水曜日, 2月 4, 2026
ホームつくば江戸文化伝える「さくらそう展」 筑波実験植物園で始まる

江戸文化伝える「さくらそう展」 筑波実験植物園で始まる

現存する最古の品種など展示

江戸の武士や庶民の文化を今に伝えるさくらそうが一堂に展示されるコレクション特別公開「さくらそう品種展」が19日から、国立科学博物館 筑波実験植物園(つくば市天久保、遊川知久園長)で始まった。主催は同植物園と、筑波大学つくば機能植物イノベーション研究センター。展示されるのは、現存する最古の品種「南京小梅」をはじめ、遺伝資源の保存を目的に筑波大学が保有する園芸品種314種の中から選ばれた約100種のサクラソウだ。同園によると期間中の入場者数は約5000人を見込んでいる。

サクラソウの栽培は、室町時代に宮廷貴族が始めたとされる。野生種を自宅の敷地で栽培していた。江戸時代中期ごろになると、江戸に暮らす人々の間で園芸用の品種改良が盛んになった。現在、国内に300種以上ある園芸品種のルーツを遡ると、江戸郊外の荒川流域に咲いていた一種の野生種に行き着くことがDNA研究によって分かっている。

江戸で庶民の娯楽や文化が活発になった当時、桜の花に似た野に咲く小さなサクラソウの美しさに魅せられた人々が、競うように改良を重ねていった。品評会も盛んに行われ、白い花弁に緑の筋が入る「青葉の笛」、淡い桃色と白のグラデーションと深い切れ込みのある花弁が印象的な「勇獅子(いさみじし)」、丸みを帯びた真っ白な花弁が特徴の「臥龍梅(がりゅうばい)」など、作り手の思いが名前に込められた品種が今に伝わっている。今回の展示で鉢が置かれる縁台は、江戸時代に生まれた「桜草花壇」だ。上から注ぐ光の加減や、吹き抜ける風、人の目線を意識した品種ごとの配置など、いかにサクラソウを美しく見せるかを追求したものだ。

江戸時代に作られた品種の「青葉の笛」

筑波大と市民団体が保存活動

長年、庶民に愛されてきたサクラソウだが、近年は、都市開発などによる環境の変化や野生種の持ち去りなどから個体数が激減し、環境省が定める準絶滅危惧種に指定されている。今回、コレクションを展示する筑波大学では、2005年、市内のNPO法人つくばアーバンガーデニングと協力し、サクラソウの遺伝資源の維持・保存を目的とした里親制度「さくらそう里親の会」を立ち上げた。サクラソウの園芸品種においては世界有数の遺伝資源保存施設である同大が保有する品種を、会員が1人1品種、自宅で育てることで、災害などの緊急時にも品種を維持できるようにした。

里親の会に立ち上げから参加する、つくばアーバンガーデニングの佐藤久美子さんは「寒さに強く、乾燥に弱いのがサクラソウ。小さな花が可愛く、育つのを見るのが楽しみ」と活動のやりがいを話す。展示を担当する同博物館植物研究部多様性解析・保全グループ研究主幹の田中法生さんは「サクラソウはバリエーションが多い。江戸時代には400種を超え、今でも300種以上の園芸品種が残っている。たった一種の野生種から生まれたものが、花弁の大小、切れ込みの深さ、配色など、時代と共に変化していった。携わるたくさんの人々の相当な努力や思い、情熱が背景にあったはず。そんな歴史を想像しながら見るのも面白いと思う。是非、自分の好きな花を探してほしい」と話す。(柴田大輔)

企画を担当した田中法生さん

◆コレクション特別公開「さくらそう品種展」は19日(土)~27日(日)、つくば市天久保4-1-1 筑波実験植物園で開催。開館時間は午前9時から午後4時30分(入園は午後4時まで)。26日(土)、27日(日)は午後5時閉園(入園は午後4時30分まで)。休園は21日(月)。期間中、教育棟ではサクラソウの歴史や専門家のお薦め品種の紹介、解説などのパネル展と共に、景品が付くクイズ・スタンプラリーが催される。筑波大と「さくらそう里親の会」によるサクラソウ品種の販売会もある。入園料は一般320円、高校生以下と65歳以上は無料。障害者と介護者1人まで無料。

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仏英に海外出張 五十嵐つくば市長 目的、費用など初めて事前公表

議会の指摘受け つくば市の五十嵐立青市長は2月1日から8日までの8日間、フランスとイギリスに海外出張する。職員5人が随行し、航空運賃や宿泊費などの概算費用は計約450万円。フランスのグルノーブル市で開催される国際会議に登壇などするという。 市長の海外出張をめぐっては昨年、議会から「回数が多く、期間が長い」などの指摘があり、東京都知事の海外出張に関する運用指針にならって、つくば市でも運用指針を策定するよう注文が付いていた。市は今年1月に運用指針を策定。指針に基づいて今回初めて、事前に目的や出張概要、概算費用などが市ホームページで公表された。 五十嵐市長が海外出張に行くのは今年度は今回が初めて。当初予算では2回分の予算を付けていた。 公表資料によると、つくばの魅力を世界に発信し優秀な人材に目を向けてもらうことを目的に、フランスのグルノーブル市で開かれる国際会議「ハイレベルフォーラム」に招待されたことから、同会議に登壇し「つくばエコシステムの最新動向」というテーマで話す。さらに、グローバルな知見を市政運営に生かすことを目的にイギリスを訪れ、マンチェスター市で労働者協同組合による地域課題解決の仕組みを、バーミンガム市で生物多様性施策の推進に向けた取り組みを視察する。 市長の具体的な日程は▽1日夜、羽田空港を出発▽2日、フランスのリヨン着。陸路でグルノーブル市に行き、国際会議「ハイレベルフォーラム」のレセプションに参加する▽3日は、同ハイレベルフォーラムに参加し登壇するほか、グルノーブル市長に面談する。夜は再びレセプションに参加する▽4日は、グルノーブルからリヨンに移動。飛行機でイギリスのマンチェスターに移動する▽5日は、労働者協同組合発祥の地、マンチェスター市のロッヂデールで、自治体と連携した同協働組合について話を聞いたり意見交換し、数カ所の組合を視察する▽6日朝、バーミンガム市に列車で移動、市長を表敬訪問し生物多様性施策の推進について意見交換するほか、図書館と生物多様性関連施設を視察する▽7日朝、列車でロンドンに移動し、帰国の途に就く▽8日夜に帰国するという。 随行職員は5人で、秘書課職員1人が全日程の8日間、市長に随行するほか、科学技術戦略課職員2人が6日間、国際都市推進課職員と市長公室政策員の2人が5日間随行する。 概算費用450万円の内訳は、五十嵐市長が約170万円、随行職員5人が計約280万円などで、航空運賃、宿泊費、日当、現地の移動費、海外旅行保険、wifi賃借料など。五十嵐市長はビジネスクラス、職員はエコノミークラスで渡航する。出張費用については議会の指摘を受け策定した運用指針に基づき、各課いずれも3社から見積もりをとったという。 帰国後は速やかに、出張費用の詳細と出張報告を公表するとしている。 市長の海外出張をめぐってはこれまで、山中真弓市議(共産)が昨年の市議会一般質問で取り上げ、直近3年間で計5回の海外出張を行い、2365万円の市税を使っていたと批判、「回数が多く、期間が長い」などと問題点を指摘していた。さらに昨年9月の定例会議では、市長の航空運賃の条例改正をめぐって、ファーストクラスまで利用できるとなっていた市長提案の条例案を、市議会がビジネスクラスまでと修正。その際、山中市議のほか小森谷さやか市議(市民ネット)から、市長海外出張の運用指針を策定し①出張の目的を明確にし、事前に目的、出張概要、概算費用を公表する②航空券の手配は複数の事業者から提案を受け経費節減に努める③出張後は速やかに出張経費の項目ごとの内訳、数量を含む詳細な情報と、出張の成果を公表するーなどの内容の指針をできるだけ早く策定するよう求めた経緯がある。 山中市議は「運用指針が作られたことは前進だが、日程を見ると、海外に行ったついでにあれこれ予定を詰め込んでいるように見え、市長が行く必要が果たしてあるのか疑問」だとし「国際会議に招待されているなら相手方が旅費を出してくれるはず。その他の視察先をさらに入れることで旅費がかさんでおり、節減に努めたと感じられない」などと話している。(鈴木宏子) 【訂正:3日午前10時】第一段落、イタリアはイギリスの誤記載です。関係者にご迷惑をお掛けしました。

大岩剛監督が帰国報告 U23アジアカップで2連覇 サッカー男子

関彰商事つくば サウジアラビアで開かれたサッカー男子U23アジアカップで優勝し、2連覇を達成したU21日本代表の大岩剛監督(53)が帰国し、2日、スポーツアドバイザーを務める関彰商事つくばオフィス(つくば市二の宮)で開かれた帰国報告会で大会を振り返った。関太士副社長のほか社員約100人が集まった。 大岩監督率いる日本代表は、他国の出場チームが23歳以下で戦う中、21歳以下のチーム編成で臨み、高い完成度と組織力を発揮し、大会を制した。 日本時間1月25日に行われた決勝戦では中国代表と対戦。中国は今大会、堅い守備を武器に無失点のまま決勝まで勝ち上がった強豪だが、日本代表は試合を通して主導権を握り、4-0で快勝しアジア王者に輝いた。 帰国報告会で大岩監督は「若いチームを率いたので、選手を鼓舞しながら戦っていくのは大変だった。その中で選手たちはどんどん成長していった。アジアのサッカーは強くなっている。今回日本は21歳以下で戦った。みんな格上のチームと考えていい中で勝ち抜き、2連覇を達成したことは素晴らしいこと」だと話した。 昨年、鹿島アントラーズがJ1で優勝、水戸ホーリーホックがJ2で優勝し、筑波大学も全日本大学サッカーで優勝したなど茨城旋風が吹いたことについては「期待されると選手ががんばるというのは事実。今年も鹿島は優勝候補だし、水戸もがんばれるのではないか」と話した。 社員から「短い間で組織を作り上げる方法」について質問が出て、「スタッフを信じ、ミーティングを効果的に短くすることが大事」とアドバイスした。 関副社長はあいさつの中で「大岩監督は時間があれば会社に出勤してくれる真面目な方。今回は優勝とともに、監督やチームの強い意思を感じることが出来た」と述べた。 大岩氏は静岡県出身、静岡市立清水商業高等学校、筑波大学を経て、名古屋グランパスエイト、ジュビロ磐田、鹿島アントラーズと選手時代を過ごしたあと、鹿島のコーチ、監督を務め、2021年にはU-21の代表監督に就任した。2024年のパリ五輪でもチームを率いた。(榎田智司)