つくば市の筑波山麓や宝篋山周辺で開催中の「筑波山麓秋祭り」では、秋祭り後半の2~4日、3連休に合わせて特産の福来みかん狩りやジャム作り体験などが催される。福来みかんは近年、茨城大学農学部や県産業技術イノベーションセンターなどの研究で機能性成分が含まれていることが分かり、注目されている。2回目は福来みかんに関するイベントなどを紹介する。
今年は豊作 筑波福来みかん園
かつて筑波山神社の参詣道だった「つくば道」沿いの同市臼井にある「筑波福来みかん園」では2日から4日、所有者で田井地区に住む鮏川和行さん(68)が、福来みかん狩りのほか、自作の七味、温州みかん、ネギ、サツマイモなどの農産物を販売する。
福来みかんは18年前に苗木を植え、現在122本ある。鮏川さんは「老後のひまつぶしを社会人時代に準備し、福来みかんの木を植えた。筑波山麓秋祭りには第1回から参加している。今年は豊作でたくさん福来みかんが出来ている。筑波山の秋の味を楽しみに来てほしい」と話す。
みかん狩りは、採れても採れなくても1キロ500円。3日午前11時からは、地域で活動するオカリナ奏者、さかたかなこさんのコンサートもある。スタンプラリーでは七味をプレゼントする。
鮏川さんはみかんの栽培のほか、つくば道沿いに花畑を作り維持管理している。四季折々の花は登山客やサイクリストなどの目を癒してくれる。昨年まではウクライナ支援の募金活動をみかん園や花畑で開催するなど地域活動にも積極的に取り組んでいる。
◆筑波福来みかん園は、同市臼井678
収穫しジャム作り 旧大越邸
筑波山神社近くの古民家「旧大越邸」では、11月1日と3 、4日、福来みかんのジャム作り体験と古民家回遊ツアーを開催する。
旧大越邸は約140年前の明治時代まで旅籠屋だった古民家で、2013年~19年にかけて法政大学赤松研究室の手によって修理された。その後筑波大学システム情報系の山本幸子准教授が指導する建築・地域計画研究室が維持管理をしている。
秋祭りでは筑波大生たちが福来みかん関連のイベントを催す。利用する福来みかんは、筑波山神社脇で土産店を営む渡辺美代子さんの畑から譲ってもらっている。イベントでは、福来みかん狩りをして、その後、収穫したみかんでジャム作りを体験する。
古民家回遊ツアーは、筑波山神社近くのつくば道から、福来みかん畑、旧郵便局、旧小林邸ひとときや椿庵まで、福来みかん畑と古民家をめぐる約30分ほどのコースだ。ツアーは予約制で、3日間で50人が目標という。1日現在予約を締め切った。
同大4年の岡野勇太さんは「筑波山にある歴史ある建物を見てもらい、福来みかんにも興味をもってもらいたい。筑波山地域がもっと活性化するように協力していきたい」と話す。
◆旧大越邸は同市筑波688-1
筑波山麓秋祭りは2008年の国民文化祭開催を機に始まり16年目となる。20年と21年はコロナ禍で中止となり、今年は14回目の開催。スタンプラリーも催され、参加店に行くと各店の趣向したプレゼントがもらえる。(榎田智司)
◆筑波山麓秋祭り公式アカウントはこちら
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