日曜日, 1月 18, 2026
ホームつくば暗い世情、明るい未来を 「茨城現展」始まる 県つくば美術館

暗い世情、明るい未来を 「茨城現展」始まる 県つくば美術館

個性を尊重し自由な表現活動を行う美術家団体「現代美術家協会茨城支部」(佐野幸子支部長)の第41回茨城現展が15日から、つくば市吾妻、県つくば美術館で開かれている。佐野支部長は「戦争など、世界中で不幸なニュースが多い中、明るい未来がくることを願う作品が目立つ」と話す。

茨城支部の会員など約50人の美術家による油絵、デザイン、立体作品、工芸、写真などさまざまなジャンルの計201点が一堂に展示されている。

佐野支部長は、ロシアによるウクライナ侵攻後、2年前ほどから、反戦をテーマにした作品を描き続けている。今年は、今も続く戦禍で大変な思いをしている人々にエールを送りたいと、旗をイメージした縦1.9メートル、横1.6メートルの抽象画を展示している。作品には渦巻きがいくつも描かれ、戦禍の人々の思いが渦を巻く。

戦禍のウクライナの人々を思って描かれた「エール」(中央の作品)と、佐々木支部長

つくば市在住の佐々木量代さんは、草原の背景に不吉な雲がもくもくと立ち上る「乱気流」と題する作品を出展している。「世の中のごたごたや殺伐とした世界を、よく目にする日常風景の中に表現した」と話す。牛久市の福田三恵子さんは、能登半島に伝わる「織姫伝説」をテーマに、満開の桜の花に包まれた織姫の姿を描いた。「地震に見舞われた能登半島の復興が進まない中、早く復興してほしいという願いを込めた」と語る。

会場では企画展示として、中国出身で阿見町在住のステンドグラス作家、劉毅(りゅう・き)さんによるペン画と、渡辺雅之さんによるアニメの世界のようなデジタルアートが展示されている。

劉さんのペン画作品「日々を描く」は、劉さんがほぼ毎日付けている日記帳に描かれたデッサンを、動物、人物などジャンルに分け、縦約1メートル、横約1.5メートルのキャンパスに約120ページ分貼り付けている。11人の顔をデッサンした「夢を見て日本へ」は、劉さんが支援するベトナム、インドネシア、中国など各国から来日した実習生の姿や表情などが描かれている。

劉さんのペン画。左端の作品が日記帳約120ページ分を絵のジャンルに分けて貼り付けた「日々を描く」

ほかに、つくば市の筑波山麓で有機農業をしながら絵を描いたり演劇活動をする障害者施設「自然生クラブ」の知的障害者が描いた作品も併せて展示されている。会員以外の作品が展示されるのは今回が初めてという。

◆同展は15日(火)~20日(日)まで、つくば市吾妻2-8、県つくば美術館で開催。開館時間は午前9時30分~午後5時(最終日は午後3時まで)。入場無料。

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