【コラム・山口京子】私は2019年に初孫、24年に2人の孫を授かりました。孫たちが平均寿命を生きるとすると、2100年も生きていることでしょう。その時の自然環境はどうなっているのでしょう。都会で暮らしていると、リアルに見る生き物は、人間と犬や猫、数種類の鳥たちでしょうか。田舎では、川から水生生物がいなくなったこと、チョウやハチたちも激減しているのを感じます。
昨年のような酷暑や異常気象が今後も続くのかどうか…。自然環境については、専門家の意見も対策も分かれています。いろいろな意見の背後に、それぞれの思惑が見え隠れする場面もあります。難しいことはわかりませんが、自分ができることとして、余計なものは買わない。できるだけ国産のものを買う。無駄にしないなどを意識しています。
3つの見解や態度
環境問題について、次のような見解や態度があります。一つは、地球全体の自然環境なんて、大き過ぎて考えたこともないし、分からない。新聞やテレビを見ても、環境が深刻な気がしない。温暖化と言われているけど、まだ大丈夫ではないか。個人ができることは限られるし、このままが続くだろうと思って暮らしているという態度。
二つ目は、自然環境は著しく悪化している。気候危機、水質や土壌、大気汚染、生物多様性の危機が止まらない。この5~10年のスパンで、適切な対策を立て、かつ実行しなければ、後戻りができなくなる時期を迎える。国や国際機関に厳しいルールを設けるよう働きかけるとともに、個人もできることをしていくべきという、研究機関やジャーナリストからのメッセージ。
三つ目は、私たちの消費の在り方が環境危機に深くかかわっている。消費のあり方を見直し、経済活動や政治判断に働きかけることが重要ではないか。持続可能な環境と社会のために、消費のあり方を変えていくという、消費者団体、NPOなどの活動。
増える電力需要
先進国のエネルギー消費は過剰であるので減らすべきという指摘もあります。しかし、国際電気通信連合の調べによると、ITや通信関連などの企業の電力消費が急増、トップは中国移動通信とか。米国のマイクロソフト、アマゾン・コム、アルファベットの3社の合計電量消費がフィリピン1国分に相当するという記事もありました。
公的機関や環境に取り組むNGOなどの情報に触れ、事実に近づかなければ…。「環境」という2文字ですが、知るほどに不思議なワールドです。(消費生活アドバイザー)