【コラム・山口京子】定期的に学習会をしている市民グループから、消費者トラブルとその対処法についてのセミナーを依頼されました。訪問販売の点検商法、インターネットを使った契約トラブル、詐欺まがいの投資話、強引な訪問購入、食品混入事件や薬害、不当表示など、消費者を取り巻く様々なトラブルについて話しました。
トラブルを避けるために、不意打ち的な勧誘による契約などには、消費者保護の立場からクーリング・オフ制度があります。クーリング・オフは、いったん契約の申し込みや締結をした場合でも、契約を考え直す時間を与え、一定の期間内であれば契約の解除ができるものです。
たとえば、自宅に来た業者に「無料で屋根を点検します」と言われて、屋根を見てもらったところ、「瓦がだめになっていて、このままでは雨漏りする。すぐに修理しないと家がだめになる」と言われて、その場で押し切られ工事の契約をしてしまった場合などは、クーリング・オフが使えます。
クーリング・オフができる取引は法律で定められています。また、事業者が約款で定めている場合もあります。店舗での直接購入や通信販売などは適用されません。インターネット契約は通信販売の一種であり、クーリング・オフ制度はありませんが、使えると誤解している消費者が少なくありません。この場合、事業者が表示する返品特約に記載された返品の可否や条件に従います。
消費生活センターに相談しよう
通信販売については、返品特約がどうなっているか、契約前にしっかり確認することが大事です。以下の点を知っておいてください。
▽消費者と事業者の間には、大きな情報の量と質、交渉力などの格差がある。
▽生産と消費が分離し、消費者に生産工程が見えなくなっている。
▽科学技術の発展や、化学合成物質の多種類・大量使用で、問題が複雑化している。
▽事業者は利益を出すために低コストの生産を強いられ、その無理が被害につながる。
▽被害が出ても、因果関係が証明されないとして、実態を企業がなかなか認めない。
▽被害者が訴訟を起こしてもなかなか認められない。認められても損害賠償金が不十分。
▽そもそも、諦めてしまう。
悪質事業者による被害から消費者を守るために、全国で「適格消費者団体」が立ち上がっています。総理大臣の認定を受けた法人で、全国に26団体あります。茨城県ではまだ設立されておりませんが、「消費者サポートいばらき」が適格団体になる活動を進めています。困りごとや不安があれば、居住地の消費生活センターに相談しましょう。(消費生活アドバイザー)