火曜日, 1月 13, 2026
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チャリティーサンタ 夢を届けに今年も街へ

クリスマスイブの12月24日にサンタクロースにふんしたボランティアが各家庭を訪問し、プレゼントを届ける「チャリティーサンタ」が今年もつくばで実施される。一般家庭のほか、経済的な理由や病気などでクリスマスを楽しむことが難しい家庭にも手を差し伸べる企画で、2008年にNPO法人チャリティーサンタ(東京都千代田区)が立ち上げ、昨年までに全国33都道府県で5万人以上の子どもたちにプレゼントを手渡してきた。つくばでは同つくば支部ができた17年から活動みが始まり、「子どもたちに愛された記憶を残す」を合言葉に、社会人や学生のボランティアが今年も夢を届けに街に出る。

2018年から活動に参加する同つくば支部代表の会沢和敏さん(60)は、プレゼントを受け取る子どもの笑顔が心に残ると言う。「私たちも最初は、家庭を訪ねる際に不安や緊張があるが、子どもの純粋な笑顔や、家族の絆を感じる場面に出会うときに、こちらが豊かな気持ちになる」とやりがいを話す。

経済的困難を抱える家庭にも

会沢さんは、つくば支部代表(当時)で創設者の工藤咲希さんを取り上げた新聞記事を読み、経済的な理由でクリスマスを楽しめない家庭が身近にあることを知り、活動に加わった。「クリスマスにはそれぞれの過ごし方があっていい」とした上で、「それでもプレゼントを用意できない家庭の子どもには、クリスマスが厳しい1日になる。楽しみたいのにできないという家庭に対して、なんとかしたいと思った」と振り返る。

チャリティーサンタでは、事前に応募があった一般家庭を訪問し、各家庭が用意したプレゼントを事前にサンタクロースにふんしたボランティアが受け取り、子どもに手渡す。家族から聞き取っていた情報を元に作成した子ども宛てのメッセージも伝える仕組みだ。一方、経済的な困難を抱える家庭に対しては、参加する一般家庭から募る3000円の協力金を元に団体がプレゼントを用意する。集めたお金は、団体の「ルドルフ基金」として無償訪問のための運営費や国内外の子ども支援などにも充てられる。

団体ではその他に、様々な困難を抱える子どもに本を贈るために全国の書店と連携してスタートした「ブックサンタ」や、洋菓子店との協力で誕生日にホールケーキを届ける「シェアケーキ」などの支援企画を行っている。つくば支部では、地域で開かれる子ども食堂などとも協力し、物語を読み聞かせる「パネルシアター」やダンスイベントなども実施している。

サンタクロースにふんするボランティアスタッフたち(NPO法人チャリティーサンタつくば支部提供)

ボランティアとして今年から活動に参加する筑波大4年の原悠子さん(21)は「貧困問題への関心から、つくば市内の子ども食堂の活動に関わったのが参加のきっかけ。ワクワクしている子どもの様子を間近に見ると、こちらが幸せな気持ちになれる。私が子どもの時に、両親が一生懸命、私を楽しませようとしてくれたクリスマスは、特別な日。自分も何かしらの形で子どもたちに喜んでもらいたい」と思いを語る。同じく、ボランティアの同大1年、井上もえなさん(20)は「大学入学前に『ブックサンタ』を書店で見たのがきっかけ。私が大好きだった本の思い出が、今度は違う子どもの思い出になるかもしれないと思いブックサンタに応募した。同じ団体が行うチャリティーサンタにも関わりたいと思った」と話す。井上さんは、途上国の貧困問題に関心があると言い、地域でのボランティア活動を通じて、将来は国際的な子ども支援活動にもつなげていきたいと目標を語る。

つくば支部では今年20人のボランティアによるサンタクロースが、応募があったつくば市や周辺地域で暮らす約20世帯にプレゼントを届ける予定だ。普段は市内の民間企業に務める会沢さんは、仕事の傍で続ける活動について「子どもたちにとってクリスマスの経験はほんの一瞬の体験。だがプレゼントを手渡される時に感じる豊かな気持ちは、子どもたちの中で大きい出来事になりうる。その豊かな気持ちが心に残り、将来彼らが作る未来へつながる何かのきっかけになれば」と言い、「誰かの幸せが誰かの幸せになる、思いがつながるのがこの取り組み。参加する学生たちも含めて、この活動に関わるすべての人が楽しく豊かな時間を過ごせたら」と語る。(柴田大輔)

サンタを呼びたい家庭、受付中

◆NPO法人チャリティーサンタつくば支部では、今年のクリスマス当日のボランティアフタッフの募集は締め切っている。来年度の募集は、2025年10月ごろから受け付ける予定。サンタクロースを呼びたい家庭の募集は受付中。詳細は、団体ホームページへ。また同団体つくば支部では、その他の活動に関わるボランティアスタッフを募集している。問い合わせはメール(tsukuba@vol.charity-santa.com)で。X(旧ツイッター)インスタグラムで情報を発信している。

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親子連れ70人がカヤ刈り 地元の文化財「五角堂」修理の材料に つくば

江戸時代後期につくばで活躍した発明家、飯塚伊賀七(いいづか・いがしち)が建てた「五角堂」のかやぶき屋根を修理する材料にしようと、ススキが自生する近隣の原っぱで12日、カヤ刈りイベントが開催され、地元の親子連れなど小学生から70代まで約70人が、刈り取ったススキを集めて束にするなどの作業を体験した。 伊賀七は当時の谷田部新町村の名主で、からくりの和時計、測量器具、地図、農業機械の自動脱穀機などを発明した。五角堂は伊賀七の生家に建てられた。何のために建てたのか分かってないが、床面が正五角形と当時は建築が難しく、独自の構造で建てられている。1958年に県指定史跡になり、89年に解体修理されたが、かやぶき屋根の傷みがひどくなり、五角堂を管理する同市が昨年、屋根の一部を修理した。残りの部分を、今回刈り取ったススキで修理する予定だ。 カヤ刈りイベントは、石岡市を拠点にかやぶき屋根の保存活動に取り組む市民団体「やさと茅葺き屋根保存会」(萩原寿盈会長)とつくば市教育委員会が共催した。場所はつくばエクスプレス(TX)みどりの駅近くの市立みどりの義務教育学校に隣接する未利用の原っぱの一部約200平方メートルで、市民ボランティアを募って実施した。 学校脇の原っぱにススキが茂っていることを知った市内に住む同保存会事務局の仲村健さん(44)が同校と市教委などに働き掛け、昨年、同保存会が同所でカヤ刈りを実施し、石岡市内のかやぶき屋根を修理する材料にした。その後、地元に住む谷田部地区活性化協議会の牧野秀宣会長(70)から「地元のカヤで五角堂を屋根を修理してはどうか」と提案があり、イベント開催に至ったという。 12日は午前中に同保存会が仮払い機でススキを刈り、午後に親子連れ約70人が刈り取られたススキを拾い集めて、ひもで縛り、束にした。2時間ほどの作業で121束が出来上がった。 刈り取ったカヤは、同保存会の会員が自宅の風通しのよい場所で保存する。さらにワークショップを開催し、屋根で作業しやすいようカヤの長さをそろえて束にする「かやごしらえ」を実施する予定だ。 母親と参加した近くに住む小学3年の戸田結斗さんは「学校でちらしをもらって参加した。カヤの束を積み上げた上に座って楽しかった」と話し、家族で参加した近くの会社員、藤尾友彦さん(42)は「毎日犬の散歩で通るところなので、普段できない経験をしたいと参加した」と語り、長女で小学3年の晴香さんは「ススキを束ねてぎゅっと結ぶのが難しかった」と話していた。 同保存会の仲村さんは「カヤ刈りを通して身近な歴史や文化を知り、それが現在や未来につながるものだということを感じてもらえたらうれしい」と話し、同活性化協議会の牧野会長は「地元のものを地元の材料で修理すると、親しみができる。小学生も参加し、自分たちが取り組んだもので修理できれば地元の歴史にもっと親しみがわくと思う。すごくありがたいし、子供たちがいっぱい参加してくれてよかった」と語っていた。 市文化財課によると、刈り取ったカヤは同保存会に約1年間保存してもらい、2027年度に五角堂の残りのかやぶき屋根の修理を実施する予定という。(鈴木宏子)

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つくば、土浦で「二十歳のつどい」

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