日曜日, 3月 15, 2026
ホーム土浦県内23校 特別支援学校生徒の力作集う 土浦

県内23校 特別支援学校生徒の力作集う 土浦

県内にある特別支援学校高等部23校が、各校の独自の取り組みと文化系部活動の成果を発表する作品展「茨城県高校総合文化祭 第8回特別支援学校部門大会」が12日から、土浦駅西口前の土浦市民ギャラリーで開かれている。身体や視覚、聴覚、知的などに障害のある生徒たちによる絵画や木工などの力作200点余りが展示されている。

水戸盲学校の生徒による粘土の立体像は、短距離走のスタートを切る瞬間や、グラウンドソフトボールでボールを打つ瞬間など、選手が力を込める瞬間が筋肉の細かな動きとともに生き生きと再現されている。水戸支援学校の生徒が描く「夜明け」と題された油絵は、水平線上に現れた朝日が、空を覆う雲と雲を映す水面を徐々に赤らめる姿を、乾いた赤色と群青のグラデーションで微細に描き込んだ作品だ。

ゲームイベントで「視覚入力装置」体験も

同文化祭は、文化部のある高校が加盟する県高校文化連盟による作品発表の場として毎年開催されており、特別支援学校部門は今年で8年目。企画は毎年、県内の各特別支援学校の生徒が集まる実行委員会が主体となり進められる。今年は23校から49人が集まり、本番に向けて9月からオンラインで交流を重ねてきた。

16日と17日には、実行委員のメンバーと、県内の一般校に通うボランティアメンバーらが集まり、街頭に立って、イベントPRや来場者に対する会場案内をしたり、ゲームイベントの進行などを実施する。

ゲームイベントでは、人間の目の動きをコンピュータが感知することで、パソコンやタブレット端末などを操作する「視線入力装置」を利用し、塗り絵や射的のゲーム体験会を開く。水戸特別支援学校が約5年前から授業に導入している装置で、手足を動かすことができなかったり、言葉を話すことができないなど、障害により意思表示に困難がある際に、モニターを見つめることでキーボードをクリックしたり、伝えたいものを指し示したりなどすることができる。同校の勝二あすか教頭は「技術の発達により、これまで気づけなかった意思を周囲がくみ取れるようになった。生徒も楽しみながら授業に参加し、学習意欲の向上につながっている」と話す。

16日と17日に行われるゲームイベントで体験できる「視線入力装置」

同文化祭特別支援学校部会事務局の田中雅人さんは「作品を通じて、いろいろな障害のある人がいることを知ってもらう機会になるとともに、彼らが自分たちと変わらないと知ってもらいたい」と話す。また「こうした学外活動への参加を通じて、普段、学校では静かな生徒が、展示に訪れた一般校の高校生に自分が学んできたことを力強く語りかけるなど、同じ高校生として交流を深めていた」と、障害のある生徒の変化について語り、「さまざまな障害のある生徒らが日頃の活動の成果を見ていただきたい。土日には、実行委員会のメンバーとして企画を進めてきた生徒たちが会場を案内するので、是非、多くの方に足を運んでいただければ」と来場を呼び掛ける。(柴田大輔)

◆「茨城県高等学校総合文化祭 第8回特別支援学校部門大会」は17日(日)まで、土浦市大和町1-1、土浦市民ギャラリー オープンギャラリーで開催。開館時間は午前10時から午後6時。最終日は午後3時半まで。入場無料。問い合わせは電話029-247-5924(同事務局)へ。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

49年 市民が清掃活動 水戸街道の松並木守る 土浦

文化財愛護の会 土浦市東若松町にある市指定史跡「水戸街道松並木」で14日、市民団体「土浦市文化財愛護の会」による清掃活動が実施された。清掃活動は1977年の同会発足以来、49年間にわたって続いている。現在、旧水戸街道で松並木が残っているのは、この東若松町~板谷七丁目周辺だけ。 江戸時代から続く貴重な景観 水戸街道は、江戸時代初期の1604(慶長9)年、幕府により千住(東京都足立区)―水戸間の29里19町(約116km)が整備された。脇街道という位置付けで、東海道などのいわゆる5街道に次ぐ主要な街道だった。江戸時代の街道には、通行人を暑さ寒さから守るために松並木が整備されていた。 「ただし木自体はマツクイムシなどの被害により植え替えが進み、江戸時代のものはおそらく残っていない。それよりも、松並木の景観を守り伝えることこそが重要」と、愛護の会副会長の小林静さん(80)。 この日は会員約30人が参加し、プロテリアル金属(旧日立電線)入口から「板谷の一里塚」までの1キロメートルほどの範囲を手分けして清掃。午前9時から11時までで、90リットル入りのビニール袋70個分ほどの枯れ松葉を集めた。例年は100袋ほど集まるのでやや少な目だそうだ。袋は軽トラック3台に山積みにされて清掃センターへ運ばれた。 会員の一人、塙秀弥さん(23)は筑波大学の4年生で4月からは大学院に進む予定。学芸員の資格取得のため文化財について学んでおり、地域の文化財がどのように守られているか興味があって入会したという。「この並木道に来たのは初めてで、太い幹が残っているのを見て驚いた。普段は素通りしてしまうものに目を向けるきっかけにもなった。清掃活動は誰かがやらないと景観を損ねてしまう。やってよかったし、これからも参加していきたい」と感想を話した。 史跡の手入れやパトロールも 会員の一部は松並木の作業を終えた後、同市小高の高崎山古墳でも清掃作業をした。今年は一色家住宅(西真鍋町、国登録有形文化財)、鉄砲塚(都和一丁目、市史跡)、大岩田の一本松(通称・予科練の松)なども予定するほか、文化財パトロールも随時行っていく。以前は地主や地域の手で管理されていたものが、人手不足により行き届かなくなるケースが増えてきているという。 愛護の会の会員数は、各研究部会を合わせて250人ほどになるが、高齢化も進んでいることが悩み。もっと認知度を高め、会員を増やして活動を継続させていきたいと、市の産業祭や各中学校区の公民館祭りに参加し、地域の文化財を紹介するといったPR活動にも力を入れ始めている。(池田充雄) ◆活動は会員外の見学・参加も歓迎。問い合わせは土浦市文化財愛護の会事務局(上高津考古資料館・古橋さん、電話029-826-7111)へ。

お上の悪には善では勝てぬ《映画探偵団》98

【コラム・冠木新市】1969年、篠田正浩監督が近松門左衛門作の人形浄瑠璃「心中天網島」をモノクロで映像化し、キネマ旬報ベストワンを授賞、映画界の話題を独占した。そして1970年には、河竹黙阿弥作の歌舞伎「天衣粉上野初花」をべースにした寺山修司脚本の「無頼漢」(カラー)が公開された。 「無頼漢」は、闇に浮かぶ浮世絵師・絵金の絵を効果的なセットに使い、原色の衣装などで天保時代の江戸文化を再現し、華麗な世界を作りあげた。しかし、「心中天網島」に比べると観客の盛り上がリは今ひとつ起きなかった。 「無頼漢」公開1年後の4月23日、私は篠田監督にTVスタジオで偶然に出会い、話をすることができた。「心中天網島」よりも「無頼漢」が気に入っていると伝えると、「うれしいですね。無頼漢のよさ分かってくれるとは」と言って、胸ポケットから封筒を取り出し、英語の新聞記事を見せてくれた。 「これ、ニューヨ一クで当たっているんですよ。すごい褒め方だ」。そこで「篠田さん自身、心中と無頼漢、どちらが好きですか」と尋ねると、「無頼漢に決まってますよ」と言い切った。 虚構の世界で悪役が活躍する時代 「無頼漢」は、役者志望の遊び人・直次郎(仲代達矢)、妻と息子を亡くした暗闇の丑松、水野忠邦の体制を批判して追われる三文小僧、数寄屋坊主の河内山宗俊(丹波哲郎)、こわもて商人・森田屋清蔵、御家人くずれの金子市之丞、この6人の悪党がお上に対抗する物語である。 直次郎が主役で「芝居小屋の外で芝居をする役者になりたい」と言わせている。河内山宗俊は、上州屋の一人娘が奉公先の武家屋敷で殿様から妾になれと言われて困っていることを聞きつけ、二百両で助け舟を出す仕事を引き受ける。直次郎は侍にふんし、河内山と一緒に屋敷に向かう。つまり、芝居小屋の外で人助けの芝居をうつことになる。 だが後半は、河内山が目立ってくる。御知僧に化けた河内山の正体がばれ、武家屋敷の玄関先で侍に取り囲まれ、啖呵(たんか)を切る丹波哲郎が圧倒的によい。「ええ仰々しい、静かにしろ。悪につよきは善にもと、世のたとえにもいうとおり、親のなげきがふびんさに…」 当時、丹波哲郎の名調子を褒める評論は多かった。「お上の悪には善では勝てぬ」と、悪党・河内山の痛快さは魅力的だ。江戸でも現代でも、虚構の世界で悪役が活躍する時代とは、管理体制と秩序でがんじがらめとなり、自由を失った証しではなかろうか。 もし、つくば市でリバイバル上映するとしたら、人形浄瑠璃の「心中天網島」と歌舞伎の「無頼漢」どちらが受け入れられるだろうか? サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家) <物語観光講座「つくつくつくばの七不思議」のお知らせ>▽講演「つくば市章に隠された記号の謎」▽映画『サイコドン』上映とおしゃべり▽3月28日(土)13時半~15時半、カピオ小会議室2、参加費無料

「桜のまち」研究学園の未来へ《けんがくひろば》18

【コラム・二木重光】つくば市研究学園駅前公園は、かつて日本自動車研究所の高速テストコースの一部に位置していた場所です。その歴史を今に伝えているのが、当時の所長さんらによって植えられた桜の木々です。春になると、やわらかな花びらが公園を包み込み、このまちの原風景ともいえる美しい景観を生み出します。新しい街でありながら、ここには確かに受け継がれてきた時間が息づいています。 しかし、その桜も長い年月を経て老木化が進んでいます。ここ数年だけでも病気や虫害の影響により、少なくとも6~7本が伐採されました。満開の華やぎの裏側で、静かに進む衰え…。 大切な風景が少しずつ失われつつある現実は、私たちに「守り、育て、つないでいく責任」を問いかけています。未来へ桜を手渡すためには、これまで以上に計画的な保全と、次の世代へと命をつなぐ取り組みが欠かせません。 そうした思いから、2026年2月17日、研究学園駅前公園の桜について、市公園施設課と意見交換の機会を持ちました。自動車研から引き継いだ桜の保存に努め、駅前公園を「桜の名所」として守り続けていくこと、さらに日本花の会・結城農場桜見本園の協力を得ながら、専門的な知見を取り入れて育成を進めていくことなど、方向性を共有することができました。 4月4日に「けんがくさくらまつり」 公園に残る「関山」「普賢象」「松月」「御衣黄」といった貴重な品種の系統を受け継ぐことは、単に樹木を残すことではなく、この地の歴史と記憶を未来へつなぐ営みでもあります。 研究学園エリアには、駅前公園だけでなく、学園の杜公園や調節池周辺に広がる千本桜など、春を楽しめる場所が広がっています。それらを点ではなく線として結び、面として広げていくことで、「桜のまち」という新たな魅力がより確かなものになるでしょう。 今年も、桜の季節を彩る「けんがくさくらまつり」が4月4日に開催されます(雨天時は4月5日)。会場は研究学園駅前公園古民家周辺。主役は地域の皆さんです。ステージでは音楽が響き、会場には絵画や書道の展示が並びます。子どもたちに人気の消防車の展示や、けん玉や竹馬などの昔あそびも予定されています。世代を超えて笑顔が交わり、桜の下で思い出が重なっていく1日になることでしょう。 桜は、まちの記憶であり、人々の心に季節を届ける存在です。守る人がいて、楽しむ人がいて、未来へと願う人がいる。その積み重ねが、風景を育てます。今年の春もまた、研究学園の桜が、多くの人の心にやさしい彩りを添えてくれることを願っています。(けんがく活動団体連絡会 委員)

震災15年、原発事故を忘れない つくばで集会

東日本大震災と福島第1原発事故から15年を迎えた3月11日、つくば駅前のつくばセンター広場(同市吾妻)で市民集会「さよなら原発 守ろう憲法 昼休み集会&パレード」(安倍9条改悪NO!市民アクションつくば連絡会、東海第二原発いらない首都圏ネットワークつくばなど主催)が開かれた。被災地からの避難者や市民団体の関係者らが登壇し、事故の記憶を語り継ぐことや原発政策、平和について考える必要性を訴えた。 集会の後、「原発再稼働反対」「東海第2原発の廃炉」「再生可能エネルギーへの転換」「いのちと暮らしを守る政治」などを求めるアピール文が参加団体により採択され、参加者ら70人余りがつくば駅周辺をパレードした。 「今も帰れない人たちがいる」 震災後、福島県双葉町から埼玉県加須市へ避難した鵜沼久江さんは、震災直後の混乱を語った。地震発生から2時間後に自主的に避難を始めると、その日のうちに福島第1原発事故による緊急事態宣言が発令され、原発から約3キロ圏内に避難指示が出た。12日早朝には半径10キロに拡大された。その日から15日にかけて、車中泊や避難所を転々とする生活が続き、その間に原発では3度の爆発が起きた。「何が起きているのか分からないまま避難していた」と振り返った。 避難後は埼玉県の高校などに身を寄せ、生活環境の違いから戸惑いも多かったという。双葉町に戻ったときにできることを考え、野菜づくりを学んだが、「15年経っても町に戻って昔のように生活することはできない」と語った。避難生活の中で夫を食道がんで亡くし、自身も昨年心筋梗塞を経験。「原発事故を二度と起こさないために何をすべきかを考えながら生きている」と話した。 また、東海第2原発が立地する東海村から参加した大名章文さんは、村での複雑な状況を語った。東海村は1997年の動燃火災爆発事故や1999年のJCO臨界事故を経験しており、「福島の事故を見て多くの住民が不安を抱えていた」と説明した。 一方で、昨年2月閣議決定された第7次エネルギー基本計画で政府が原発の最大限活用を掲げたことで村の雰囲気が変わったとし、「村民の多くが関連企業で働く中、反対の声を上げることが生活を脅かすかもしれないという恐れがある」と指摘。「言いたいことがあるのに言えない、不安はあるのに表に出せない沈黙の重さがある。だが沈黙は決して同意ではない」と述べ、避難計画など住民の安全確保への問題が解消されない再稼働を認めるわけにはいかないと、反対の立場を示した。 つくば市の市民団体「憲法9条の会つくば」共同代表の石上俊雄さんは、現在も4万2000人以上が自宅に戻れない状況にあることに触れ、「命を守る社会を考える上で、憲法の問題とも向き合う必要がある」とし、防衛費の増加や、ベネズエラやイランでの軍事衝突に言及し、「武力による平和はありえない。対立をもたらし、突発的な戦争の危険を高めるもの。外交や国際協力こそが本当の抑止力だ」と述べ、憲法9条の意義を強調した。 同じく憲法9条の会つくばの阿部眞庭さんは、「福島第1原発事故により今も帰還できない人が多くいる」とし、「被災地で困難な状況にある人がまだたくさんいるのに、政府は原発の再稼働や新増設を進めようとしている。原発は弱い人たちを犠牲にした国策。震災と原発事故を忘れないこと、そして一人一人が考え、行動することが大切だ」などと呼び掛けた。(柴田大輔)