含めるとバントは8本に及んだ。「重いグラウンドコンディションも考慮し、今日は自分たちの目指す野球をとことんやろうと。相手の隙を狙って、走塁や小技で積極的に攻める意識で、先攻を選んだ」と島田直也監督。

ただし初回は指示が徹底されず、簡単に打ちに行って凡退する選手もいた。本領発揮は2回から。5番・柳光瑠青が中前打、6番・横山義賢が右中間二塁打、7番・有川志裕がセーフティバント、8番・水口煌太朗がセーフティスクイズ、1番・浜崎怜央が内野安打、2番・渡辺康太が中犠飛で4得点。しかも一塁に出た走者は全員が二盗を決め、この回4盗塁を挙げた。

3回も勢いは止まらず、4番・佐藤剛希が左越え二塁打、続く柳本が左前打、横山が右前打。ここで相手投手が交替の後、水口が左前打、浜崎が中前打でまたも4得点。盗塁も2つ挙げた。

「出たら走るだけでこれだけ点が取れ、コールドにもできる。それが分かればどんな状況でもバリエーションのある試合ができる。これがずっと教わってきたうちの野球。練習試合ではこういう野球ができていたが、公式戦だと色気が出るのかヒットを打ちたがってしまう。怒られて気が引き締まったようだ」と島田監督。

今季のチームはメンバーの約半数を1、2年生が占めている。来年、再来年を見越し、経験を積ませたいとの島田監督の考えだ。この日の先発は1年生投手の箕輪蒼。「雨で登板が延期になったが関係なく、自分の気持ちで強く腕を振っていこうとマウンドに上がった」と箕輪。スライダーとチェンジアップを軸に、5回で55球を投げノーヒットノーラン、6三振を奪う好投ぶり。「投げる前は緊張していたが、先輩が守ってくれているので、伸び伸びと投げられた」との感想。「課題はいろいろあるが、ものおじせずストライク先行で投げてくれる。来年、再来年が楽しみ」と島田監督の評。

5回には代打で登場した2年生の小林銀士が、左翼線への適時二塁打を放った。「ネクストに立ったときは緊張したが、先輩の声を聞いて思い切りがついた。初球の甘い球を見逃してしまい、次のストライクを積極的に振っていった。次も自分にできることで役割を果たし、甲子園へ向かって1戦1戦戦っていきたい」と語っている。(池田充雄)