筑波大学蹴球部からプロ入りする5選手の合同記者会見が2日、つくば市天王台の同大大学会館で開かれ、各人が抱負を語った。蹴球部は今季、関東大学サッカーリーグ1部準優勝、全日本大学サッカートーナメント3位、天皇杯本戦では2回戦で当時J1首位の町田ゼルビアをPK戦で破るなど、輝かしい成績を残した。選手たちの次のステージでの活躍が期待される。
J1ジュビロ磐田に内定した角昂志郎選手は東京都生まれ、FC東京U-18出身。身長165cmと小柄だが、圧倒的なスピードと局面を打開できるドリブルが武器のサイドアタッカー。ユース世代の日本代表歴も豊富。「先輩の三笘薫選手(英ブライトン)は同期の山川哲史選手(J1神戸)との1対1で高め合ってきたと聞いて、自分も福井啓太選手との自主練で攻撃の強さを磨いた。自慢のドリブルを発揮しチームを勝利に導きたい」と話す。
J1湘南ベルマーレに内定した田村蒼生選手は千葉県生まれ、柏レイソルの下部組織に9年間所属。圧巻のテクニックで、昨年度の関東リーグベストイレブンに選ばれたサイドハーフ。「狭いところに入ってドリブルでこじ開けてくる、相手にとって嫌な選手」と小井土正亮監督の評。「もっと相手に嫌がられる、ピッチ内で怖い選手になりたい。自分のプレーで会場を沸かせ、もっと見たいと思ってもらえるようになりたい」
J2水戸ホーリーホックに内定した沖田空選手は千葉県生まれ、鹿島アントラーズユース出身。フィジカルの強さを生かし、スピードとパワーでねじ伏せる攻撃的サイドバックだ。今年度は水戸の特別指定選手として、鹿島とのプレシーズンマッチ「いばらきサッカーフェスティバル」などにも先発出場。「縦の推進力が自分の強み。『苦しい状況でもあいつに預けておけば、一人で何とかしてくれる』とチームに思ってもらえる選手になりたい」という。
J2ロアッソ熊本に内定した半代将都選手は宮崎県生まれ。高体連の名門、熊本県立大津高校出身。プレー強度の高さと機動力を誇るパワー系のFWだ。好きな選手は岡崎慎司(元日本代表)。小柄だが誰よりもハードワークして点が取れる。本当はアルバレス(アルゼンチン代表)と言ったら小井土監督に「ふざけるな」と言われたそうだ。「これからもハードワークと強度にこだわり、ゴールやアシストなどの数字も出せるようになりたい」
J3大宮アルディージャに内定した福井啓太選手は埼玉県生まれ、大宮の下部組織に9年間所属。正確なロングフィードやビルドアップ、スピードなども併せ持つ現代的なセンターバックだ。「5人中で一番苦労してチャンスをつかみ取った選手。主将としてトップチームはもちろん部全体をまとめてくれた」と小井土監督。「相手の次のプレーを予測する力など、対人の守備が強み。1年目でスタメンに定着しチームを引っ張るのが目標」と話す。
例年は12月下旬に開かれていたこの合同記者会見だが、今年から全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)の開催方式が変更されたことにより前倒しされた。同大会で筑波大はグループステージから出場する(初戦14日、会場は福岡市黒崎播磨陸上競技場 in HONJO、対戦相手は未定)。決勝は28日、宇都宮市の栃木県グリーンスタジアム。プロ内定の5選手らも4年間で最後の日本一のタイトルを目指す。(池田充雄)