【鈴木萬里子】教員を退職後、本格的に筑波山を描き始めたつくばみらい市在住の画家、沼尻正芳さんによる個展「霊峰筑波・人・自然を描く」が24日から筑波銀行つくば本部ビル(つくば市竹園)2階ギャラリーで開かれている。
沼尻さんは武蔵野美術大学卒業後、千葉県松戸市の中学校を始め茨城県南の小・中学校で美術担当教諭を長く務め、つくばみらい市立伊奈東中学校長を最後に退職した。その間卒業生の似顔絵を描き、累計1050枚を卒業生に贈った。現在、美術団体「新極美術協会」常任理事を務める。
今回の個展では縦97㎝、横145㎝の霊峰筑波の大作を含め、四季折々に表情を変化させる雄姿が多数展示され、筑波山への憧憬(しょうけい)が見る側にも伝わってくる。
描き始めたころは遠くから筑波山を描き、最近は間近で雄大さを感じながら描くなど、試行錯誤しながら取り組んできたという。アクリル絵の具で描いた筑波山を何度も加筆修正して、油彩で描き直した作品も多く、沼尻さんは「最初は四苦八苦していたが、今は筑波山が教えてくれるようになった」と話す。
昨年の第23回極美展で東京都知事賞を得た、不動院を描いた「塔に雪降る」など見応えのある作品も多い。沼尻さんの優しい視線が感じられる幼子やペットを描いた作品などもある。
熱心に見ていたつくばみらい市の30代女性2人は「筑波山の自然豊かなところを切り取って描いていて感動する」「身近な自然を題材に描いているので親近感が湧く」などと話していた。
◆会期は30日(月)まで。入場無料。開館時間は午前10時~午後4時30分(最終日は午後3時まで)。問い合わせは℡090・7277・2328(沼尻さん)