市発注の河川改修工事中
つくば市北条、八幡(はちまん)川の川岸で7日午後1時ごろ、工事受注業者が同市発注の河川改修工事を行っていたところ、土の中に埋まっていた霞ケ浦用水の農業用パイプラインの接続部分がはずれ、パイプラインの中にたまっていた水が流出して、川の土手の斜面の一部が長さ約10メートル、高さ3~4メートルにわたって崩落した。9日、同市が発表した。
霞ケ浦用水は霞ケ浦から水を取水し、農業用水などを県南西に供給している。事故があったパイプラインは霞ケ浦用水土地改良区が管理し、筑波土地改良区が用水を利用して、同市北条と小田地区に農業用水を供給している。事故時は田植え前だったため水は供給されておらず、今月21日から田んぼに水を張るため通水する予定だった。現場では9日からパイプラインの復旧工事が始まり、21日の通水開始までには復旧する見込みという。
八幡川は桜川の支流。市道路整備課によると、八幡川では昨年9月から今年6月までの工期で、川の氾濫を防ぐため川幅を広げる工事を行っていた。7日は同市北条、大池公園野球場近くの右岸で、川の土手の土を斜めに削ってコンクリートブロックを敷設する工事を行っていたところ、川岸の土手の土の中に埋まっていた霞ケ浦用水のパイプラインの接続部分がはずれ、水が流出した。流出した水の量は不明。
埋設されているパイプライン近くの土を削ったことから、パイプラインにかかっていた土の圧力が減り、接続部分がはずれたとみられるという。パイプラインの埋設位置について市と工事業者はあらかじめ把握しており、市は、なぜはずれたのかについて原因を調べるとしている。川の改修工事の再開は現時点で未定という。
崩落した八幡川の土手に隣接している大池公園野球場について、市は7日から、野球場の利用を制限している。安全が確認され次第、早急に利用を再開できるようにする。
再発防止策として市は、市と受注業者の双方で周辺状況を把握し安全管理を徹底した上で、施工にあたっては細心の注意を払って作業を進めるとし、市発注工事を受注している全業者に注意喚起を徹底するとしている。