金曜日, 1月 16, 2026
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湖岸線日本一 霞ケ浦沿岸15市町村の魅力を一堂に 土浦市職員がイラスト展

若田部哲さん

土浦市職員、若田部哲さん(49)のイラスト展「日本一の湖の ほとりにある 街の話」が8日から、土浦駅前の土浦市民ギャラリーで開かれている。土浦市やつくば市など湖岸線の長さ日本一の霞ケ浦沿岸と筑波山周辺15市町村の名所や特産品、祭りなど地域の魅力を、計150点のイラストで紹介している。

若田部さんはNEWSつくばのコラム欄で2022年7月から毎月1回、「日本一の湖のほとりにある街の話」と題して、霞ケ浦沿岸地域の魅力をイラストと記事で紹介し今年3月までに計32回連載している。今回はNEWSつくばに掲載されたイラストも含め一堂に展示している。

展示作品は、稲敷市の大杉神社、阿見町の予科練平和記念館、つくば市のペデストリアンデッキ(遊歩道)など。大杉神社はかつて、巨大な杉の木が霞ケ浦のどこからでも見えて航路標識の役割を果たしたと言われていることから、空を覆うように杉の木を描いている。予科練は「戦争を経験した方々がおり、今という平和な時代がある」という同館学芸員の言葉をイラストに添えている。ペデストリアンデッキは松見公園、つくばセンタービル、洞峰公園それぞれの風景を描いている。大学時代に都市計画を学んだ経験からペデストリアンデッキは、「歩く」という人間の基本的な行為を安全に楽しめて人と人が交わるところという思いを込めている。

休日などに土浦市内や霞ケ浦周辺を巡り、実際に足を運んで、現地で話を聞いて感じた魅力を、各市町村それぞれ10点ずつ紹介している。いずれも色鮮やかな版画のような作品で、現地で撮った写真をもとに手描きで輪郭線を描き、パソコンに取り込んで着色している。イラストの大きさはいずれも縦横18センチ×27センチ、色合いはグレーをベースに、いずれも2色の濃淡で表現している。グレーは全作品に統一して用い、15市町村のつながりを感じられるようになっている。

若田部さんは筑波大大学院芸術研究科修了後、建築設計事務所に勤務し、2009年に土浦市職員になった。これまで土浦市内の昭和レトロな老舗を紹介するイラストと記事を常陽新聞(2017年に休刊)に連載などしてきた。霞ケ浦沿岸地域に着目したのは2017年に滋賀県の琵琶湖のほとりで開催された全国市町村職員研修会に参加したことがきっかけ。各地の自治体職員に霞ケ浦を紹介したところ、琵琶湖に次いで2番目の大きさなのに霞ケ浦を知らない職員が多かった。アピールするなら日本一のものと考え、霞ケ浦の湖岸線の長さが日本一であることから「日本一の湖のほとりにある街の話」と題するホームページを2019年に開設した。すでに300点以上のイラストを描き、発信している。

若田部さんは「自身が住む街を振り返ることはなかなかなかったり、見過ごしている場所もあると思うので、こんな場所があるということをご覧いただければ」と話し、「イラストで巡る霞ケ浦、筑波山の旅という展示なので、改めて行ってみたいというところがあったらぜひ実際に訪れていただければ」と語る。(鈴木宏子)

◆イラスト展「日本一の湖の ほとりにある 街の話」は若田部さんとNEWSつくばの共催。8日(火)~20日(日)、土浦市大和町1-1 アルカス土浦1階 土浦市民ギャラリーで開催。入場無料。若田部さんのホームぺージはこちら。NEWSつくばのコラムはこちら

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