土曜日, 12月 13, 2025
ホームつくば福来みかん狩りなど体験を【筑波山麓秋祭り】下

福来みかん狩りなど体験を【筑波山麓秋祭り】下

つくば市の筑波山麓や宝篋山周辺で開催中の「筑波山麓秋祭り」では、秋祭り後半の2~4日、3連休に合わせて特産の福来みかん狩りやジャム作り体験などが催される。福来みかんは近年、茨城大学農学部や県産業技術イノベーションセンターなどの研究で機能性成分が含まれていることが分かり、注目されている。2回目は福来みかんに関するイベントなどを紹介する。

今年は豊作 筑波福来みかん園

かつて筑波山神社の参詣道だった「つくば道」沿いの同市臼井にある「筑波福来みかん園」では2日から4日、所有者で田井地区に住む鮏川和行さん(68)が、福来みかん狩りのほか、自作の七味、温州みかん、ネギ、サツマイモなどの農産物を販売する。

自宅工房で七味を作る鮏川さん

福来みかんは18年前に苗木を植え、現在122本ある。鮏川さんは「老後のひまつぶしを社会人時代に準備し、福来みかんの木を植えた。筑波山麓秋祭りには第1回から参加している。今年は豊作でたくさん福来みかんが出来ている。筑波山の秋の味を楽しみに来てほしい」と話す。

みかん狩りは、採れても採れなくても1キロ500円。3日午前11時からは、地域で活動するオカリナ奏者、さかたかなこさんのコンサートもある。スタンプラリーでは七味をプレゼントする。

鮏川さんはみかんの栽培のほか、つくば道沿いに花畑を作り維持管理している。四季折々の花は登山客やサイクリストなどの目を癒してくれる。昨年まではウクライナ支援の募金活動をみかん園や花畑で開催するなど地域活動にも積極的に取り組んでいる。

◆筑波福来みかん園は、同市臼井678
 

収穫しジャム作り 旧大越邸

筑波山神社近くの古民家「旧大越邸」では、11月1日と3 、4日、福来みかんのジャム作り体験と古民家回遊ツアーを開催する。

かつて旅籠屋だった旧大越邸

旧大越邸は約140年前の明治時代まで旅籠屋だった古民家で、2013年~19年にかけて法政大学赤松研究室の手によって修理された。その後筑波大学システム情報系の山本幸子准教授が指導する建築・地域計画研究室が維持管理をしている。

秋祭りでは筑波大生たちが福来みかん関連のイベントを催す。利用する福来みかんは、筑波山神社脇で土産店を営む渡辺美代子さんの畑から譲ってもらっている。イベントでは、福来みかん狩りをして、その後、収穫したみかんでジャム作りを体験する。

古民家回遊ツアーは、筑波山神社近くのつくば道から、福来みかん畑、旧郵便局、旧小林邸ひとときや椿庵まで、福来みかん畑と古民家をめぐる約30分ほどのコースだ。ツアーは予約制で、3日間で50人が目標という。1日現在予約を締め切った。

打ち合わせをする筑波大生ら。右端が岡野勇太さん

同大4年の岡野勇太さんは「筑波山にある歴史ある建物を見てもらい、福来みかんにも興味をもってもらいたい。筑波山地域がもっと活性化するように協力していきたい」と話す。

◆旧大越邸は同市筑波688-1

筑波山麓秋祭りは2008年の国民文化祭開催を機に始まり16年目となる。20年と21年はコロナ禍で中止となり、今年は14回目の開催。スタンプラリーも催され、参加店に行くと各店の趣向したプレゼントがもらえる。(榎田智司)

◆筑波山麓秋祭り公式アカウントはこちら

終わり

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

3 コメント

3 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

サンタにふんし ごみ拾い TX万博記念公園駅周辺で障害者ら

クリスマスを前に、サンタクロースにふんした知的障害者らが12日、つくばエクスプレス(TX)万博記念公園駅周辺でごみ拾いをした。 同駅近くに立地する障害者の就労支援施設「さくら学園」(NPO明豊会運営、飯島喜代志代表)に通所する障害者ら約25人で、障害者を知ってもらい地域とのつながりをつくろうと、7年前の2018年12月から毎月1回、同駅周辺でごみ拾いを続けている。 この日はクリスマスシーズンにちなんで、赤い上着とズボンを着用、赤い帽子をかぶり、白いひげを付けて駅周辺を歩きながら清掃。TX高架下の生け垣、駅前のバス停、空き地、マンションの生け垣などに落ちていたビニール袋、ティシュペーパー、たばこの空き箱、紙コップ、空き缶などを拾い集めた。 守谷市から通所する高田建太さん(20)は「順調にきれいになった」と話し、つくば市内から通所する山下靖紘さん(34)は「楽しい」などと話していた。12日は強風注意報が出され、つくば市は最大風速7メートルと強風だったため、通常の半分のコースの約500メートルを、20分ほどかけて歩いた。 さくら学園広報の鈴木芽未さんは「障害者が外に出ることは大事。どんな人が通っているか地域に知ってもらい、地域との接点になれば」と話していた。 同施設にはつくば市内のほか周辺市町村から約30人の知的障害者や精神障害者、身体障害者らが通っている。ゴムのバリ取りなど会社から受注を受けた作業のほか、不要のパソコンを回収し希少金属をリサイクルする作業(2024年1月24日付)、機織り機を使った手織り、オリジナルトートバッグの製作(22年3月26日付)など、独自にさまざまな作業に取り組んでいる。(鈴木宏子)

ソプラノ歌手招き 歌ってフレイル予防を つくばのコーラスサークル

健康を維持するためのコーラスサークル「マウントつくばエコー」(伊藤雄二代表)が今年5月に結成され、国内外で活躍するソプラノ歌手で二期会会員のひらやすかつこさんを都内から招き、ボイストレーニングとコーラスの講座が開催されている。 音楽を楽しむと同時に、大きな声を出すことによって、加齢で心身が老い衰える「フレイル」(虚弱状態)を予防し、健康を維持することを目的としている。歌唱のうまさを競うものでなく、それぞれが楽しく歌うというのがモットーだ。 講座は月1回、同市並木の並木交流センターで催され、ひらやすさんが毎回、呼吸、発声、歌唱方法などを指導する。呼吸は、持参したストローを用い、ゆっくり深く息を吸った後、ストローを使って、吸った時間の倍の時間を掛けてゆっくり吐き出す。声帯と周辺筋肉の「声筋」を鍛えるほか、肺機能を向上させ、副交感神経を優位にすることでストレスの軽減や不安の緩和などの効果があるという。「声筋を鍛えることは認知症予防につながる。日常生活に音楽を取り入れるために、とても良い練習になる」とひらやすさんは言う。 現在会員は15人で、ほとんど欠席者は出ず、毎回毎回を楽しみに通っているという。練習では「埴生(はにゅう)の宿」「ふるさと」「オー・ソレ・ミオ」などをレパートリーとしている。 代表の伊藤さんが、都内でひらやすさんの講座を受講し、「つくばでもぜひやってみたい」と相談したのがきっかけ。伊藤さんが会員を募集しスタートした。 ひらやすさんは、武蔵野音楽大学を卒業後、ドイツ、イタリア、オーストリアなどに3度国費留学。ニューヨークのカーネギーホールで催された日米親善ソリスト公演にも出演した。現在は声楽家にとどまらず、臨床心理療法士、心理カウンセラーと幅広く活躍している。音楽と健康をテーマに、都内で開かれている「ときめきサロン」などの講師を務めているほか、老人ホームなどでも音楽教室を開いている。 ひらやすさんは「つくばは2018年頃から訪れているが、自然が豊かでとても気に入っている街。毎月来るのが楽しみになっている。楽しく歌えば健康になる。どんな形でもどんなジャンルでも歌うことは良いことで、歌うことが日常になってくれれば」と語る。「年を重ねると声帯が固くなり、高い声などが出にくくなる。しかしトレーニングによって改善することが出来る」と言い、「サークルでも、コーラスだけでなく、一人一人に歌ってもらうことで効果を高める指導をしている」と話す。 代表の伊藤さんは、大手半導体メーカー、インテルを退職後「テニスやゴルフ、カードゲームなど趣味に生きていた」が、ひらやすさんとの出会いによって新しい世界が広がったという。「会員のみんなが熱心で、歌うことによって健康になってもらえれば」「現在も会員募集中で、20人ぐらいに増やしたい。将来は旅行などしながら移動コンサートも出来たら」と語る。(榎田智司) ◆マウントつくばエコーのひらやすかつこさんの講座は、毎月第2木曜日午前9時30分~午後1時、つくば市並木4-2-1、並木交流センター音楽室で開催。会費は月2000円。問い合わせは伊藤さん(電話080-1241-5733、メールyuji3itoh@gmail.com)へ。

人類救済と日常生活の話《映画探偵団》95

【コラム・冠木新市】フランシス・フォード・コッポラ監督は、ベトナム戦争を描いた大作映画『地獄の黙示録』(1979)の撮影で数々のトラブルに悩まされていたとき、フェデリコ・フェリーニ監督の映画『8 1/2』(1963)を見て心を慰めていたという。世界映画史の上位に常にランクされる同イタリア映画は、日本では東京オリンピック(1964)の翌年、アートシアター系の劇場で公開され、難解な作品として話題になった。 この映画は、車の中にガスが充満してきて、必死に脱出を試みる映画監督グイド(マルチェロ・マストロヤンニ)の悪夢シーンから始まる。そして、ラストシーンはグイドが準備中だった「原子力戦争で生き残った人々が地球脱出をはかる」内容の映画をクランクインするシーンだ。 つまり、このドラマは「人類救済」をテーマにした映画作りに取り組む、一監督の苦労を描いたもので、彼の作品創造の秘密を解明している。しかし、創造の秘密といっても、それは技術上のことではなく、作品を完成させる上での自信、インスピレーションなど、グイドの内面に焦点が当てられている。 温泉療養所やホテルで暮らすグイドの内面に湧いてくるのは、亡くなった両親、自分の少年時代の追憶、そして妻、浮気相手、理想の女性クラウディアに関する夢など、準備中の映画とは関係ないことばかりだ。「人類救済」という大テーマに取り組みながらも、日常生活では妻や浮気相手の女性、過去の出来事との間で混乱するグイドの姿が浮き彫りにされる。 ユニークなのはその表現方法だ。前半では追憶や夢のシーンと現実シーンとの移行が明瞭だが、後半になるとそれらの境目が曖昧になる。グイドと妻のいる現実の場面に妄想の浮気相手が出てきて、妻と仲良く踊りだす。リアルな人物描写と相まって、グイドの混とんたる内面を表現する絶妙な効果をあげている。今では理解できる表現だが、1965年当時、日本の観客は混乱の極致だった。 人生は祭りだ 共に生きよう ラストシーンの直前で、日常生活と仕事に疲れ切ったグイドが、記者会見の席上でピストル自殺をはかる幻想にとらわれる。そして制作を中止、セットが破壊されてゆくその瞬間、突然、グイドはインスピレーションを受ける。「混乱を整理するのではなく、あるがままを受け入れること…それは愛だ。人生は祭りだ。共に生きよう!」と。 ラストシーンは映画史に残る名場面だ。宇宙船発射場セットの幕を引くと、階段からどっと白い服を着た人たちが降りてくる。現実の映画関係者や夢や追憶に登場した人物である。人々は輪になって踊りだす。現実と夢、内面と外面世界が融合した瞬間だ。その輪にグイドはもめていた妻と加わる。人類救済と日常生活は個人の内面で深く結びついている。 今年諸事情で開催を延期したイベントを、来年の開催に向けて準備中である。誰でも経験すると思うが、種々のトラブルはつきものである。ふと『8 1/2』を見たくなったのは、そのためか。だが、悩みながらも混乱する世界の救済と結び付いていると信じて取り組んでいる。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家) <お知らせ> 物語観光:つくつくつくばの七不思議セミナー(参加費無料)・日時:12月13日(土)午前10時半~・場所:カピオ中会議室・内容:映画『サイコドン』上映、出演者の話、唄、踊りなど

無人のダンプが坂下り出し 軽トラの女性けが つくば市発注の水道工事

筑波山中腹 11日午前11時30分ごろ、つくば市臼井、筑波山中腹の坂道で、同市発注の水道管布設替え工事中、道路脇に停車していた無人の2トンダンプが動き出し、約30メートル下った先の住宅敷地内に停車していた軽トラックに衝突、軽トラックははずみで住宅の玄関に衝突し、乗っていた女性が打撲など軽いけがを負った。 市水道工務課によると、現場は筑波山神社に続く生活道路で、工事を受注した市内の業者が老朽化した水道管を取り替える工事中、前方を坂の下に向けて停車していたダンプが前に動き出した。ダンプは事故時、交換した水道管を埋め戻すための砂を積んでいた。サイドブレーキはかけていたが、車止めは設置していなかったという。 けがを負った女性は、出掛けようと軽トラックの運転席に乗ったところ、左後ろの荷台付近をダンプに衝突された。住宅の玄関は、庇(ひさし)を支える木製の庇柱2本が折れるなどした。衝突の影響で軽トラックのドアが開かなくなり、消防署が女性を救出、女性は救急車で病院に運ばれた。 女性は現在、自宅療養中で、事故原因は調査中としている。 同市の五十嵐立青市長は「事故によりけがをされた方に深くお詫びします」とするコメントを発表し、「再びこのような事故を起こさぬよう、受注者に、現場の安全対策の再確認や現場作業員に対する安全対策の再教育を指示」し、さらに「現在工事を受注している全事業者に対しても、安全対策に関する指導を徹底します」としている。