高齢化が進み高齢者のみの世帯が増える中、自宅からごみ集積所にごみを運ぶことが困難なお年寄りや障害者を支援しようと、つくば市は5日からごみ出し支援事業をスタートさせる。週1回決められた曜日に市指定のごみ収集業者が、自宅の玄関先などにごみを回収しに来る。
要介護の認定を受けているお年寄りや身体障害者、精神障害者のうち、家族や親族、ヘルパーなどの協力を得ることができない世帯が対象で、無料で利用できる。
週1回の収集日に燃やせるごみ、燃やせないごみ、プラスチック製容器包装、ペットボトル、缶、びん、古紙、古布などを一括して回収する。それぞれ分別し、燃やせるごみなどは指定のごみ袋に入れて出すことが必要になる。
3~4年前から、ケアマネジャー、民生委員、医療関係者などが集まる市の地域ケア会議で「ごみ出し支援ができないか」などの意見が出て、検討してきた。
市地域包括支援課によると、ごみ出しが困難な世帯はこれまで、近所の人がごみ出しを手伝ったり、ホームヘルパーがごみ出しの時間に合わせて訪問したり、親族がごみを持ち帰ったりするなどそれぞれ対応しているが、収集日にごみを出すことが困難な世帯もあったという。
市は今年度、100人の利用を想定してごみ出し支援に1132万2000円を計上した。スタート時の5日時点では民生委員やケアマネジャーなどから申請があった高齢者など4世帯が利用する。本人のほか、親族、ケアマネジャー、民生委員、相談支援員などから随時申請を受け付け、利用者を増やしていく。
複数回にわたりごみが出されない世帯があった場合は、市が安否確認を行う方針だ。
ごみ出し支援事業は2023年度時点で県内44市町村のうち25市町村ですでに実施しているが、対象や方法などはそれぞれ異なっている。土浦市の場合、2012年度から単身の視覚障害者を対象にごみ出し支援を行っており、週1回、市職員が無料で回収している。現在5人が利用しているという。(鈴木宏子)