日曜日, 4月 26, 2026
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乳がん トップレベルの検診伝えたい 29日 つくばピンクリボンフェス

【富永みくに】茨城県の乳がん検診システムは世界でもトップレベルだ。しかし検診率は約40%と全国平均と比べ高くない。このままでは優れた検診システムが「宝の持ちぐされ」になってしまう―。乳がん検診の大切さを訴えようと、「つくばピンクリボンフェスティバル2018」が29日、つくば市竹園、つくば国際会議場大ホールで開かれ、乳がん検診と治療の最新動向を紹介する。同フェスティバルを主催するNPOつくばピンクリボンの植野映理事長に話を聞いた。「乳がん検診や治療について一般の人たちにも分かりやすく伝えたい」と話す。

実行委員長を務める植野理事長

―植野先生はつくば国際ブレストクリニック院長で、同フェスティバルの実行委員長です。まず、つくばピンクリボンの会の活動について教えてください。

ピンクリボン活動は、1991年にアメリカのエヴリン・H・ローダーが提唱し、世界規模で行われている乳がん撲滅のための活動です。つくばピンクリボンの会は、検診によって乳がんによる死亡を減らすことを目的に2004年に立ち上げました。他県のピンクリボン活動は一般市民を中心とした活動が主流ですが、つくばの場合は一般市民、患者、医療従事者が連携しているのが特長です。県やつくば市のバックアップもあります。名称に「つくば」とありますが、活動はつくば市や茨城県内に限定したものではありません。

私は1983年、33歳の時に筑波大学の講師として招かれてつくば(当時は桜村)に来ましたが、県民の患者の乳がんの大きさが平均3.1cmもあることにショックを受けました。当時、日本には乳がんの検診制度が無く、全国的にも発見が遅れ気味ではありましたが、茨城は中でもひどい状況でした。その時の衝撃が今の活動の根底にあると思います。

現在、茨城県の乳がん検診受診率は39.1%(厚労省『国民生活基礎調査』2016年、40~60歳)に向上していますが、それでも全国平均(同36.9%)と比べて決して高いとは言えません。われわれの活動としては50%超えを目指しています。

―「最新の乳がん検診と治療」が今年のフェスティバルのテーマですが、最新の検診と治療はどのようなものになっているのですか。

県民の多くは、なぜか茨城の乳がん検診のシステムが他県と比べて劣っていると思い込んでいます。実際には世界でトップクラスと言っても過言ではありません。マンモグラフィと超音波検査を組み合わせた検診システムは国際的にも誇れる内容です。さらに検診のための診断装置、診断する医師や技師の技量も充実しています。

厚労省が実施した「ジェイ・スタート」(J-START=マンモグラフィのみの検診と超音波検査を併用した検診の結果を比較する大規模臨床試験)では、茨城の乳がん検診システムが採用されました。同試験の結果、マンモグラフィのみの検診では30%(2012年の調査時)の見落としがあることが分かっています。つまり、茨城県民はより見落としが少ない、レベルの高い検査が受けられるということです。つくば市内に限らず、県内のどの医療機関で受診しても同じシステムの検診が受けられます。

乳がんの補助療法では、「化学療法」「分子標的治療」「内分泌治療」が発展しました。がんの症状と種類により、外科的治療に加えてこれらを組み合わせて行います。早期に発見されれば抗がん剤は使用しなくても良い。かつては乳房温存手術と放射線照射を組み合わせた治療が行われていましたが、今は乳房の再建手術が保険の適用になっていることから、乳房を温存せずに切除するケースも増えています。基本的には切除していない胸の形に合わせることが多いです。

―昨年、元アナウンサーの小林真央さんが乳がんで亡くなりました。最近は元SKE48のメンバーの矢方美紀さんが左乳房を全摘出したことも話題になりました。

こういったニュースが流れると「20代や30代の若い世代に乳がんが多い」と誤解する人もあるかもしれませんが、20代でかかるのはむしろまれなケースです。乳がんにかかりやすいのは40代~60代。40代以上の女性は、検診を受けることを推奨します。

昨年の講演会の様子(同)

―今年のフェスティバルに向けた思いを教えてください。

これまでフェスティバルでは、ウォークやサイクリングなどの啓発イベントで乳がん検診の重要性を訴えてきましたが、それだけでは正しい乳がんの知識が伝えられませんでした。そこで今回は、一般の人に乳がんについて新しい正しい知識を伝える講演会をメーンに開催することにしました。

フェスティバルでは乳がんについて、一般の人や患者さんが特に知りたいという声の多かった情報をピックアップし、そのテーマに応じて専門医が解説します。講演やつくばピンクリボンのホームページなどを通じて、乳がん検診の重要性を理解してくれればと思います。

◆同フェスティバルは29日(日)午前10時~午後2時20分まで。参加費無料、事前申し込み不要。「乳がん最前線―乳がんと乳がん検診の新しい正しい知識を」をテーマに、専門医や筑波大学の教授らが検診と治療の最新動向について解説する。演題は▽「なぜ、乳がんが増えているの?」(杏雲堂病院医師・池田達彦氏)▽「どうやって受ける?乳がん検診」(つくば国際ブレストクリニック診療放射線技師・津田香緒里氏)▽「転移・再発の治療(薬)」(筑波大学准教授・坂東裕子氏)▽「上手なセカンドオピニオンの使い方」(東京医科大学茨城医療センター医師・海瀬博史氏)など9項目。

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自然の学校「宍塚」から学ぶこと《宍塚の里山》135

【コラム・吉田健人】僕は「宍塚の自然と歴史の会」の子どもスタッフをやっていて、宍塚にはたくさんの魅力があると感じています。今回、その魅力について説明します。 まず、宍塚にはたくさんの植物、鳥、虫、動物、粘菌などが暮らせる自然環境があります。特に、人の手が加わることで人と動物が関わり合いながら残されてきた、貴重な里山の自然があるのが特徴です。そこでは、生き物を実際に見て触ったり、鳴き声を聞いたりしながら、専門の先生が子供や大人のどちらにも、分かりやすく説明してくれます。 例えば、夜のカエル観察会では、その種類によって特徴的な鳴き方の違いや口の中の色や鳴嚢(めいのう)の位置など、図鑑には書いていないことを自分の目や耳で体験することができます。 また、魚の観察会では、釣りをしたり、手網などを使って、魚を観察し感じる体験ができます。そして、釣った魚はバケツやプラスチックケースに入れて先生や他の参加者とじっくりと観察することができます。先生は魚の名前の由来などを分かりやすく教えてくれます。 そして、外来種が増えることにより自然がこのあとどうなっていくのか、日本の在来種を守ることの大切さなどを教えてくれました。 先生にたくさん質問 植物の観察会では、先生の許可を得て食べられる植物を実際に食べて味わってみたり、摘みとって遊んでみたり、虫めがねで花びらや茎を観察したりして、今まで知らなかった植物のつくりなどを知ることができました。 秋に行われる収穫祭は田んぼの学校での収穫を祝う行事で、祭りでは竹を割ってコップやお箸、お皿などを作り、自分が作ったお皿に赤飯をのせて食べることもできます。普段使っている道具を、自然の材料を使って自分の手で作れることも、それらを作る材料があることも、宍塚の魅力の一つです。 僕が初めて宍塚に行った時にもたくさんの生き物がいましたが、名前などが分からず、先生の話についていくことができずにいました。そこから、生き物を知り、名前が分かったら楽しいだろうなと思うようになり、自分でも調べてみるうちに生き物がもっと好きになりました。特に大好きな鳥の観察会では先生にたくさん質問をしました。 すると、先生は僕の質問に何でも答えてくれました。僕が宍塚での活動ができている理由は、生き物のことを優しく教えてくれる先生と、ぼくのことをいつも評価し宍塚の面白さを教えてくれるスタッフのみなさんのおかげです。 僕はこれからも宍塚の子どもスタッフとして、自然のしくみや面白さをみんなに伝えるお手伝いをしながら、自分の身の回りの自然を大事にするようにしていきたいです。(小学6年、宍塚の自然と歴史の会 子どもスタッフ)

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