【コラム・山口京子】毎日の暮らし方が抱える問題に気づかされる講座がありました。地球温暖化対策講座「マシンガンズ滝沢と考えるゴミ問題~清掃員から見た景色」(11月15日、取手市環境対策課主催)というタイトルで、講師はお笑い芸人とゴミ清掃員の二足のわらじで注目されているマシンガンズの滝沢秀一氏でした。
講演では、ゴミ清掃員を職業とするきっかけから始まり、現在のゴミに対する考えを披露してくれました。印象的だった言葉がいくつかあります。
「ゴミはウソをつかない」。ゴミは生活の縮図であり、ゴミを出す人のお金の使い方、こだわり、し好品などが見える。人間の欲がゴミに現れる―と。栄養ドリンクや様々飲料缶、段ボールや紙ゴミ、ペットボトル、衣類、食品など。新米の時期になると古米が出され、食べられるジャガイモが大量に捨てられている映像には、会場から驚きの声が上がりました。
「中央最終処分場の寿命はあと23~24年」。最終処分場という言葉を初めて聞きました。自分が出したゴミが最後にどこに置かれるのかなど、考えたことがありません。そのあとはどうなるのかなど考えず、何気なく暮らしている。この暮らし方は持続可能ではないのかも…。
ペットボトルが増え過ぎている
「人間がそのモノをゴミと思った時にゴミとなる」。ゴミは可燃ゴミと不燃ゴミの二つに分かれます。滝沢さんは、ゴミを資源物として活用する3R(リデュース、リユース、リサイクル)に、リスペクトのRを加えます。ゴミ処理に携わる人への敬意を抱くことは、ゴミの出し方を変えていくになるでしょう。
「ペットボトルが増え過ぎている」。日本ではペットボトルが年262億本も生産され、その93%は回収されているものの、7%は行方不明で、0.1%が川に流されているそうです。プラスチック製品の利便性は生活に浸透しています。ペットボトルは、日常生活に当たり前のものになっています。
一方で、プラスチックごみの海洋汚染や、生物への悪影響を懸念する声が広がっています。この12月にプラスチックごみを規制する条約が作成されるはずでしたが、合意に至らなかったと新聞で知りました。今後の動きに注目したいと思います。(消費生活アドバイザー)