20回目の開催
今年で20回目を迎える「土浦の雛(ひな)まつり」(市観光協会主催)が4日から、土浦駅西口近くの商店街などで始まった。3月3日まで開催される。目印となるピンクののぼりを立てた約100カ所の商店や公共施設に、趣の異なるひな人形が飾られている。最初の週末を迎えた8日、イベントの中心地となる旧水戸街道沿いの宿場町、中城通り(土浦市中央)には、展示会場を記した地図を手にする観光客が、城下町の趣を残す路地を行き交っていた。

第1回から欠かさず参加
中城通りの空き店舗を利用し、手製のつるしびなやひな人形など、色とりどりの作品数百点を展示するのは、古布を使った細工を楽しむ同好会「松翠会」(会主・小嶋幸子さん)。毎月2回、市内の公民館に会員が集まり、古布を生かした作品制作をしている。「土浦の雛まつり」には第1回から欠かさず参加してきた。会を主宰する小嶋さんは「作品は会員同士でアイディアを出し合い作ったもの。時間をかけて丁寧に作ることを心掛けている。毎年、ここで展示するのが活動の励み。ぜひみんなの力作を見てほしい」と、思いを込める。

江戸後期に建てられた呉服店の蔵を改築した観光拠点「土浦まちかど蔵・大蔵」には、江戸時代後期から明治にかけて江戸で活躍した人形師、3代目仲秀英の作品のほか、十二支をモチーフにしたものや、土浦のご当地キャラクター「つちまる」「キララちゃん」の創作びななどが展示されている。「大蔵」の向かいにある、江戸後期から明治に建てられた「まちかど蔵・野村」では、土浦の特産品であるハスの花托(かたく)部分で作った「霞蓮雛(かれんびな)」や、霞ケ浦でとれたタニシを用いた「かすみ人形」が展示されている。

市観光協会の浅川善信さんは「江戸から明治、現在にかけて作られた、さまざまなひな人形が展示されている。会場を巡りながら歴史ある土浦の街を知るきっかけになるとともに、それぞれのお気に入りのひな人形に出会ってもらえたら」と来訪を呼び掛ける。(柴田大輔)
◆「第20回土浦の雛まつり」は、同市中央1丁目の土浦まちかど蔵「大徳」「野村」など中城通りを中心に3月3日(月)まで開催。期間中、協賛イベントとして「大徳」で野菜市(2月15日、22日、3月1日)、土浦まちかど蔵駐車場でキッチンカーの出店(2月24日、3月1日)、矢口家住宅前(同市中央)でおしるこの無料配布(2月23日、3月2日)。3月1日まで上高津貝塚ふるさと歴史の広場・考古資料館(同市上高津)では、企画展「縄文ファッションのお雛さま・縄文土偶のお雛さまの展示」が開かれる。その他、期間限定メニューを提供する飲食店、市内4カ所をまわる「デジタルスタンプラリー」も開催される。2月22日から3月2日にかけての土・日曜、祝日には、無料で乗車できる7人乗りの電気自動車「グリーンスローモビリティ」が、土浦まちかど蔵と市立博物館の間を1日10回往復する。